対話式算数第85話:立体の切断

立体の切断です。

苦手意識を持つ受験生が多いです。

「同じ面上の点を結ぶ」「向かい合う面は平行になる」「立方体の辺を延長して面が広がっていると考える」という3つのテクニックを正しく使えば、切り口はそれほど苦も無く求められます。

テクニックを意識しないで、頭の中で考えると難しいかもしれません。

市販の立体の切断グッズ、立体の切断の解説動画、豆腐や羊羹を切る実演などで、身につけようとする人が多いですが、豆腐を切るときに、向かい合っている面は平行になることだけ納得できれば十分だと思います。

 

興味のある方はこちらにどうぞ

 

第85話:立体の切断の概要

 

85・1

いきなり切り方の全パターンを学習しても、解法に繋がっていかないと判断し、ここでは切り口が三角形になり、三角すいを切り落とすタイプの問題のみ扱います。

切断された三角すいの体積を求めたり、もとの立方体の何分のいくつかを求めることで、切断を解法に繋げていきます。

立方体の3つの頂点を通る直角三角すいは、立方体の1/6になることを身につけると良いと思います。

 

85・2

円すい台の体積や表面積を求める問題です。

円すい台の体積は、比を使うことをお勧めします。

平面図形の相似比と面積比の関係も定着しやすくなると思います。

表面積は、側面積は、比を使ってもいいですが、大きな円すいの側面から、上の円すいの側面をひいた方がイメージしやすいと思います。

パップスギュルダンの公式も紹介しています。

 

85・3

角すい台の問題です。

立方体を切断して角すい台をつくる問題はよく出ます。

三角すいをくっつけて大きな三角すいにします。

比を使えるところは使うようにします。

特に1:7は定番なので、反射的に使えるようにしましょう。

 

85・4

ここでようやく切り口の全パターンが登場します。

3点を通る平面を考えるとき、「同じ面上の点を結ぶ」「向かい合う面は平行になる」「立方体の辺を延長して面が広がっていると考える」を使いこなせるようにしましょう。

 

85・5

85・3の発展編です。

立方体の辺を延長して面が広がっていると考えて切り口を完成させます。

その後は、三角すいを2つか3つくっつけて大きな三角すいにします。

三角すいの体積比を求めるよりも、地道に体積を求めていった方が単純でやりやすいような気がします。

出てくる直角三角すいは相似になるので、3辺の比が等しいことを利用することと、3辺をかけて6で割ると体積が求められることを利用するとスマートになり、正答率が上がると思います。

入試によく出ます。

緻密に且つ上手く解く心がけが大切です。

 

練習問題

 

番号 講評
1 A 立方体の1/6の三角すいを何個切り落としているかを考えます。
2 (1)頂点や辺はできるだけ計算で求めましょう。(2)立方体の1辺の長さを決めて計算しても良いと思います。
3 立方体からいくつかの立体を切断してできた形と考えます。
4 上に円すいを載せて大きな円すいで考えます。上の円すいと全体の大きな円すいの相似比と体積の比を考えます。
5 B 上に円すいを載せて大きな円すいで考えます。上の円すいと全体の円すいの相似比を考えます。パップスギュルダンの公式もありますが、地道に側面積を求めましょう。
6 C 底面の半径を求めるのが困難なためパップスギュルダンの公式を使いましょう。
7 下に三角すいをくっつけて大きな三角すいをつくります。定番の体積比1:7を使って求めてみましょう。
8 上に四角すいを載せて大きな四角すいで考えます。上の四角すいと全体の大きな四角すいの相似比と体積比を考えます。
9 C 真正面から見た図をかくと、X型の相似を使えます。2組の相似の四角すいの相似比と体積比を求めます。
10 A 切り口をかきましょう。(1)は三角すいの体積、(2)は底面積に高さの平均をかけて体積を求めます。
11 B 通常の問題は点が決められていて、そこから切り口を考えますが、これは切り口の形から、点を選びます。こういう切り方の場合は切り口は正六角形になるとか、五角形になるという感覚を身につけましょう。
12 D 場合の数の登場です。切り方の種類によって場合分けして数えます。
13 立方体の辺を延長して面が広がっていると考えて切り口を完成させます。三角すいを2個くっつけて大きな三角すいにします。三角すいの3辺の比を考えるようにしましょう。
14 C 13番の類題です。13番はMとNが辺の真ん中だったので易しめでしたが、これが標準スタイルです。
15 向きはあまりよくありませんが、前問のように立方体の辺を延長して面が広がっていると考えて切り口を完成させ、三角すいを2個くっつけて大きな三角すいにします。

※「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題

※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題

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