3・4年生用の本当の基礎を身につける教材

スカイプ指導を行っていますと「塾でいったい何を教わっているの!」と思うこともしばしばあります。

しかし、それはお互い様で、塾では「家庭教師にいったい何を教わっているの!」と思われている可能性があります。

塾講師や家庭教師の中には、身についていない状態のときに教えて、生徒さんが頷きながら聞いていると、もうこれで自分が教えたから大丈夫!と思ってしまう講師もいるかもしれませんが、しっかり理解させてすぐに学力アップというのは難しい話だと思います。

 

どうして学力アップが難しいかと言いますと、一言で言うと、基礎ができていないからです。

「簡単な問題=基礎」ではありません。

基礎を辞書でひくと、物事が成立するための基本となるものとありますので、簡単な問題が解ければ、難しい問題も解けるということなら、「簡単な問題=基礎」となりますが、現実には、そうはなりません。

 

例えば、「10から数えて20番目は?」と聞いたときに、反射的に29と出てきて欲しいのです。

「真ん中から100m離れた地点で出会ったとき、2人の進んだ距離の差は?」と聞いたときに、反射的に200mと出てきて欲しいのです。

こういう要所を間違えているようだと、なかなか学力アップに繋がりません。

逆に言えば、こういう要所がことごとくできている子は、有望だと思います。

これを基礎と呼ぶべきだと思います。

つまり、基礎とは、いろいろな単元に出てくる考え方です。

 

当教材の対話式算数は極力、基礎が身につく流れになるようにしています。

しかし、小4対話式算数からは、身につけなければならない解法を紹介する部分にも多くの記述をしなければならないということで、読んでいきますと、解法にしか目が行かないという生徒さんも多いのではないでしょうか。

解法をしっかり身につけよう!という意識になる前の段階で、基礎をしっかり身につけることがベストだと考えています。

 

現在、小3対話式算数Jという教材を作っていますが、その教材は、地道に書き出すことを主眼に置いていて、小3鍛える算数書き出しと被るテーマが多く、基礎を身につけると考えると、ちょっと物足りないのでは?という疑問が湧くようになってきました。

正直に書きますと、小3鍛える算数書き出しがあるのに、この教材は必要か?ということです。

 

それならば、小4対話式算数S(易しいソフト版)を小学3年生用にアレンジして、基礎を身につけることのみに狙いを定めて教材を作ろうと企画しました。

私の考える各単元の基礎とは、具体的には下のようなものです。

  1. つるかめ算は、もし全部○○ならばと考えて、そこから1つ減らしたらどうなるかを考えること
  2. 和差算は、線分図をかいて、短い方に長さをそろえたときに、合計はどうなるかを考えること
  3. 平均算は、表にまとめて、和を右に書くこと
  4. 等差数列は、順番とその数をリンクできること
  5. 周期性は、商とあまりから、第何周期の何番目かを判断できること
  6. 三角形や四角形の角度は、どこが必要かを判断してその角度のみを書き入れること
  7. 円やおうぎ形の角度は、二等辺三角形を見つけたり書いたりすること
  8. 水量の問題は、真正面から見た図をかいて、横を底面積にして図で解くこと

書いていくとキリがありませんが、上記のようなものを3年生の間にしっかり身につけて、4年生に進んで欲しいと思っています。

3年生では厳しいという子でも、4年生でその単元を学習する1週間くらい前には、下地作りを目的として予習して欲しいと思っています。

大事なことが仕込まれていれば、その後、暗記の算数にはなりにくいです。

例えば、上の4番の等差数列で、植木算を意識して何番目の数はいくつになるかをしっかり求めることができる生徒さんが「(末項ー初項)÷公差+1」と機械的に覚える必要がありません。

 

大切なことは、基礎の意味を正しく理解し、基礎を身につけて授業に臨むことだと思っています。

優秀な子は、ノーガードで授業を受けても力がつきますが、そういう生徒さんは一部の猛者です。

ほとんどの子は、解き方を覚えようとするのではないでしょうか。

スカイプ指導でときどきある光景ですが、どうしてその解き方をするのか分からないのに、公式を使う生徒さんがいます。

例えば、円の面積や分数の通分なら、「それを知らないと話にならないから、理解できていなくても使う」というのは納得できますが、枝葉に当たるような地道に求めても求められるものを公式で解く理由が私には分かりません。

公式を覚えないで解けない方が、弊害が少ないのでは?とさえ思っています。

そのあたりは、算数講師の思想の違いなので、何が正解かは分かりませんが、少なくとも、公式丸暗記で乗り切ることは避けたいということは、誰でも思っていることだと思います。

それを防ぐための、下地作りが、3・4年生の基礎を築く勉強だと思います。

 

小4対話式算数Sと小3対話式算数Jの作成は打ち切りまして、新たにその2教材にかわる基礎を身につける教材を作っていきます。

教材名は、悩んだ末「対話式算数・基礎編」としました。

ベースは小4対話式算数Sで、4年生の単元がすべて完成しているものなので、順調に新教材を作成できます。

現在2話まで完成しました。

 

ざっとカリキュラムを作ったところ、40話くらいまでになりそうですが、未定です。

2022年4月からの販売を目指します。

ページ数などにもよりますが、書籍化も検討しています。

正式販売までは、ご感想のメールを100~200字(もっと長いと嬉しく思います)でいただくことを条件に、無料でお渡しいたします。

中学受験の勉強に入る前に本当の基礎を身につけたい方は、ぜひ、ご検討願います。

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