百ます計算の取り組み方

計算練習の目的

計算練習の目的は3つあります。

  1. 素速く正確に計算する力を高め、得点力を上げる
  2. 授業についていく力を高める
  3. 概算をする

①は当然ですが、②の授業についていく力も計算力が必要です。

授業についていけるかは理解力に目が行きがちですが、授業で講師が説明のときに行っている計算についていけるかどうかが鍵を握ります。

③は計算が速いとサッと計算できて、割り切れないときや非常識な数字になったときに、もしかして間違えているかな?というように踏みとどまり再確認することで、ミスが減ります。

①~③のいずれも、限度はありますが、正確さよりも速さが大切です。

全問正解で7分かかるよりも、10問間違えて3分で終わるならば、後者の方が計算力が上がっていきます。

計算力というと、正確に計算する力のようなイメージになりますが、まず、素早く計算する計算力が重要です。

ゆっくり正確から、徐々にスピードを上げていくよりも、雑でハイスピードから徐々に正確さを高めていく方が簡単です。

初めは10%のミスならば及第点と考えて、スピード重視で進めてください。。

また、問題を解く時間が短縮できるようになりますので、密度が高まり、家での勉強時間を減らすこともできます。

その分、他の勉強をしても良いですし、ゲームなどを楽しみながら、悠々と勉強できる状況になります。

計算練習はいつから始めるか

計算練習は、小学1~3年生のいつから始めても良いですが、小学3年生の段階で、筆算のたし算(2~4桁)、筆算のひき算(2~4桁)、筆算のかけ算(2~3桁)ができるようにしたいです。

徐々にステップアップできるように小学2年生くらいから受験を意識した計算練習をすると良いと思います。

筆算のたし算やひき算はエクセルで自作で大量に教材がつくれます。

つくり方が分からない場合はお問い合わせください。

2桁の筆算のかけ算ならば、百ます計算がお勧めです。

百ます計算の取り組み方

お勧めしています百ます計算の取り組み方を具体的に書いていきます。

基本方針は次の2点です。

  • 暗算で解くこと
  • 集中してスピードを意識すること(テスト時間は6分以内が望ましい)

暗算でなくても、急いで筆算も良いですが、暗算の方が効果的です。

暗算で取り組む場合は、ちょっと数字をメモしたり、小さい数字を書いてしまうと、暗算で鍛えられる部分が激減してしまいますので、完全暗算で頑張ります。

計算練習の頻度は?

週に5日以上取り組みましょう。

百ます計算ならば、1回3~7分です。

歯磨きや食事やおやつなどのようにルーチンワークを決めて、取り組みましょう。

上の表で計算レベルを決めていますが、4分を切れるなら、次にステップしても良いと思います。

逆に6分台に入れないようだと、次にステップしない方が良いケースもあります。

暗算の仕方

ときどき「暗算はどうやるのですか?」と質問されますので、暗算の見本例を書いておきます。

2桁のかけ算の場合、例えば「47×36」だったら、40×36=1440を頭の中に一時記憶して、7×36=252とたして、1692とします。

47×30=1410と、47×6=282をたして1692でもいいです。

あるいは、50×36=1800から、36×3=108をひいて1692と求めてもいいです。

この3つを、頭の中でさっと解き比べて、よりやりやすい方法で解くようにすると、数のセンスが高まります。

3桁のひき算の場合、例えば「324-188」だったら、十の位でひかれる方が小さいことを意識して、百の位は2ではなくて1、一の位でひかれる方が小さいことを意識して、十の位は4ではなくて3、一の位は6で答えは136としてもいいですが、188に何をたしたら324になるかを考え、「1・3・6、ハイ136!」というように感覚で解けるようになると思います。

大きい位から書いていくことがポイントです。

裏技で解ける問題も存在しますが、正解にすることが目標ではなく、計算力を高めることが目標です。

一体、何のための練習をしているのかを見失わないようにして、本末転倒な取り組み方とならないようにしたいです。

足腰を鍛えたいときは、原付自転車に乗っては意味がないという話です。

百ます計算は徐々にステップアップする

百ます計算は、4回に3回は「かけ算」、1回は「ひき算orたし算」がお勧めです。

かけ算は「2桁×2桁」、引き算は「3桁-3桁」です。

ひき算は、大きい方から小さい方をひくことになります。

かけ算は、既に計算力のある子は別ですが、いきなりMAXは厳しいので、段階的に上げていきます。

  1. 20以下×10以下
  2. 50以下×10以下
  3. 99以下×10以下
  4. 20以下×20以下
  5. 30以下×20以下
  6. 40以下×20以下
  7. 50以下×20以下
  8. 30以下×30以下
  9. 50以下×30以下
  10. 50以下×50以下

というように10段階に分けます。

2桁×2桁と書きましたが、50までで十分、素速く正確に計算する力は高まります。

目標タイムは、たし算やひき算は2~3分、かけ算は4~5分です。

そのくらいの時間になるように、桁数を増やしたり、数字を大きくします。

そこまで計算力を鍛えられた状態で新4年生を迎えられたら、授業にもついて行きやすく、テストの点数も取りやすくなると思います。

計算はやれば誰でも上達しますが

計算は鍛えれば、ほとんどの子は上達します。

「自転車に乗れる」「スケートで氷上を滑れる」「泳げる」というのも上達の時間に差はありますが、やっていけば才能に関係なく、できるようになります。

計算もそれと同じです。

しかし、老婆心ですが、計算が上達すれば算数が得意になるとは限りません。

SNSなどでは、計算ができれば、算数は大丈夫というようなニュアンスで書き込む受験関係者がいますが、それは誇張しすぎです。

算数の土台として計算は必要ですが、土台がすべてではありません。

野球選手やサッカー選手が筋トレをするようなもので、筋トレは必要ですが、それだけで、野球やサッカーが上手くなるわけではありません。

計算で受験算数の土台をつくるという意識で取り組むと良いと思います。

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