- 2024年9月1日
ここのところ、表題についての意見をときどき見ますので、自分なりの意見を書いてみたいと思います。
あくまでも、みな自分の経験に基づく憶測か、極僅かな事例の上での意見であって、統計的にやった場合とやらなかった場合を比較した上での結論ではありません。
いろいろな意見を見て、これが良いのかなと判断すると良いと思います。
とは言え、いろいろな意見を見て判断するというのは、実はかなり危険なことではあります。
異なる意見を目にしますと、情報を発信する人のスキルと言いますか、文体の優しさ、包容力、納得感のある文章構成やレイアウトなどで印象が決まり、さも、これが一番しっくりくる!と思うものが、案外、相性が悪い場合があります。
子供の使う教材の導入や解説では見やすいレイアウト、わかりやすい文体などは必須ですが、ブログ記事にはそういうフィルターを除去した方が良いと思います。
前置きが長くなりましたが、各塾の模試の過去問演習は、学習効果が低いものです。
低いけれどもゼロではありません。
日頃の学習が、あまり充実していないのであれば、過去問演習の方が学習効果が高くなります。
問題が用意できるならば、積極的に点取りゲーム感覚で過去問演習をしても良いと思います。
日頃の学習が、それなりにしっかりしているのであれば、過去問演習は不要です。
模試と言っても範囲の決まっているテストと範囲の決まっていないテストがあり、範囲が決まっている方は、模試の過去問の必要性は低く、過去問をやらなくても、その範囲のテキストの問題を解けば良いと考える人が多いと思います。
圧倒的に、範囲の決まっていないテストの過去問の方が必要性を感じる方が多いと思います。
これ以降、両方に共通する話も多いですが、基本的に範囲の決まっていないテストの過去問演習の話になります。
- どんな問題が出るか予測できないから、事前に準備しておきたい
- テキストでの対策は現実的ではないから、何か効率の良い対策をしたい
- 模試の本番前に慣れておきたい
これが過去問演習をやりたい人の3大理由になっていると思います。
人間、慣れというものがあった方が心理的に余裕が生じ、良いパフォーマンスを発揮しやすいです。
過去問をやっている子と、いない子ではいない子の方が不利です。
それは心理的な余裕が原因です。
しかし、もう少し深く考えてみると、準備不足でテストに行き、そこで最大限のパフォーマンスを発揮する練習というのは、案外重要です。
あくまでも大切なのは1月や2月の入試本番です。
入試本番で、準備不足の状況になり、混乱して、まさかの不合格というケースは少なくないと思います。
入試は準備不足で臨むことはない!という話ではありません。
入試が終わると、「今年はいままでと出題傾向が変わった」と言う子が多いです。
言葉通り、大きく変わっていることもありますが、1問新傾向の問題があるだけとか、問題配列で前半に難問があったとか、えっ、例年通りだよ?と思ってしまうこともあります。
そう思ったのは、入試本番を迎えて、緊張状態でいつもと同じ視点で入試問題に接していなかったからです。
変わったのは出題傾向ではなく、受験生自身の方と言っても過言ではありません。
そういう予定調和から外れたときに、どういうパフォーマンスを発揮できるかを、それまでの模擬試験で体験できれば良いと、個人的には思います。
野生の動物をペットとして餌を与えて飼い、大きく育ったら、野に戻すというように、丁寧な作戦というのは、時には逆に残酷になります。
そもそも私の根底にあるのは、塾の授業で背伸びをしてでも上のクラスにいた方がプラスという考えではなく、1つ下のクラスにいた方が、悠々と勉強でき、学力が上がるというイメージを持っているからでもあります。
大事なのはクラスではなく、6年生後半の偏差値、そして入試本番の得点力なので、学力をつけることです。
学力はどの環境にいたらつくかという考え方です。
ものすごい対策をして上のクラスに行くとか、勉強せずにわざと下のクラスに行くという0か100の意見ではなく、普通の自然体で学習して、適正クラスにいればいいと思います。
上に模試の過去問演習は学習効果は低いと書きましたが、その理由を書いていきます。
範囲の決まっていない模試は、いろいろな問題が出ます。
得意な単元、不得意な単元、簡単な問題、難しい問題などバラエティに富んでいます。
偏差値60の子でしたら、150点中、7割の105点くらい取れます。
もともとできていて、やっぱりできたという問題は、学習効果が低いことはご理解いただけると思いますが、そうすると、最大7割は学習効果が低い時間になります。
また正答率が低い問題も、きちんと考えて、きちんと理解できるということをしない限りは学習効果は低いです。
そう考えましたら、学習効果は学習時間の2割程度になってしまうと思います。
2時間過去問演習に取り組むのと、所持している教材からタイムリーな問題を30分解くのでは、後者の方が学習効果が高くなります。
そこが、難度が比較的揃う入試問題の過去問演習とは異なるところで、入試問題の過去問演習と模試の過去問演習では、同じ過去問演習という名前になりますが、学習効果は同じではありません。
自分に必要な単元の必要なレベルの問題を解いていった方が遙かに質の高い学習になると思いますが、いかがでしょうか?
普段、勉強をだらだらやっていて、それが原因で点数が低く、しかし、良い点数を取りたいという向上心のある子(かなり限定的ですが)ならば、早めに1回やってみて、それをもとに、心を入れ替えて、その後、模試当日まで真剣に勉強をやる環境がつくれるならば、効果的とは言えます。
ご参考になる箇所がありましたら書いて良かったと思えますので、このBLOGかLINEにコメントをいただけると幸いです。