夏期講習欠席という選択肢

もう多くの塾では夏期講習の受付が始まっていることでしょう。

早めに生徒を確保したいからなのですが、それって塾の都合でしかないような気がします。

もう少し利用者側に立っても良いのではないかと常々思ってしまいます。

夏期講習だけの話ではありませんが、

転塾とか退塾しようとしているとき、もうお金払っているんですよという声をよく聞きます。

 

今回のブログは小学5年生を対象にしています。

5年生ならば、ほぼ100%夏期講習に出席することでしょう。

出席しないとしたら、

退塾を考えているとか、これを機に個別にしようとか、

状況が良くない場合だと思います。

あるいはスポーツや学校行事が忙しすぎて、

参加できない日がかなり多くなってしまうなどの理由もあると思います。

長期海外旅行などもあるかもしれません。

 

では、どうして夏期講習に参加するかというと、

みんな参加するからというのが1番大きな理由だと思います。

学習効果を吟味して、

「よし!この子には夏期講習参加が最適だ!」

という決断をされてのことではないと思います。

 

昨年も今年も、塾に行かないでスカイプ指導だけの生徒さんがいます。

塾に行っている子とはひと味違います。

何が違うかというと、

説明を理解しなければならないというよりも、解かなくてはならないという意識が少し強いようです。

これはもちろん褒め言葉です。

算数は吸収することも大切ですが、自分の力で問題に取り組んで答えを出さないと成長しないからです。

分かれば満足という生徒さんでは物足りないです。

 

さて、やや話がずれますが、(というか、スカイプ指導の話もずれていましたが)

大リーグのイチローが日米合算安打がピートローズを超えました。

個人的には合算安打はお遊びの数字で、

お父さんの勤続40年の内輪でのお祝いくらいのささやかなものだと思っていますが、

ピートローズは大リーグ記録で、イチローは世界記録などという人がいると驚いてしまいます。

算数を仕事にしていると、たして良い数字とたしてはいけない数字を判断する習性があって、

イチローの安打はたしてはいけない数字だと思うからです。

マル1とシカク1をたしてマル2!と言っているようなものではないでしょうか?

 

あっ、ここでイチローの安打の話をする予定ではありませんでした。

イチローは筋トレ否定派だそうです。

したかったのはこっちの話です。

「ライオンは筋トレやります?いないでしょう。」

とイチローが言っているのをテレビで見た記憶があります。

 

イチロー自身は筋トレをしないのではなく、偏りすぎるのはいけないということらしいです。

それを言いたかったのです。

算数も教わる、自分で解く、のバランスが重要です。

塾に行っていると、教わるウェートが大きく、偏ってしまっている生徒さんが多いのではないでしょうか。

順調に伸びていかない生徒さんの場合は、それが原因の可能性が最も高いです。

 

塾では教わるだけ

家では解けない問題の解説を読む&親に教わる

なんとなく分かって、なぞるように解く

 

こういう学習ならば、偏っていると言えます。

解いて解いて解きまくってというくらいでバランスが良いと言えます。

これは算数に限らないと思います。

 

普段の通常期では、新しいことを学習するので、受け身の勉強になりがちです。

夏休みのようなまとまった時期はバランスを整えることが可能ですが、

夏期講習に普通に参加して、いままで通りに授業を淡々と受けてとなると、

せっかくのバランス良く整えるチャンスがなくなってしまいます。

 

夏期講習を休んだ子が2学期に見違える学力になって戻ってきたケースもあります。

夏期講習は必須でも出ないと危険なものでもありません。

いままでの学習で足りないものがあって、それを夏休みに埋めることができるのであれば、

そういう使い方もアリです。

 

あまり多くはいないと思いますが、夏期講習に出ないとしたら、

家でしっかり勉強をやる必要があります。

それができないと思い、夏期講習に行かせるという消極的理由もあるかもしれませんが、

ポイントは、早起きして朝集中して苦手な勉強をしてしまうことです。

昼は勉強ゼロ、

夕方か食後に得意な勉強を1~2時間

そして、夜は、明日はどんな勉強をやるのか計画を立てることです。

これだけで、夏期講習以上の成果になるはずです。

 

仕事でも実際に働くことよりも計画を立てることが大切です。

料理や家事も段取りが大切です。

引越はマスキングしたり、梱包したり、分解したりといったことが大切です。

 

それと同じように、実際に勉強するよりも、

どの問題を解こうとか、どこを覚えておこうとか、勉強の仕方を考えることが大切です。

 

言いすぎかもしれませんが、

そういった計画を立てる力と、問題を見て解き方を発見する力は共通点があるような気がします。

また、自分で覚えたいことを覚える勉強は、時間対効果は優れたものになります。

 

こういったことを踏まえ、塾の夏期講習に行くお子様にも忠告したいことがあります。

 

午前中に夏期講習に行って、そこで充実するかどうかが決まるわけではありません。

夏期講習以外の時間に、しっかり問題を解いているかをチェックしないといけません。

暑い中がんばって夏期講習に行っているんだから、終わったら伸び伸びさせてあげたいと考えると、

上記の通りバランスが悪くなってしまう恐れがあります。

授業時間と同じくらいの復習を目標にすると、実行できないお子様も多いと思います。

時間はある程度短くなったとしても、解いているときに、汗をかいて集中して取り組んでいる姿勢ができていれば良いと思います。

 

まだ夏期講習まで1ヶ月もありますが、

徐々に、「夏は家でたくさん問題を解いて力がつくんだよ」という言葉をかけて、

その考え方が浸透すると、良い夏を過ごせると思います。

TOP