- 2017年8月18日
新学年が始まり数週間がたっています。
まだまだ新しい学年に慣れない時期だと思います。
まず復習をしっかりやって、確認テストでしっかり点数を取ってというのが一般的な姿勢です。
それについて文句を言うつもりは毛頭ありませんが、復習の質が良くない場合、確認テストで点数が取れても、血となり肉となりません。
林修先生が言いそうなことですが、以下のような順序になります。
「復習して力を付ける」「復習しないで力を付ける」「復習しないで力を付けない」「復習して力を付けない」
これは良い順です。
力を付けると点数が取れるは似て非なるものです。
式だけ覚えて答えを出すことができても力が付いたとは言いません。
解き方を覚えたと言います。
解き方を覚えたことが力になっていく子と、そうでない子がいます。
点数のインパクトが強すぎて、点数が良いと順調と考えがちですが、本当に分かっているのかな?と疑ってみると、案外不完全です。
程度にもよりますが、表面上しか分かっていないと思われる場合は、今後に繋がっていきません。
よく、結果ではなく過程を褒めようとか、努力を褒めようと言われますが、私はそれには大反対の立場です。
形だけでは意味が無いからです。
やってはいけないと言いたくなるくらい質の低い勉強になっている可能性もあります。
ここまではできるようになったけど、できるようになった問題が出題されなかったということなら仕方がありませんが、頑張ってやって、できるようになったと思ったけど、結局ダメだったというのはよくありません。
それよりも安全確実にスキルアップするのは、単元を集中的に学習することです。
毎週1回、同じ単元を半年とか1年間学習し続けることで、質の低い学習になっている子でも徐々に磨かれていき、質の高い勉強になります。
理由は簡単です。
毎週学習することにより、1ヶ月ぶりとか2ヶ月ぶりに類題が出題されますと、自分の学習の質が手に取るように分かります。
次回はできるようにしようと思うはずです。
塾のカリキュラムに従って学習し、1週間先まで覚えていたらOK、1ヶ月後のテスト前には再度反復して身につけ直すというリズムができてしまうと、そのときだけ対応できれば良いというような学習の質になりそうです。
ランダムに出題された方が地力がつきます。
集中的に学習する単元は、いろいろな候補がありますが、当教材の集中シリーズで販売しているものだけだと思っています。
2014年頃から作り始め、2016年ですべて完成し、もうこれ以上増やすことはありません。
集中して取り組む必要のある単元はこれ以外は見あたりません。
また、余裕のある子は、ぜひ思考力問題に取り組みましょう。
具体的には一切書けませんが、スカイプ指導を始めますと、ほとんど、「いままであまり算数の問題を考えてこなかったんだな」と思ってしまいます。
もう少し分かりやすい言葉で書きますと、算数の会話が成り立ちません。
算数の会話とは以下のようなものです。
私「これ整数で計算したいよね?どうする?」
生徒「全体を最小公倍数にします」
私「こういう数はどういう数?」
生徒「3で割って1あまる数です」
こういう流れになったら会話が弾み合格ですが、残念ながらなりません。
思考力問題を考える習慣がついていれば、少なくとも新6年生ならば、このくらいは言えるはずです。
思考力問題に接する時間が足りない状況だったことが手に取るように分かります。
6年生になりますと、典型題のレベルも上がりますので、習得に時間がかかります。
また、理科も社会も6年生になると、理解に時間がかかりますので、算数のウェートを上げることが難しくなります。
つまり、なかなか思考力問題を考える時間が取りにくくなります。
難関校を目指す場合は、時間のある4・5年生の間にできるだけ思考力問題に触れる時間を取るべきです。
思考力問題を解くことが王道ですが、どうしてそうなるのかという説明をたくさん受けることでも効果があります。
それは当然の話で、例えば、一生懸命、政治の話や経済の話を聞いていれば、段々意味が分かっていき、状況が読み取れ、知識が増えていきます。
算数も全く同じです。
しかし、思考力問題の解説のような三段論法のような繋がりのあるような話を聞かなければ考える力の向上にはなりません。
「面積図は、たてはこれで、横はこれで、こう描けばできますよ。じゃ、いまのを真似してやってください。」
このようなマニュアルのような説明では、いくら聴いても考える力にはなりにくいです。
算数の思考力は説明を聴けば聴くほど上がりますが、そのような環境はなかなか無いと思います。
だから、ほとんどの子は思考力が相対的に伸びていかないのです。
たまに、掲示板のコメントなどで「算数の教材で思考力を伸ばすものはない」という狭い見地からの書込を見かけます。
算数教材塾・探求では、思考力がつくように、小4グランプリ算数と小5グランプリ算数の解説は対話式にしています。
上記の通り、解説を重ね重ね聴くことの代用品として対話式の解説を用意しているわけです。
おそらく市販の教材で、思考力問題を対話の解説で書いているものはないでしょう。
思考力を付けられる唯一無二の教材だと思っています。
復習に追われているから、上手く軌道に乗ったら検討するという方がとても多いですが、復習、単元を集中する学習、思考力問題は三本立てで行くべきです。
復習は学習効果が上がっていない可能性もありますのでリスクを減らすために適度なところで終えて、そこで浮かせた分は、単元別の集中学習、思考力問題に取り組むといいと思います。