開成中2020年解きました

例年は、開成の問題は2月2日ころには解いていますが、今年は、教材作成とWEBサイトの手直しを重視し、2月10日まで入試問題を見ませんでした。

10日たち、2月11日ということで解くことにしました。

他の学校も、まだまだいろいろなものに追われていますが、そろそろ1日1校か、2日で1校くらいのペースで解いていきたいと思っています。

 

今年の開成は難しかったです。

1・2番がいきなり難しく、3番は面倒だけど、作業すれば出来、4番はまた難しい問題でした。

とは言いましても、解けないくらい難しいということもありませんが、あまり書くべきことではありませんが、努力も必要ですが、素質やセンスが無いと歯が立たない問題だと思います。

例えば、外国のスポーツカーで例えますと、ポルシェだったらGT3じゃなければ、無理すればなんとか手が届くかな?(ローンの金利も低いし)と思っても、フェラーリやランボルギーニやマクラーレンは別世界と思う人が多いと思います。

この開成の問題はポルシェではなく、フェラーリという高嶺の花のような印象で、普通の人を寄せ付けないオーラが漂っていました。

 

問題の構成は、速さ、速さ、場合の数、立体図形で、日頃、「男子難関中は、数系と立体図形と速さ」と口癖のように言っていますが、まさにど真ん中のストライクで、さらに、最近は「立体の切断はブームが去り、対策してもそんなに出ませんよ。いまは陰です」と言っていますが、それもぴったりでした。

ついでに3番の問題は昔の慶応中等部の問題の類題で、その問題は私が開成対策として教材に入れているものです。

やや1番と2番が同じ系統の問題に感じましたが、レベルの高い男子難関中の良問と言えます。

 

下の基準で問題レベルを判定します。

A:ほとんどの人が出来る
B:取りこぼしたらややまずい
C:合格のためには取りたい
D:できたらアドバンテージ
E:できる人はごく僅か

 

1D

1~2分に逆転していることから縦の1めもりは15㎝と決まります。

0~1分は「1・2」か「4・1」です。

1~2分は45㎝と0㎝しかありえないので、0~2分は「12・23」か「42・13」です。

2~3分後は「1・3」か「3・4」で、0~3分は「121・233」「123・234」「421・133」「423・134」です。

3~4分後は2人が同じならばよくて、4~5分後は「4・1」です。「121□4・233□1」「123□4・234□1」「421□4・133□1」「423□4・134□1」

というように順々に調べて行きます。

1は2回まで、その他は1回までなので、不成立のものを消していきます。

AとBはどちらが速くてもいいです

これを標準的な問題という講師もいそうですが、D判定としました。

 

(1)B・(2)C

Pが出発してからを時系列に並べていきます。

12分後…Bと出会う

20分後…Bと別れる(20分でBは120度進む)

32分後…Cと出会う(32分でQは64度進む)

ここから、Pが出発するとき、BとCは56度離れていると考えます。

Bは6度/分で、Cは2度/分で、Bが56度うしろになるので、304÷4=76分後です。

 

(3)E

PがCと別れるとき、BがCより72度遅れていなければいけません。

288÷4=72分後?と思いますが、BとCが出発するときの時間で、上記の時系列にすると、108分後にPはCと出会います。

その次の72+360÷4=162分後にPとCは別れます。

Pは、174分後にBと出会い、182分後にBと別れ、194分後にAに戻ります。

ここまでの動いた距離を求めます。

昨年あたりから、速さの解説では、時系列を書くようにしていますが、それが生きる問題だと思います。

Eにしてはやや易しいかもしれませんが、Dではないなと思いました。

 

(1)アA・イB

アは4年生レベルです。

イは1円玉を持ってくるのは3枚か8枚なので、つるかめ算で、3枚持ってきた人31人、8枚持ってきた人9人と求めます。

 

(2)①~⑥A・⑦C・⑧D

②は100・50・10・10・10・10・5・1・1・1・1で199円です。

③~⑥は10円玉、5円玉、1円玉の和が5枚、4枚、3枚、2枚、1枚になるものをそれぞれ調べます。5円玉が1枚か0枚なので、調べやすいです。

⑦と⑧は、例えば、4円は4枚ですが、それを利用すると、54円は5枚、104円は5枚、154円は6枚などと分かり、254円や954円までに何通りできるかを考えていきます。

4枚でできる9通りは、すべて4円と同じようになります。

このように地道に調べていくと、答えまでたどり着けます。

作業力の求められる問題です。

 

4E

床の影から、太陽は南西方向で太陽高度45度と分かります。

少しは楽です。

穴2でうしろの壁と、右側面の壁、穴1で右の側面に日が差します。

うしろの壁は、真横から見た図と真正面から見た図で対処できます。

右側面の壁は、穴1からは、真正面から見た図と左から見た図、穴2からは真正面から見た図と左から見た図で対処できます。

しかし、最後、作図するところで、展開図なので向きを変えるのも目が回りそうになります。

 

今年は読み取りが大変な問題がなく良かったです。

読み取りが大変な問題があると、すぐに、この学校では読解力のある生徒に来て欲しいと思っているとか、時代の流れで読解力(なぜか国語力になっている)が求められていると断定する人がいますが、上手い問題文を作れる先生が作問したということでしょう。

平均点は出ていると思いますが、合格者平均点は、3番をきちんと取って、1、4番は部分点を取っていると考えて、半分の45点くらいと予測しました。

いま見ましたら、合格者平均点49.5点でした。

Eがもう少し正解がいるのか、途中点を予想以上に稼げるのかもしれません。

 

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