対話式算数第74話:底辺比と面積比2

平面図形と比の2回目です。

先週の第1回目は、公式通りに解く問題中心でしたが、今回は底辺比と面積比を考えていく問題も扱います。

底辺比と面積が等しいパターンを「同頂点の三角形の面積比」と呼ぶことにしています。

一般の参考書では、相似を使わない平面図形と比の問題は、同頂点の三角形の面積比を使うことが多いですが、補助線をひいてまでして使うこともないと思っています。

補助線をひかないで「底辺比と面積比が等しい」を使える問題はそれで解き、補助線が必要な問題は、補助線をひかずに公式通りに解いていくことにしています。

「公式通りに面積を求める」と「同頂点の三角形の面積比」の2本柱として捉えています。

この方がすっきりして、早く深く身につくことは、スカイプ指導で実証しています。

かどの三角形の割合というテーマもありますが、それは公式通りに面積を求めるのと本質は同じです。

 

興味のある方はこちらにどうぞ

 

第74話:底辺比と面積比②の概要

 

74・1

頂点が同じ三角形は、高さが等しいので底辺比が面積比になります。

前述しましたが「同頂点の三角形の面積比」と呼ぶことにしています。

慣れるまでは、問題の図の向きを変えて、底辺を所定の位置になるようにして考えましょう。

公式通りに考えていきながら、途中で、同頂点の三角形の面積比を考えることもありますし、「公式通りに求める」と「同頂点の三角形の面積比」を使いこなせるようにしましょう。

 

74・2

台形の問題です。

台形は公式通りでも解きやすい問題と、対角線をひいて、面積比を考えていった方が解きやすい問題があります。

台形を見たら、どっちの方が解きやすいかを考えるようにしましょう。

 

74・3

2辺をかけたら面積比になるという問題です。

その2辺はそれぞれ同じ直線上だったり、平行だったりすれば、底辺と高さのつもりで、2辺をかけたら面積の比になります。

底辺に利用する辺と高さに利用する辺は同じにしないと面積比にならないことを理解しましょう。

 

74・4

かどの三角形の割合と呼んでいますが(予習シリーズもまったく同じフレーズでした)、2辺の比をかけて、全体の何分のいくつかを求める解き方です。

74・3でも触れていますが、全体の三角形は使う2辺を変えると面積が変わりますので、かどの三角形の面積を求めるごとに全体も求め、最小公倍数を利用するか、かどの三角形の全体に対する割合を考えます。

 

74・5

四角形に2本の対角線をひき、面積比とその対角線の線分の比は同じになる問題です。

自発的には使いこなしにくい解法の1つです。

面積比→底辺比→面積比という流れを理解しましょう。

問題によっては、公式通りの方が考えやすい場合もあります。

 

練習問題

 

番号 講評
1 A 底辺比から面積比を求めます。
2 B 公式通りに考えていき、部分的に同頂点の三角形の面積比を利用します。
3 B 2番の類題です。
4 A 台形に対角線の補助線をひいて4つの三角形に分け、面積比を書き入れます。
5 B 台形に対角線の補助線をひいて3つの三角形に分け、面積比を書き入れます。台形を2等分するので、台形の面積は偶数が良いと考えて、柔軟に面積を決めます。
6 B 5番の類題です。台形は、対角線をひいて、面積比を考える習慣をつけましょう。
7 A 2辺をかければ求められます。覚える算数にならないように、底辺と高さをかけていると意識しましょう。
8 A 中の三角形の辺がどこも1めもりなので、深く理解しなくてもできますが、連比を使っていることを意識しましょう。
9 B 中の三角形の辺を同じ長さにしないと簡単にはできません。比をそろえて、中の三角形の1辺を2にします。
10 A かどの三角形の割合です。かどの三角形を分数で求めたら、整数比に直しましょう。
11 A 3つの角の三角形の割合を求め、全体からひきます。
12 C 補助線をひいて、同頂点の三角形を利用する解法が一般的かもしれませんが、右の三角形ADCの中で、かどの三角形の割合を求めます。
13 B 同頂点の三角形の面積比でもできますし、公式通りに解いてもできます。公式通りに慣れてきていたら、後者の方が解きやすいと思います。
14 B 対角線ACをひいて、それぞれの区分に面積を書き入れていきます。面積比→底辺比→面積比と考えていきます。
15 C 三角形BCDを求められます。面積比から、AO:OCかBO:ODのいずれかを求めます。

「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題

※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題

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