- 2016年12月12日
量より質を意識する
宿題や復習をしているのに、なかなか効果が上がらないという子どもはとても多いと思います。
理由は簡単なことで、みんなそれなりに宿題をして復習をしているからです。
その中で相対的に上げていくには、周りの子どもよりも学習の質を上げないといけません。
学習の質にこだわりたいところですが、ここで、どういう学習が質が低いのかを考えてみたいと思います。
量を意識するから、勉強は雑になる
抽象的になりますが、問題を解いたときに得られる情報が少ないと学習の質が低いといえます。
考えながら解かなければいけないということです。
例えば、75をかけるとき、暗算で解きやすい場合があります。
48×75は一瞬で3600と求められます。
それは、75というのは0.75の100倍だから、4800×3/4=3600と求められるからです。
日頃の学習で、問題を解いていきながら、75のかけ算はこうやった方が速いのかな?ということを自発的に生み出しているかどうかです。
かけ算を高速で筆算で勉強しているだけでは、このように上手く捉えることまで及んでいない場合が多いと思います。
自発的に何も生み出さない勉強を、高いレベルの話になりますが「雑な勉強」といって良いと思います。
たくさんの問題を解こうとすると、このような雑な勉強になりやすいと思います。
勉強に限らず、鍛えていくとすると、真面目な人ほど、時間や問題数など量を重視しがちになります。
演習量が十分でロボットのようにパターン化した行動で素早く答えを出せることが多くなりますと、鍛えられている感じになりますが、上記のように、上手く考える小道具をいろいろ引き出しに入れているかどうかが重要です。
問題を漠然と10問解いて、自発的に何も生み出さない勉強ではなく、考えながら3問を解いて、いくつかのことを絡めて考えてみるのでは、後者の方が学習効果が高いと思います。
算数が大好きで、いつも算数のことを考えている子ならば、問題を解くときは、解くだけに全力を注げば良いですが、そうではない子は、自学自習のときに、いろいろと考える必要があります。
時間はかけて問題数は少ないことがベスト
問題数はこだわりは捨てて良いですが、時間に関しては、丁寧に考えながら解いていけば、それなりに時間はかかります。
問題数も減らし、時間も短くしても質が高ければ大丈夫です!とまではなかなか言えません。
また、時間を問わず、できるだけ毎日扱って慣れていくことは大切です。
毎朝、計算をやることが日課になっている子がいますが、計算をやるよりも、文章題か図形か場合の数を1問でいいからしっかり解いた方が効果が上がるような気がします。
4教科の学習がありますので、算数に無尽蔵に取り組むことはできませんが、できるだけ算数で頭や手を動かしながら、しかし取り組む問題数は少ないという学習ができれば理想的です。
短時間でたくさんという学習の正反対がベストだと思ってくださると良いと思います。
具体的にやること
解き終えてから次の問題に行く前に考える項目としては、具体的に、以下のものが挙げられます。
- もっと書く量を省けないか
- もっと綺麗にわかりやすく書けないか
- 違う視点はできないか
もっと綺麗にわかりやすく書けそうならば、清書として書き直してみることも大切です。
違う視点というのは、上記の75のかけ算もそうですし、比や平均や逆比を使ってみたり、場合の数ならば、求めない方を求めて、全体からひくなどの方法です。
なかなか別解を編み出すのは難しいですが、他の単元で使っている手法を使ってみたり、全体からひいてみようかなという手法など、他に何か考えてみようという習慣がつけばプラスになると思います。
そういう習慣があれば、塾の授業の吸収力も上がります。
そして実際に解くときは、以下のことを1つでもいいので意識するといいと思います。
- 「だから」「なので」などの言葉を書き、つながるように書く
- 今何を求めているかの言葉も添えて書く
- どうしてその解き方にするのか理由を簡潔に書く
- 塾講師が黒板に書くような書き方にする
今まで量を意識して上手くいかなかった子どもは、こちらを試してみる価値はあると思います。
私の褒め言葉の1つに「この解き方(書き方)を、ブログで紹介したい」というものがあります。
といいつつも紹介したことはまだありませんが、それを言われた生徒さんはかなりの高確率で成績が伸びています。
人の目を気にして行動するというのはちょっと違いますが、私に認められるような書き方を意識したら伸びます。
ちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういう意識で取り組んでも良いと受け止めて欲しいです。
勉強はやり方次第
中学受験の算数はやり方次第で大きな変化があります。
逆に言えば、やり方を変えなければ変化が起きにくいです。
塾であまり成績の変化がない子たちを見ている講師は、地頭が重要と考えがちですが、偏差値70を目指すというような高い目標を掲げているわけでなければ、やり方で改善することは可能です。
復習をやってもあまり効果が上がらないという方は、問題をゆっくり気持ちに余裕を持って時間をかけて丁寧に解いて、解き終わっても少々考え続けるという姿勢で取り組んでいくことをお勧めします。
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