- 2023年1月3日
なぜ、式を書くのか
算数とは切っても切れない言葉に「式を書きなさい」というものがあります。
みんなが言うことだから染みついてしまっていると思います。
例えば、半径が4cmの円の面積を求めなさいという問題があったとします。
4×4×3.14=16×3.14=(中断で筆算で求める→再開)50.24
16×3.14のあとは暗記している場合もありますが、その前の4×4×3.14は書く人が多いと思います。
これ必要?と私は思っています。
4×4=16は軽く暗算できるので、16×3.14と書いて、そのあとすぐに答が分かる人は、即、50.24、筆算が必要な人は、筆算で計算してから50.24と書くので良いのではないでしょうか。
式を書きなさいという理由がよく分かりません。
いままで誰からも式を書く理由を聞いたことがありません。
せいぜい、下の理由です。
- テストで減点されるから
- テストによっては途中点が取れるから
- 見直ししやすいから
全く何も書かないということではなく、上の計算なら「4×4=16」くらいは省略して、「16×3.14」は残しておこうというものです。
塵も積もれば山となるということで、少しでも省略する姿勢が必要なのと、常に、頭(暗算や目で数える)と手を使って二刀流で解き進めると早く正確に解けるからです。
算数は数学とは異なり、式変形を繰り返して答えを出す科目ではありませんので、式を書かずに、ちょこちょこ数字をメモをする程度でも、上から整えて書いて、筆算をしっかり残せば、見直ししやすくなります。
式を書きなさいという人は、数学とごちゃ混ぜで考えているのだと思います。
計算式を書かないと解けないのか
途中式とは、言語みたいなもので、相手にこう辿ってきましたという証拠を見せるものです。
見せる必要が無ければ書く必要はありません。
省略した計算式を書いたり、省略できている計算式以外のものなど、自分の役に立つものを書けば良いと思います。
問題によっては式で整理した方が良い場合もありますので、そういう場合は書いた方が良いですが、いつでも書かなければならないものではありません。
例えば、私が入試問題を解くときは、基本的に式を書きません。
表か、もしくは計算結果の答えだけを左から右か、上から下へ流れるように書いていきます。
図形の問題ならば、電卓を使う場合は答えを図に書き入れるだけです。
他の講師が予習などで解いているのを見ると、式を書いている人もいれば、書かない人もいます。
何を書いたらわかりやすいかというものが個々で異なるということでいいのではないでしょうか。
式を書いているのに、書き方がひどい
算数の問題を解くのに、書き方はとても重要です。
割合や速さや和と差の文章題はもちろんのこと、数系の問題、図形の問題でも書き方はとても重要です。
しかし、スカイプ指導で初めて担当する生徒さんの解く姿を見ますと、とても軽視されています。
理由は簡単です。
書き方が重要だと思っていないからです。
小学校で簡単な問題で暗算でもできる問題なのに「式を書きなさい」と言われ続け、義務で式を書いていく姿勢が染みついてしまっていると思います。
必要なことをするという姿勢になっていないから、質の高いものを書こうという姿勢にならないのです。
器用な子は、塾講師が説明するときに書いたものを、真似して書いたら解きやすくなるという感覚で書いて解きますが、不器用な子は必要なものと考えずに真似をしようという行動に起こりません。
器用な子と不器用な子でどちらが優位かと考えますと、あまり変わりません。
塾講師の真似をして書いている器用な子が、ゆくゆく、これはこういう理由でこう書いているんだなと気がつくか、あまり書かない不器用な子が、ゆくゆく、これはきちんと書いた方が解きやすいと気がつくかです。
義務ではなくマニュアルでもなく、自由だけど、それを選択するという姿勢が必要です。
これは必要なもので、こう書かないと解けないから書くという感覚が重要です。
早い段階からその姿勢を身につけたいです。
学習効率が上がり、学力が向上しやすいです。
そのために必要なことは以下の点です。
- 暗算でできる問題は式はもちろん、ちょこちょこっというメモ程度のものも含め、何も書かない
- 暗算でできる問題だけで終わらせず、応用に入る
応用に入ると、書き方の重要性を感じやすいのはいうまでもありません。
問題に応じて、上手く書かないと解けないという意識を芽生えさせることが最大の目的だと思います。