- 2017年2月2日
ここのところ難関校では必ずと言っていいほど立体図形が出ますが、今年の麻布は出ませんでした。
作問の先生が、流れに乗らないという姿勢なのかもしれません。
立体図形はないのですが、数の性質、速さといったメジャーな単元がウェートを占め、難易度もちょうど差のつきやすい問題が多かったので、算数が得意な人ではないとなかなか手強かったと思います。
下の基準で問題レベルを判定します。
A:ほとんどの人が出来る
B:取りこぼしたらややまずい
C:合格のためには取りたい
D:できたらアドバンテージ
E:できる人はごく僅か
1
A
難関校にしては易しい計算です。
答えが20分の17ですが、狙っていますね。
2
(1)A
なんの変哲もない時計算です。
(30+120)÷5.5と(30+240)÷5.5を計算します。
(2)C
120度なので助かります。
120度離れるごとに120度になり、3回に1回は重なることになるので、
長針が短針よりも、30+120×(12-1)=1350度差をつけたときです。
計算が分からなければ地道に書いていってもいいです。
ここでの時間のロスは大したことがないので、慎重に正解にしたいです。
3
(1)A
典型題です。
6㎝のとき30㎠で、0㎝のとき18㎠なので、1.5㎝のとき21㎠です。
(2)B
もとの上の斜線部分を③、下の斜線部分を④にすると比が揃います。
面積を底辺で割って高さの比にします。
(3)B
もとの上の斜線部分を①、下の斜線部分を❶にして消去算で解きます。
これも面積の比が分かったら高さの比を求めます。
4
(1)C
速さの差を考える良問です。
「応用力をつける」に載せます。
やや易しめですが、麻布らしい速さの問題です。
1分遅れと8分遅れから、火曜日に走った距離は99×8=792mと求めることができます。
それを走ると3分、歩くと11分かかります。
(2)C
走る速さと歩く速さの比は11:3なので、水曜日は全体の14分の11を走りました。
全体の距離を14にすると、11-14÷2=4の部分で4分差がつきます。
4の部分を走ると1.5分、歩くと5.5分かかるので、本当の距離が分かります。
5
(1)A
速さに続いて割合?と一瞬思いましたが、数の性質に近い問題です。
1200gと600gなので、2:1にしたいので、4g3個と3g2個にします。
順番はまったく気にする必要がありません。
(2)C
合計12個入れます。
Bの方が多くAは2個以上なので、A、Bの組み合わせは(5・7)(4・8)(3・9)(2・10)です。
互いに素ではないものは、それまでにできてしまいます。
5:7しかダメです。
5:7を答えにはしません。
砂糖の比は(4×5):(3×7)=20:21です。
(3)E
麻布は導入形式のホップ・ステップ・ジャンプ式が多いですが、今年は、これまでほとんどそれが見あたりません。
この問題も(2)とほとんど同じように解きます。
といってもレベルは高いので、Dに近いE判定にしました。
6.25%というのは、砂糖と水の比が6.25:93.75=1:15です。
砂糖は1800÷15=120gなので、4×A+3×B=120という式になり、不定方程式でA、Bに数字をあてはめます。
A、Bは合わせて32個以上で、互いに素の関係ではないといけないので、9と28の組み合わせです。
砂糖の比は(4×9):(3×28)=3:7です。
6
ここまで程よく差のつきやすいレベルの問題が並んでいるので、最後は麻布らしい思考系の問題と予想できますね。
麻布らしい独創的な問題です。
(1)A
練習です。
いろいろなことをつかみたいのですが、あまりつかめないで終わってしまいます。
(2)B
逆から考えていきます。
22→(122)
22→(12)(12)
22→(1)(1)→(21)
つかめてきたような気がします。
(3)C
ぞろ目だと上手くいかないので、1212とか2121を試すと、見つかります。
こんな感じで行くしかないと思います。
(4)E
8桁の292の倍数と見てひるんでしまいそうです。
292=4×73を見て、10001=73×37と気づく人でないとこの問題を解く資格がないと思います。
アイウエ×10001=アイウエアイウエとなるので、アイウエが4の倍数ならばアイウエアイウエは292の倍数になります。
下2桁のウエが4の倍数になるようにしてアイウエアイウエを作れるかどうかを考えます。
Aが6桁とすると
「21アイウエ」ならば、アイウエアイウエになります。
ここから4個の数ができます。
Aが5桁とすると
「221ウエ」ならば、ウエウエウエウエになります。
ここから1個の数ができます。
Aが4桁とすると
「222ウ」ならばウウウウウウウウになりますが、これは残念ながら4の倍数にはできません。
「面白い」よりも「難しい」が上回っているようです。
これは教材には使えませんが、算数自慢の子は6年秋にチャレンジしても良いでしょう。
