- 2017年3月27日
塾の講師、家庭教師、個別指導の講師、そして勉強を教えている保護者
生徒さんのできがよくないとムッとすると思います。
中には怒る人もいることでしょう。
できないことに対して怒るのはまずいということで、そこは蓋をして、生活態度が悪いことに絞って怒るという人もいると思います。
点数が悪いことは不問にして、宿題をやらないことや授業中うるさいことに対してのみ激怒する講師もいました。
親子喧嘩が絶えないとか、親に怒られると言う生徒さんは多いです。
塾でも怒って説教をする講師もいます。
私も若い頃はそうだったと思います。
本気で接することが、逆効果になることも多々あります。
今日のスカイプ指導でも、若い頃なら怒っていたような事柄がありました。
ちなみに、生徒さんができなくても、悪いのは指導者です。
悪いというよりも力不足です。
怒ったフリをして、真剣にやらせようというテクニック的な作戦はありますが、本気で怒るのはおかしいです。
怒るとしたら、自分の指導力のなさに怒るべきです。
先日、SOで算数偏差値70以上の生徒さんに「君の実力じゃ書かなきゃ無理だよ」と言い放ちました。
良い成績を取ったときこそ、兜の緒を締めたかったので、そう言いました。
それもテクニックです。
過去に、良い成績を取って油断をして成績が下がり続けた生徒さんもいましたので、それを避けたいという狙いです。
褒めるのも怒るのもテクニックと言ったら言い過ぎですが、因果な商売と感じるときもあります。
今日の事柄は、淡々と説明していき、あとになって「実はそれを知りません」と言われたからです。
知らなければ、「知らない」と先に言ってくれよと怒りたくなる場面ですが、冷静に考えてみると、誰が損をしたのでしょう?
時間が無駄になったことで、教え手と生徒さんが損をしています。
生徒さんも損をしているのです。
それをしっかり伝えて納得してくれることが大切で、怒る必要はありません。
そう考えていくと、親が子を怒ることはほとんどないような気がします。
今日のスカイプ指導で、他の生徒さんが、同じ問題を何回も計算間違いしていたことに対し、「最低でも2回目で決めてくれ」とやや強い口調で言いましたが、それを叱ると言えば叱ることになりますが、気を引き締めてくれという叱咤激励ですので、こちらは叱っているつもりはありません。
怒ることはマイナスしかないと思っていた方が良いと思います。
誰が損をしたか?その損害を解消するためにはどうしたら良いか?
これを考えてから言葉を発するだけでも、言葉による効果は180度変わります。
個人的には、受験勉強の成功の50%は親の声掛けの内容だと思っています。
余談ですが、受験は親の力が9割というタイトルのついた本やコラムのタイトルをときどき見ますが、とてもひどい言い方だと思います。
受験に失敗したら、原因の9割が親となっているからです。
「受験の5割は運!」とした方がいいのではないでしょうか。
損得で考えるドライな考え方を好む人、好まない人がいると思いますが、受験勉強のような戦いの場では、ドライな考え方で損をしないように徹する巧みな声掛けをする必要があると思います。