覚える算数から脱出することが大切

今年度のスカイプ指導は、いまのところいろいろな生徒さんがいて、教える私の方も楽しんでいます。

現小6生には過去問指導をし(2月に過去問を扱うのが新鮮です)、新6年生・新5年生・新4年生といますが、基本的には塾のフォローの依頼はなく、長期的な視野に立っての指導を行っていて、4・5年生の生徒さんはとても優秀ですので、どの単元を、どれくらい深くやるか、どれくらい先取りをするかを、前向きに悩んでいます。

真っ白のキャンバスに何をかこうかといった指導が多いので、楽しく指導しているというわけです。

 

今回のブログは、スカイプ指導の宣伝ではありません。

保護者様対象算数指導も継続していまして、そこでブログネタが見つかりましたので、序章としてスカイプ指導のことを書いた次第です。

本題に移る前に、もう少しスカイプ指導について書きたいと思います。

 

現在、木曜日は1件だけのガラガラの状態ですが、そこは新5年生を教えたいと思っています。

できれば、偏差値が低く困っているという方を1年間じっくり見て、成績を引き上げたいと思っています。

インターエデュなどで成績低迷を嘆いている方もいますが、思い切って家庭教師を雇った方がお金はかかりますが解決します。

 

簡単にイメージを書きますと、スカイプ指導をする場合は、どこの塾の生徒さんでも予習をしてもらいます。

予習というのはスカイプ指導の前にということではなく、塾の授業より先に、スカイプ指導で授業を行ってしまうということです。

塾の授業が復習に当たるので、吸収量はいままでとは段違いになります。

事前にスカイプで60分くらい学習するだけで、いきなり好転できると思います。

手を打つのならば、早い方が良いに決まっています。

家庭教師は最終手段ではなく、解決の第一歩と考えると良いと思います。

 

ここまですでに700字以上書いてしまいましたが、いよいよ本題です。

超が付くほどの典型題です。

  1. 1~1000の整数を書いたとき、4は全部で何個ありますか。
  2. 1~1000の整数を書いたとき、4を使っている数は何個ありますか。

 

上の2つの問題の違いをはっきりイメージします。

 

1番は、桁ごとに分けてみます。

1~9に1個

10~99に10+9=19個

100~999に100+90+90=280個

1000にはないので、1+19+280=300個です。

 

2番も、桁ごとに分けてみます。

1~9に1個

10~99に19-1=18個

100~999に280-(2+9+9+8)=252個

1000にはないので、1+18+252=271個です。

 

いま、かなり地道に解きましたが、本当は違う解き方があります。

1番は「1~1000」を「000~999」に変えます。

4は百の位と十の位と一の位に100回ずつ出てくるので、100×3=300個です。

 

2番は、全体から4を使わないものをひきます。

4を使わないものは、4のカードがないと考えると9×9×9=729個です。

全体からひくと、1000-729=271個です。

 

最初に書いた解き方が地道な方法で、後に解いた方法がテクニックというわけです。

地道は大変です。

特に2番の280-(2+9+9+8)の( )内は分かりにくいと思います。

 

100~999に4は280回出てきますが、1つの数に4が3つや2つ使われている数があるので、それをひきます。

444は3つ使われているので2つひきます。

44□は2つ使われているので1つひきますが、□は4以外に9個あるので、9をひきます。

4□4も9をひきます。

□44は、□は4以外に8個あるので、8をひきます。

これで、280-(2+9+9+8)=252個となります。

 

この問題を初めて解く生徒さんは、ほとんど地道な「桁ごとに分けていく方法」で数えます。

そうすると、1番はできたとしても2番はできないです。

授業ではテクニックを教えます。

そのときの生徒さんの対応の仕方が3パターン考えられます。

  1. 自分の解き方でいい!
  2. 先生の解き方を真似しようかな?
  3. 先生の解き方が良いに決まっている!

 

良い順に並べると、2>1>3です。

2は1の生徒さんよりも柔軟性があります。

勉強は柔軟性も必要です。

 

3が最も良くないと思います。

3の生徒さんは「覚える算数」となってしまい、最初に地道に数えていない恐れもあります。

どんな手を使ってでも解き、自分の解き方にプライドがある姿が理想です。

2番の問題も、正解にはならなくて1つか2つずれてしまったとしても、

「あっ、ここが違うから間違えたんだ」→「ここを改良すれば、僕の解き方でもできる」→「でもどう考えても先生のやり方の方がスマートで確実だ」

こういう流れで、復習や類題のときの解き方を決めます。

 

3の生徒さんは、どうせ自分には良い解き方は思いつかないから、先生の解き方を覚えて、復習をしっかりやって、復習テストではできるようにしようというようなことを考えていると思います。

「自分の力で答えを出そうとしない」「解き方を覚えようとする」

この2点がよくありません。

円の面積のような公式ならば、何千回と利用するのでしっかり覚えられますが、上記の2問は超典型題だといっても、そんなにたくさん出てくるわけではありません。

覚える算数では太刀打ちできません。

 

「以前、桁で分けて解いたらとんでもないことになったな…」→「各位に何回出てくるか調べればいいんだ!」という流れで、テクニックの解き方を思い出せるのです。

苦労した分だけ、解き方を覚えられます。

柔軟な生徒さんの方が、解き方の選定が上手いと思います。

先生の解き方を真似しようとする生徒さんは、逆に解き方が身につきません。

 

次のブログでは、「応用問題は何分考えるべきか」というテーマで書こうと考えていますが、何分考えたとしても、解説を聴く前に苦労することが大切です。

本当の意味で、「可愛い子には旅をさせよ」です。

旅行に連れて行って、楽しませようではありません。

これも次回のテーマになりますが、苦労することを嫌がる子はいません。

できないものを取り組むのが嫌なだけです。

上手い具合に苦労して答えに近づくことが応用力をつけるためには欠かせません。

難関校を目指している方は、応用力をつける必要がありますので、覚える算数から卒業することが望ましいです。

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