今週は倍数変化算です。
倍数変化算は、和が一定や差が一定の問題でなければ、消去算を利用して解いていきます。
リンゴやミカンなどの消去算とは抽象度が異なるので、比の消去算と呼ばれることが多いと思います。
消去算も比の消去算も連立方程式です。
算数でも方程式を使っているというわけです。
xとyを使ってもいいですが、算数はかけ算を省略するメリットがないので、○や□の方がイメージしやすく、使いやすいです。
興味のある方はこちらにどうぞ
※今回は「比の消去算」というタイトルの補助教材を用意いたしました。
第60話:倍数変化算の概要
60・1
例題1~3で比の消去算(連立方程式)を使いこなせるようになると良いと思います。
「+○」と「-△」の差は、○+△になりますが、それがイメージできるようになることが大切です。
覚えるだけでは今後に繋がっていきません。
割合の問題を解くときに、記号を3種類以上は使わないのが鉄則ですが、例題4は例外です。
機械的に解いていくと、3種類の記号が1種類に変わります。
60・2
差が一定に注目して上手く解いていきます。
60・1の解き方でも良いですが、比をそろえて記号を統一する行為は楽しいと思います。
「同じ金額を使う」「同じ金額をもらう」など、「同じ」という言葉に敏感になりましょう。
第53話で出てきた「はじめ・あと」の表で解けます。
60・3
和が一定に注目して上手く解いていきます。
60・1の解き方でも良いですが、60・2と同様に比をそろえて楽しんで解きましょう。
60・4
案外、比の消去算で、分数が題材になることが多いです。
比は分数みたいなものなので、相性は良いはずなので、出題されても不思議なことではありませんが、分数を見ると数の性質をイメージするのか、消去算で解かずにできないという生徒さんが多いです。
こういう経験を活かせるかどうかが、算数の学力に影響します。
60・5
倍数変化算とは言い難い、比の消去算の問題です。
典型的なタイプは、すぐに比の消去算で解けると気がつくと思いますが、そうでない問題もあります。
表を書いて、比が複数あり、和が複数分かっていたら、比の消去算で解けるかも?と考えます。
表を書くと、そういうことに気がつきやすいので、解き方が分からないときは表を書くといいと思います。
練習問題
問題番号 | 難 | 講評 |
1 | A | 赤の個数が変わらないことに注目して、赤の個数を決めます。 |
2 | B | 倍数変化算の典型題です。「+○」と「-△」の差を正しく求めましょう。 |
3 | A | 倍数変化算の典型題です。「-○」と「-△」の差は、ひき算で大丈夫です。 |
4 | B | ①日目とします。①が金額から日数に変化しますが、わり算をして変化することはよくあることです。 |
5 | C | 3種類の記号の倍数変化算です。基本的に割合と比の問題は3種類の記号を使いませんが、この問題は例外です。倍数変化算で1種類になります。 |
6 | A | 差が変わらないので、差を最小公倍数で同じ数にしましょう。 |
7 | B | 支出+残金=収入という式で考えた方がすっきりすると思います。 |
8 | A | 和が変わらないので、和を最小公倍数で同じ数にしましょう。 |
9 | B | 2段階ありますが、1つ1つ考えましょう。まずは移すので、和が一定です。 |
10 | B | 分母と分子の初めと後の比を考えて、倍数変化算で解きます。 |
11 | C | 初めの分母を⑨+5にすることがポイントですが、慣れていないと難しいです。 |
12 | B | 2つの□に同じ数を入れる計算問題は、①を使って解くことが多いです。 |
13 | B | 全校生徒を求める式と、運動部の人数を求める式を考えると、比の消去算の形になります。 |
14 | C | 百分率ですが、簡単な分数にして、簡単な比で考えていきます。本編の別解のような解き方にもチャレンジしてみましょう。 |
15 | C | 13番や14番とは問題が異なり、個数を記号で表し、単価×個数=合計金額を考えますが、結局は、比の消去算で、同じ形にすることができます。 |
※難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題