- 2017年3月23日
昨日のブログは、塾に厳しさがなくなることは、上位生はさらに伸び、下位生はさらに伸びず、大きな差が生まれる原因となるという主旨のものでした。
通塾していることで安心し油断していると、伸びない下位生になってしまう恐れがあるので、常にアンテナを張って取り組もうというアドバイスになっていたと思います。
とは言いましても、すべての塾に当てはまるものではなく、通っているだけですべてお任せできる塾や塾講師がいるかもしれません。
いわゆる面倒見の良い塾や塾講師です。
今回のブログは面倒見の良い塾について書いていきます。
面倒見の良い塾は、進学塾が取り巻く環境が変化しても、常にニーズがあります。
「面倒見の良い塾を選びたい」と希望している消費者も多いと思いますが、具体的にはどういうことを面倒見の良さとしているのでしょうか?
そのあたりをしっかり考えてみたいと思います。
面倒見の良さをアピールする塾は多いです。
それがとても有効なアピールポイントだと分かっている塾経営者なのでしょう。
「クラスの人数は○人以下」「自習室がある」「質問できる」「宿題点検してくれる」「塾側から電話がある」
これらはすべて面倒見の良さをアピールする項目です。
しかし、いくら塾というハードが良いシステムを作っていたとしても、担当講師というソフト次第で面倒見の良さは変わります。
クラスの人数が少なくても、担当講師が教え方が上手くなければ意味がありません。
塾側から週一で電話がかかってきたとしても、有意義な会話にならない場合は、時間の無駄です。
塾が宣伝に使っている面倒見の良さの項目は、消費者からすれば、それほど面倒見が良いと感心するものではないと思います。
消費者から見てポイントが高いのは、次の4点だと思います。
- 理解できないときに、声をかけてくれたり補習してくれる
- 勉強をサボっているときに、しっかり取り組もうと声をかけてくれる
- 宿題の仕方が悪いときに、良いやり方を丁寧に指示してくれる
- 勉強の調子が落ちてきたときに良いアドバイスをしてくれる
ところが、この面倒見というサービスはどの講師でも与えられるものではありません。
力量が必要です。
最近、私に「毎日ブログを書け!」と激しいプレッシャーをかけるというか、背中をつついてくれる井上秀氏が、自身のブログで酷評することが多い算数の上司(もちろん私の上司でもあります)は、このサービスをしっかり提供することに関しましては、類い希なる力量の持ち主でした。
上司が上手くできるからといって、その部下たちが形だけ真似をしてもあまり上手く行かないでしょう。
私はそれとは異なるアプローチで行くことにしていましたが、サービス提供という面に関しては劣っていたとは思いません。
面倒見が良くても良くなくても講師の工夫次第で、良いサービスが提供できます。
私がどういうサービスをしていたかは、いままでのブログに様々な形で書いていますので、今回は割愛します。
やや本題からずれましたが、消費者の求める面倒見は、塾講師の力量や性格によってはできません。
多くのスタッフを抱える大手塾では、いろいろな塾講師がいるので、そのような面倒見の良さをアピールできません。
クラスの人数や自習室の設置などハード面をアピールしているというわけです。
誤解のないように書きたいのですが、上記の消費者から見てポイントが高い面倒見の4点は誰でも実行はできます。
しかし、生徒さんがその気になったり大きく改善したりするような有効なアドバイスが難しいのです。
タイミングと話す内容が大切なので、それが上手くなければ、いくら生徒さんを呼んで話しても効果が上がりません。
面倒見の良さを求めても、講師の力量によってはとても難しいので、それに長けている講師が切り盛りしている個人塾以外はそのようなサービスはできないのではないでしょうか。
とは言いましても、講師によっては、上記4点の面倒見のサービスをしてくれることもあります。
面倒見は良くないけど、良いサービスを提供してくれる講師もいます。
どこの塾が?というのではなく、どの講師がそれができるのかということになります。
面倒見というと、塾単位で考えがちで、「S塾はドライだから面倒見が悪い」「W塾は熱くて面倒見が良い」などと言われていますが、面倒見の良さは講師で決まります。
インターエデュでも、ときどき「S塾だけど面倒見が良かった」と書いている人もいます。
自分だけの一例でその塾がすべてそうであるかのように語る人が多いことには閉口しますが、塾という「組織」ではなく、そこで働いている「人」が重要だということは分かります。
面倒見の良さで塾を選ぶのではなく、選んだ塾で面倒見の良いサービスを提供してもらえるように取り組むことが大切です。
そのサービスを受けるためには、担当講師に直接、具体的にお願いしましょう。
「毎回、宿題の内容を見て、一言アドバイスをもらえませんでしょうか?」などとお願いしても全然問題ありません。
お子様には、塾講師の視界に入るように近くをうろうろしているように伝えておけば良いと思います。
上記のポイントの高い4点はすべてお願いしても良い内容ばかりです(1の補習は無理かもしれません)。
チップやお中元や謝礼は不要です。
もし、そのようなことを頼んでいる保護者が他にいなければラッキーです。
そういう生徒さんが少ないほど講師によく見てもらえます。
迷惑をかけているとか申し訳ないと思う必要もありません。
厚かましいと思われたくないとお考えの方もいらっしゃると思いますが、真剣なときは形振り構わずという姿勢が大切です。
塾側からは、消費者が思っているような印象では受け止めていないことが多いと思いますし。
注文していないのに、そういう面倒見の良いサービスをしてくれる講師もいるので、黙っていたらサービスのない講師ならば、こちらからサービスを求めるのが自然のことです。
頼んでもダメなら諦めるしかありません。
「頼まなくても面倒見の良い講師」「頼めば面倒見の良い講師」「頼んでも面倒見の悪い講師」がいます。
外れならば、面倒見の良さは諦めるしかありませんが、外れの講師は多くはないと思います。
前職の算数の同僚の講師は、全員と言っていいほど、頼めばやってくれる講師だったと思います。
そろそろまとめます。
面倒見の良し悪しは、塾ではなく塾講師です。
面倒見の良いとアピールしている塾は、消費者の求める面倒見とは異なる場合が多いです。
特別に運が良い場合を除いては、面倒見の良さは、頼んでこそ提供されます。
頼むことは厚かましいなどということはなく、むしろ信頼の証となり講師は喜ぶことでしょう。
多くの保護者様が面倒見の良い塾を探していますが、塾関係者からすると、それは違うと思っています。
「自習室がある」「お弁当はケータリングサービスがある」などのハード面で判断するくらいで十分だと思います。
入塾してからのアプローチが重要です。
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