受験算数OS Prelude 1「書き出し」の詳細

受験勉強は作戦を立てる

受験勉強は競争です。
良い作戦を立てて実行することが大切です。
良い作戦を立てることは、実行することと同じくらい大切です。

難関校を目指す場合、良い作戦とは何かを逆算で考えてみます。

  • 6年後期:「数の性質」「各分野の難問」「志望校の差のつく分野」に力を入れる
  • 6年前期:「立体図形」「速さ」に力を入れる
  • 5年:「場合の数」に力を入れる
  • 4年:「場合の数」に力を入れる
  • 男女や学力、適性や志望校によって若干変わりますが、これが王道だと思っています。

場合の数は最重要単元

中学受験で最も重要な単元は場合の数です。

立体図形が最も重要な単元と呼びたくなる時期もありましたが、立体図形は、中学入試の問題ではあまり差がつきにくいです。さじ加減によって、みんなできないとか、みんなできるとなりやすく、差をつけることが狙いの入試問題にはやや不向きな単元です。

差がつきやすい単元といえば、数系の問題で、「数の性質」「規則性」「場合の数」ですが、入試問題レベルになると、分類する意味はなく、数系でひとくくりにしても良いような気がします。生徒さんを見ていると、場合の数に強い人は、規則性も数の性質も強いと言えるのではないかと思っているからです。

数系は難しくなっていくと、程よく差がつくので、数系が得意な受験生はアドバンテージがあると言って良いです。

数の性質や規則性は4年生で取り組みますが、その両単元は、難関中の入試問題とは次元が違いすぎるので、3~4年生の間は「数系を鍛える=場合の数を頑張る」で良いです。その意味で、5年生くらいまでは、中学受験で最も重要な単元は場合の数となります。

場合の数は滅茶苦茶な解き方をする人が多い

場合の数は抽象的なので実感しにくく、「なぜかこの計算で答えが出る」という感覚になりやすいです。書き出しのところを計算したり、足すところをかけたりといった、目を覆いたくなるような答案は、実感ができていないからです。

そのために必要なのが、場合の数の「書き出し」です。 書き出しを経験することで、どうしてこれはかけ算で良いか、たし算で良いかなどを、自分の頭で実感して解くことができるようになります。

次の初歩的な問題を考えてみてください。

【問題1】 男子2人と女子3人の5人が横1列に並ぶとき、男子が両端になる並び方は何通りありますか?

女子3人の並び方は 3×2×1=6 通りで、両端の男子は左右入れ替えられるので2通りあります。答えは 6×2=12 通りですが、これを「6+2=8通り」としてしまう子がいます。

特に、説明するときに「女子の並び方は6通りですね。男子は左右逆の2パターンありますね。合わせると何通りですか?」と、わざと「合わせる」という言葉を使うと、8通りと答える子が多発します。

しかし、書き出しの練習をしっかりしていたら、男子をAとBにしたときに「A〇〇〇B」というものを6個書き出し、「B〇〇〇A」というものも6個書き出して、6×2で求めたと脳内で実感しています。そのため、先生に「合わせる」なんて引っ掛けの言葉を使われても、「6+6」か「6×2」を鮮明にイメージして、正しく12通りと答えます。

これが、書き出しでイメージを鮮明につくるという意味であり、書き出し練習をしないと身につかない、「書き出しの効能」です。

場合の数はなぜ難しいか

少しレベルを上げた問題も考えてみます。

【問題2】 0, 1, 3, 5, 6, 8の数字を使って(同じ数字は2回以上は使わないというルールで)、3桁の整数をつくったとき、3の倍数は何通りできますか?

3の倍数は、各位の和が3の倍数になります(その理由は4年生で頑張って理解して、5年生で自分の言葉で説明できるようになりたい部分です)。

まず、3つの和が3の倍数になる3つの数の組み合わせを順序正しく書き出します。以下の7つ(左欄)が見つかります。

順序正しく書いていることがお分かりになると思いますが、こういう習慣をつけると、算数全般の解法の質が上がります。書き出す練習によって、順序正しく書く習慣が身につきます。

3つの数個数書き出し
0, 1, 54通り105, 150, 501, 5100, 510
0, 1, 84通り108, 180, 801, 810
0, 3, 64通り306, 360, 603, 630
1, 3, 56通り135, 153, 315, 351, 513, 531
1, 3, 86通り138, 183, 318, 381, 813, 831
1, 5, 66通り156, 165, 516, 561, 615, 651
1, 6, 86通り168, 186, 618, 681, 816, 861
合計36通り

「0, 1, 5」を並び替えると 2×2×1=4 通り、「1, 3, 5」を並び替えると 3×2×1=6 通りと計算できます。

0が含まれるものはすべて4通りで、0が含まれないものはすべて6通りになるので、全部、計算する必要はなく省略できます。

書き出しに慣れていると、右の欄のように書き出すこともできますが、4通りが3つで、6通りが4つで、答は4×3+6×4=36通りと計算でも納得がいきます。

どうして場合の数が難しいか、お分かりですか?書き出し」と「計算」と「省略」が混在しているからです。

これを使い分けていくことが難しいですが、右の欄に書きましたように、ベースはすべて書き出しです。ベースは書き出しですが、上手く考えることによって、書き出さなくても、計算で求められたり、省略できたりします。この感覚を養うことが大切です。

