- 2017年1月14日
渋谷幕張の問題を解きました。
下の基準で問題レベルを判定します。
A:ほとんどの人が出来る
B:取りこぼしたらややまずい
C:合格のためには取りたい
D:できたらアドバンテージ
E:できる人はごく僅か
渋谷幕張の入試問題はレベルが高いことが多いですが、ここのところ、立体図形以外はそれほど難しくないような気がします。
今年は平面図形の問題で、1問とんでもなく難しい問題がありましたが、ラストの立体図形は、例年よりはぬるい問題で、前半は易しめだったので、例年以上の平均点になることでしょう。
以前は作図問題は必ず出題されましたが、もう出さないことにしたのか、作図問題が得意な教師が作問スタッフから外れたのでしょう。
1
(1)A
有名な継子立て問題です。
ひねりのある問題を警戒しましたが、スタンダードな操作の問題でした。
42枚目の奇数なので83です。
(2)B
72なので、結構厄介です。
4巡目の8の倍数までは残り、次の5巡目に箱に入れます。
4巡目までで18枚残り、126枚取っています。
5巡目で5番目に箱に入れます。
(3)A
128枚になったときのラストです。
16枚目を箱に入れて、そのあと山の1番下にもっていった数です。
2
(1)A
まわりの枚数は必ず4の倍数になるけど、連続した2種類の整数では奇数になって4の倍数にならないというようなことを書けば十分です。
(2)B
等差数列の和の公式の逆算の問題です。
塾で頻繁にはやらないと思いますが、何回かはやっているはずの問題です。
結構、差がつく問題です。
和を40にします。
8×5なので、真ん中が8、個数5個です。
(3)C
これまた等差数列の和の公式の逆算です。
(2)よりは難しくなるんだろうと予測します。
和を60にします。
12×5から、真ん中12、個数5個
20×3から、真ん中20、個数3個
15×4から、真ん中7.5、個数8個なんてものもあります。
(4)D
(2)(3)より、一般化します。
数学っぽいですね。
(2)(3)のような2数の積にして、2数のどちらかに奇数があれば、できます。
つまり、枚数でできないものは、素因数分解したときに2しかないものになります。
8枚以上で、素因数分解したときに2しかないものは8、16、32、64、128、256です。
3
易しそうに見えますが、印象通り、易しい問題です。
(1)B
Aは2.5分で1.5㎝上がり、Bは7.5分で7.5㎝上がります。
時間を高さで割ったら、底面積の比3:5が出ます。
(2)C
Aは24㎝入れるので40分(45分)かかり、Bは40㎝入れるので、40分かかり、Bの勝ちです。
Aは5分遅れるので、あと3㎝のところでした。
Aは標準だと5分で3㎝ですが、2倍にしていれば5分で6㎝になり、Bと同時になりました。
4
(1)A
30度の三角形は30度を挟む2辺をかけて4で割れば面積を求められるので、三角形ABCは8×8÷4÷2=8㎠です。
三角形CDEも三角形ABCと同じ面積になります。
(2)A
2:1:√3だから、√3の2乗で、3!と言いたいところですが、一応、算数らしくやってみます。
AD:CD=CD:BDです。
相似だから、辺の比が等しくなります。
1:CD=CD:3
内項の積と外項の積は等しくなるので、CD×CD=3です。
(3)E
2辺の比をかけて、三角形ABE:三角形ADG=2×2:2×√3=2:√3
2辺の比をかけて、三角形DCF:三角形ADH=3×√3:2×1=3√3:2
三角形ADGと三角形ADHの面積は等しくなるので、2√3にしてみます。
三角形ABEは4、三角形DCF=9になります。
ルートばかり出てきて、驚かれた方もいらっしゃると思いますが、この解き方しか思いつきませんでした。
相似っぽいので、相似条件を考えること数時間
「補助線をひいたら見えにくくなるから危険」とよく生徒さんに言っていますが、ありとあらゆる補助線をひいてみましたが、結局ダメでした。
自分の実力不足なのかもしれませんが、入試問題として、こういうのはどうなのでしょう?
相似に見えて、AB:DC=2:3なので、相似比2:3、面積比4:9と予測がついてしまいます。
超難問なはずですが、正答率は20%以上はあると思います。
入試問題なので捨て問ではありません。
ルートや三平方の定理を使えば比較的簡単に解け、算数らしく考えると超難問というのは、私は趣味の悪い問題だと捉えています。
毎年のように「今年は難問・奇問はなかった」と言われますが、私は、この問題を「奇問」と呼びます。
算数らしく、ルートを使うのと同じか、それより易しい解き方をご存じの方は、お手数をおかけしますが、是非、教えてください。
5
渋幕の立体図形は骨の折れる問題が多いですが、今年はそうでもありませんでした。4番の図形で何時間も粘って疲れ切っている状態でも、なんとか解けました。
(1)A
6㎠が2面と、7.5㎠が2面と、底面9㎠です。
(2)①D・②E
Yは直方体の半分、Zは直方体の1/3と考えます。
Y:Z=4:1なので、直方体の体積比は8:3です。
BR:RC=8:3と分かりました(AQ:QBも8:3)。
すると、Xと、YやZの高さの比は11:3と分かります。
X+Y+Z=1331(11を3回かけたもの)、XのYやZより高い部分は512(8を3回かけたもの)、その下の部分は512×3×3/8=576
Xは1088、Y+Z=243で、ようやくZが分かります。
三角形PABと、Zの塗った部分は相似で、相似比は11:3、面積比は121:9です。
Zの塗った2面の面積の和を9×2=18にします。
Zの表面積は18×(1+4)=90になります。
Xの台形の側面1面は(121-9)=112です。
Xの底面、三角形の側面2面の合計3面の和は(90-18)×64/9=512
Xの長方形の側面1面は9×2×8/3=48
Xの表面積は、112×2+224+512+48×2=832
式だけで書いていくのは、かなり難しく、分かりにくいですね。
でも、実際に解くときには、捨て問と呼ばなくてはいけないほど難しいわけではありません。