対話式算数第90話:旅人算2

速さの3回目です。

1・2回目はシンプルな基礎的な問題中心でした。

そこで学んだ考え方を使った問題を扱っていきます。

今回は、速さの比としてよく出題される問題を5テーマ集めました。

他にもありますが、レベルが高いものは、小6対話式算数にまわします。

 

興味のある方はこちらにどうぞ

 

第90話:旅人算②の概要

 

90・1

直線上や池の周りなどを3人動く問題です。

AとBが出会ったときに、他の人はどこにいる?というように考えます。

常に3人いることを意識しないといけないので、ある程度慣れが必要です。

タイサンでは、この問題は速さと比を使って解くと位置づけ、今回初めて扱いますが、大手塾では比を使わないで解くスタンスで、比の学習の前に扱っています。

しかし、レベルが高いこともあり、なかなか身につかないのが現実です。

比で解くことも含め、いま身につけましょう。

 

90・2

電車と何分ごとに出会うとか追いこされる問題です。

電車の走行距離の間隔を決める考え方が単純でお勧めです。

走行距離の間隔は、時間の最小公倍数か、速さの比を使って決めます。

 

90・3

出発時間と追いついた時間から、2人の同じ距離を進んだ時間の比の逆比を速さの比にします。

この問題の考え方は、多くの速さの問題で利用します。

 

90・4

歩幅の問題です。

比が多くなり、とても紛らわしいテーマです。

比が多くなると、いま何を求めているのかが分かりにくくなります。

それを防ぐためには、1歩の長さを具体的に決めて、1秒の歩数を具体的に決めると良いと思います。

機械的に公式のようなものに当てはめて速さの比を求める方法は避けたいです。

そのようなことを意識した流れになっています。

 

90・5

お互いに折り返した後で2回目に出会う問題です。

図で解くことが一般的ですが、表を書いて解いた方が解きやすいと考えています。

その解法を己算と読んでいます。

「己」の由来はお分かりになると思います。

他の問題に活用することが少ないので、重要問題ではありませんが、「2回出会う問題は己算で解く」として、スマートに答えを求めて欲しいです。

 

練習問題

 

番号 講評
1 B 20分後のAとBの位置関係を考えます。速さの比を距離の比として図に書き入れて求めます。大手塾では、この問題を比を学習する前に扱いますが、比を学習してから比を使って求めていくのが効率的だと考えています。
2 B 1番の類題です。AとCが出会ったときのAとBの位置関係を考えます。AとCが出会った後もBとCの2人は歩き続けていることを忘れがちになる問題です。
3 B 1・2番の類題です。
4 B 電車の走行距離の間隔を20と15の最小公倍数の60にすると、電車の速さと自転車の速さの和と差が分かり、それぞれの速さを求められます。仕事算のように感じ取れると、相乗効果で理解が深まります。
5 C 4番の応用です。(2)は速さを決めてから、走行距離の間隔を求めます。
6 D 4・5番の応用です。バスとまもる君の速さの比から、電車の走行距離の間隔を比で求めます。
7 A   弟が○分で行けるところを兄は△分で行けると考えます。図をかいた方が理解しやすいです。
8 C AとBの速さの比を、時間の比から求めます。AとCの速さの比を、時間の比から求めます。連比を利用してBとCの速さの比を求めます。
9 8番の類題です。3人の連比を求めるのは、8番より簡単だと思います。
10 C 速さの比を求めますが、歩幅を決めておくと、75mを上手く使いやすいです。
11 C 歩幅を決めて、1秒の歩数を決めて、秒速を求めます。その後は、Bが出発するときの2人の距離、1秒でどれくらい近づくかなど、実際の数字ではありませんが、そういうイメージで解くと良いと思います。
12 D 1秒の歩数を3歩と5歩にして、できるだけ時間や距離や速さをイメージしながら解いていきましょう。
13 C お互いに折り返した後で2回出会う問題を己算と呼んでいます。イメージしやすいように、一応、図をかいて、己算で軽く解きましょう。
14 C 13番の類題です。
15 13・14番の類題です。

※「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題

※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題

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