書き出しの効能

① 場合の数に強くなる

書き出しの練習をすると、「書き出しの代わりに計算や省略がある」という正しい感覚が身につきやすく、高学年になったときに混乱しにくくなります。3年生の間にこれをしっかり取り組むことで、場合の数を正しく捉えられるようになります。

② 整えて書く習慣が身につく

算数が苦手な子の理由の1つに、「書き方が雑だから」というものがあります。書き方が雑になると、考え方も雑になります。そして、雑に書く癖は一度ついてしまうと、何回注意してもなかなか直りません。

算数は2つのものを見比べ、和を求めたり差を求めたりすることが多いです。見比べられるように書かないと、そのような発想は出てきにくいのです。自分の書いたものを見て考えられるだけの丁寧さが必要です。

書き出し練習は、答えをたくさん書いていく勉強です。ちょこちょことしたメモ程度のもので答えを出すことはできません。最初から清書のつもりで書くことになるため、ほとんどの子は丁寧な学習習慣が身につきます。 雑にサッと計算して丸付けをして終わり、という一般的な勉強と比べると、雲泥の差だと思います。

③ 実感して計算するようになる

算数のほとんどの問題は計算で求めます。計算している姿を見ると、お母様方は「何を求めているか分かっているんだろうな」と思いがちですが、実はそうでもありません。「いま、何を求めたの?」と聞いたときに、「式の答えです」と言うか、口ごもる子が多いのです。数字をなんとなく四則演算しているだけの状態です。その計算で何を求めるかが鮮明になっていないと、算数を得意にしていくのは難しいです。

例えば、5人(A〜E)から2人を選ぶ方法は、公式を覚えている子は多いですが、本当の意味で理解するためには 5×4÷2=10 通りの「式の意味」を子どもの言葉で説明できる力が必要です。

書き出し練習をすると、

  • AB、AC、AD、AEで 4通り
  • BC、BD、BEで 3通り
  • CD、CEで 2通り
  • DEで 1通り となり、4+3+2+1=10 通りになることが自分の手で実感できます。

書き出したことと、計算式が繋がることが大切です。計算式で何を求めているのかを鮮明にイメージする習慣をつけるには、書き出し練習が最適です。

書き出しは誰でも必要

難関校の算数は場合の数がとても重要ですので、「書き出し=場合の数」ということから、書き出しの練習は難関校受験生向けかと思っていました。

しかし、家庭教師を通じて、幅広く多くの生徒さんに効果がある勉強だと考えが変わりました。書き出しの練習は、場合の数の先取り学習という意味合いもありますが、上記の通り、書き出すことで「実感する力」を高めているからだと思います。

言い換えますと、高学年になっても、式を覚えるいわゆる「暗記の算数」になりにくく、質の高い学習ができるようになります。

『受験算数OS Prelude 1(書き出し)』の特徴

優秀な生徒さんが汗をかきながら楽しく解いて、トライ&エラーを繰り返した末、正解になって嬉しい表情を見せる問題を集めました。

入試の意識がまだ薄い小学3年生は、特に楽しい問題でないといけません。私から提案する教材選びのポイントは「汗をかきながら楽しく解く問題が多いこと」です。飽きがこないように、書き出す過程の楽しさや、全部書き出したときの達成感があるような問題を並べていきました。

お子様ができたときに、嬉しそうな表情をするかどうかを基準にしています。ぜひ、取り組んでください。

📦 『受験算数OS Prelude 1(書き出し)』教材概要

構成
全24回(1回につき、書き出しが6問、思考力チャレンジ問題が2問の合計8問)

ペース
1週間に1回分の学習ペースで、24週間で終わらせるモデルケースです

お届け
PDFファイル(印刷して何度も再チャレンジできます)

使い方
お子様が問題の意味が分からないときは、解き方ではなく「問題の意味」を教えてください。1つくらい見本例とするのは良いですが、できなくても教える必要はございません。教わるよりも「自力で解くこと」を重視してください。
1回で20〜60分くらいかかり、20分で完成させられる子はトップレベルです。

🎁 【まずは無料体験】

➔ 【無料】第1回「道順」をまるまる1回分、完全無料公開

本物だからこそ、出し惜しみはしません。 実際のテキストの第1回(問題・解答セット)をそのままPDFで公開しています。お手持ちのプリンターで印刷し、まずはお子様に鉛筆を持たせて20〜60分、静かに汗をかかせてみてください。

お子様が解き終わる頃に、3年生の今、なぜ、この『しっかり書き出す練習』が必要なのか、一発でご納得いただけるはずです。お子様が気に入りましたら、ぜひ全24回の完全カリキュラムへお進みください。

👉 第1回完全版(問題・解答)サンプルを閲覧する(Googleドライブへ)

 📝カリキュラム

回数単元名学習日
第1回道順5.7
第2回数列①5.14
第3回図形を数える①5.21
第4回図形と規則性①6.4
第5回数をあてはめる①6.11
第6回図形をつくる6.18
第7回ならべる①7.2
第8回場合の数①7.9
第9回方陣算7.16
第10回魔方陣9.3
第11回虫食い算9.10
第12回N進法9.17
第13回道順②10.1
第14回図形を数える②10.8
第15回図形を数える③10.15
第16回数列②11.5
第17回図形と規則性②11.12
第18回推理①11.19
第19回ならべる②12.3
第20回ならべる③12.10
第21回場合の数②12.17
第22回推理②1.7
第23回数をあてはめる②1.14
第24回立方体1.21
学習日はモデルケースです

👉全24回の内容とプロの着眼点一覧(ブログ)はこちら

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