対話式算数第93話:時計算

第88~90話の3回で5年生に必要な速さと比の問題をすべて扱いました。

第91話からは流水算、通過算と続き、そして、今回は時計算です。

時計算は比例の要素が強く、速さの派生単元という位置づけです。

公式化しやすい単元ですが、考え方を理解して、公式化せずに比例で考えていくといいと思います。

時計が狂う問題は、時計の角度とは無関係ですので、時計算の扱いはせず、今回は扱いません。

比例と反比例②で扱います。

 

興味のある方はこちらにどうぞ

 

第93話:時計算の概要

 

93・1

時計の長針と短針の角度を求める問題です。

このあとのテーマに繋がっていくように5.5を使って求めることをお勧めしています。

 

93・2

決められた角度のときの時間を求める問題です。

比例の表で解くことをお勧めしています。

 

93・3

93・2の応用版です。

□時0分から考えて、長針が短針を追いこした後の時間を求めるのは、プラスからマイナスに変わるような概念が必要になりますので、ハードルが少々高くなります。

 

93・4

線対称の問題です。

下が易しい順だと思います。

  1. 12時や18時が軸(長針が短針を追いこさない)
  2. 指定されためもりを軸(長針が短針を追いこさない)
  3. 12時や18時が軸(長針が短針を追いこす)
  4. 指定されためもりを軸(長針が短針を追いこす)
  5. 長針や短針が軸

5番は今回は扱いません。

2~4番は先送りでもいいです。

いずれも長針と短針の進んだ角度の和を考えれば分かりますが、角を移すような感覚が必要になります。

自分で、常に間にある針をつくる方法もありますが、それは6年生にあってからのテクニックの話です。

 

93・5

特製時計です。

長針や短針が問題独自のルールで動きます。

時計算の原理のように、長針と短針の1分で進む角度を求めることがポイントです。

 

練習問題

 

番号 講評
1 A   10時0分から考えます。
2 A   8時0分から考えます。180度より大きくなるので、360度からひきます。
3 A   4時0分から考えます。長針が短針を追いこしてから何度開くか考えます。
4 A   8時0分の角度を求め、180度になるまで何度小さくなるかを考えます。
5 A   7時0分の角度を求め、90度になるまで何度小さくなるかを考えます。
6 B いろいろな考え方がありますが、1時間の間に直角になることが2回ある(2時台と8時台は1回です)と考えていくスタンスが良いと思います。
7 B 1回目は長針が短針を追いこす前、2回目は長針が短針を追いこした後です。いずれも5時0分から考えます。
8 B 7番の類題です。
9 B 3時0分の90度から、90→46→0→46と変化するので、92度進んだ角度に差があると考えます。
10 B 9時0分から、長針と短針の進んだ角度の和を求めます。12時を軸とするように、左右が対称になるパターンは考えやすいです。
11 C 6時が軸なので、左右が対象ですが、長針が短針を追いこした後なので、難しい問題です。長針と短針の進んだ角度の和を求めます。
12 D 5時が軸なので、まず、何時何分くらいかを把握することが大切です。それができたら、11番と同様に解くことができます。
13 B 長針と短針の1分で進む角度を求めます。(1)は2時0分の角度から70分で変化する角度を考えます。(2)は6時0分の角度を考えます。
14 C 1分で進む角度よりも1秒で進む角度で考えた方が良さそうです。
15 D 通常の4時22分くらいと、この時計独特の4時23分くらいに重なります。通常は、通常通りに解けますが、この時計独特の場合は、4時30分から考えるか、4時0分から長針と短針の進んだ角度の和を考えるか、あるいは、長針が常に逆回転に回ると設定を変えることもできます。

※「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題

※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題

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