- 2023年4月12日
お客様のK様からブログリクエストを戴きました。
ありがとうございます。
タイトル通り、女子が算数に弱い理由です。
とても重い内容でしたので、少々時間がかかってしまいました。
4年くらい前(アメブロを書いていた時代)に、これにかするような内容のブログを書いたことがあるのですが、
2008年にウィスコンシン大学で行われた研究では、算数には、男女差がないということが分かったらしいです。
「大学」=「権威」のイメージなので、真実だと思いがちですが、まったくの出鱈目でしょう。
さすがに事実をねじ曲げているわけではないと思うので、調査の仕方が悪いのでしょう。
これを機に、専門家が述べたことも疑うような習性になってしまいました(笑)
男女同じ問題のサピックスや日能研では算数は男子の平均点が高いです。
「学力上位の男子は中学受験をする」、「学力上位の女子は中学受験をしない」
なんていう仮説も立てた方が良いのかもしれませんが、
論文を書こうとしているわけではなく、
このブログは、私のいままでの経験を踏まえ、個人的な見解を述べる場ですので、
単純に、男子は算数が得意で、女子は苦手なのは何故かという内容になります。
あくまでも傾向だけの話ですので、すべての男子は、すべての女子より算数ができるなんて暴論を言っているわけではありません。
これから本題を書いていこうというときに、ずっこけるようなことかもしれませんが、塾講師はあまり男女の特性の違いを考えることがありません。
理由は、クラス分けで算数の成績が同じくらいの生徒さんを指導するからです。
男子だからこういう勉強、女子だからこういう勉強、というように男女分けて考えるのではなく、
偏差値60の生徒はこういう勉強というように考えがちです。
例えば、最上位クラスに男子が15人いて女子が5人いるとします。
どうして男子が多いのか?という研究は塾講師はしません。
範疇ではありませんので。
そしてそこにいる女子は男子勝りと呼べるくらいできます。
最上位クラスに限らず、集団指導しているときに、「女子だから算数が苦手」と考えることはありません。
とは言うものの、
女子だけのクラスを担当したこともあったり、
スカイプ指導でどうしたらできるようになるだろうと考えることも多かったので、
女子の算数を得意にする方法、どうして苦戦するのかということはある程度はつかんでいます。
「高額教材」or「ノウハウ本」の営業サイトだと、このあとリンクで誘導されますが、
ここはそういうところではなく、出し惜しみなく無料で私の持っている知識を提供していきます。
まず、脳について少し調べてみました。
女子は
- 左脳と右脳の結びつきが強く、脳全体で会話するため、いろいろな方向に飛ぶ
- コミュニケーション力が高い
- 主観と客観が混ざりやすい
このような特徴があるらしいです。
それに対し、男子は
- 脳の前後の結びつきが強く、情報を素早く理解し実行する
- 主観と客観を分け、論理的に考えられる
やや小難しい話ですが、言わんとすることは何となく分かります。
見た瞬間に解き方の分かるくらいの典型題は男女の差はないように思います。
女子クラスを数年担当して、もっともできるクラスだったときは、
同レベルの男子クラスに対して、首都圏統一模試では平均点で圧勝しましたが、日能研テストでは僅差で負けました。
パッと見て解けるくらいの低い難易度のときは男子だから女子だからということはないという実例です。
上記のウィスコンシン大学もこのくらいの浅い実験だったのでしょうか…
難度が上がってくると、情報を素早く理解し、それを行動に移すところで男女の差が表れるのだと思います。
情報というのは、いままで解いた経験の中から、どれと結びつけるかということになります。
そこが1番のポイントかもしれません。
行動へ移す決断力も大切です。
「なんとなく分かったんだけど、やらなかった」
そういう感想を女子からよく聞きました。
難しい問題になると、出題者との対話も重要です。
どうしてこの一文があるかとか、この設問があるかとか、この条件があるかとか、こんな半端な数字だとか、
出題者のメッセージを読み取らないとなりません。
客観的に読んで考えることが大切です。
このように考えていくと、女子の会話が多方面に飛ぶというのは算数ではマイナスに働くときがあると思います。
「良いところまで行っているのに、いきなり突拍子もないことを言うな…」
あまりの突拍子さに、つい吹き出してしまったことは多々あります。
また、都合良く解釈して、所謂いい加減に解く生徒も多いような気がします。
「●●があったから、▲▲と同じ問題かと思い、このように解きました」
というように、論理が繋がらない解き方をする生徒さんも多かったです。
主観と客観が混ざってしまっているとも言えると思います。
では、女子で算数を強くするためにはどうするか?
情報を素早く理解して行動に移すのが弱いのならば、
情報を可視化することが解決策になります。
こういう問題はこう書いて条件を整理するという方法論を確立することです。
こう書けばできる!という成功体験を増やしていくことが大切だと思います。
失敗体験を増やさないことも大切な気がします。
できる女子はませた器用な子が多く、
難しい問題になると説明を聴くフリをして実はあまり聴いていないタイプが多かったです。
がんばって難問に挑戦する!理解する!という汗をかく勉強は、マイナスになるような気がします。
「マニュアル化できる問題をしっかり取り組む」
これが女子のポイントだと思いますが、個人的な見解です。
話を変えます。
脳を調べているときに、男性は光を3色で見ているのに、女性は4色で見ているという記述を見ました。
よく聴く話ですが、女性の方が色の鮮やかさを受け入れやすいことだと思います。
そういえば、男子はカラフルなノートをあまりつくりませんが、女子はそういうノートが大好きという人が多いと思います。
それも男女の特性なのでしょう。
私は、学生時代、参考書やテキストに蛍光ペンを1色使うのが限界で、2色以上を使ったこともありませんでした。
いま対話式算数でサラッと4色くらいは使っていますが、慣れるまでは大変でした。
そして、会話です。
自分語りとか、会話を奪うとか、男性は会話で聴くよりも語りたいタイプが多いと思います。
だからこそ聞き上手の男性は希少価値で何かと上手く行くのではないでしょうか。
女性の場合は会話を聞く能力に長けていると思います。
以前もブログに書いた気がしますが、その特性を生かすとなれば、
女子には、会話型で、尚且つカラフルな視覚にも訴える教材が効果が高いと思います。
聞き上手なので、会話型の教材を上手く受け止められると思います。
これは読書とは次元の違うことだと思います。
あくまでもイメージですが、理社は、カラフルな予習シリーズで勉強する方が、白黒教材で勉強するよりも学習効果が高そうです。
グラフの分析や資料の読み取りを自発的にやることを期待せず、
文章でしっかり説明されているものの方が良いような気がします。
問題を解きながら力をつけていく女子もいるはずですが、
傾向としては、ゼミ形式、1対1の会話が多くなる質問、対話型の参考書を取り入れ、
仕組みをしっかりつかむことと演習を並行していくことが良いと思います。