- 2018年5月30日
2月第2週に入りました。
今年は、算数教材塾・探求5周年となる年でもありますので、販売に力を入れていきたいと考えています。
これからのブログは、やや教材販売の広報ブログが多くなりますが、ご了承願います。
算数講師が入試問題を解いて、これは簡単ということがあります。
それは大抵、典型題で、あっさり解き方に気がつくはずという印象を受けているからです。
今年度の易しい問題を振り返ります。
2018女子学院5
中学生が何台かのバスで遠足に行きます。各バスには、先生が必ず2人乗ります。乗客55人乗りのバス□台では、30人分が空席になります。乗客40人乗りのバスでは55人乗りのときよりも2台増やしても生徒29人が乗れません。中学生は全員で□人です。
これは、教務力の優れた塾ならば、全体の人数が異なる過不足算を学習していると思われますが、そういう問題を学習していなくても、考えれば分かります。
典型題の過不足算と同様に、バスを1台として、全体の人数を求めていく式を立てます。
55×1-30
40×(1+2)+29
通常であれば、これが等しいので、55-30=40+109となりますが、この問題は、人数が違うことに注目します。
最初、分からなくても、割れないことで気づいてもいいです。
バスの台数が1台増えるごとに人数が2人増えます。
右辺の方が人数が4人多いので、4人減らして等しくなります。
55-30=40+105です。
人数が違うから、4人ひけばいいというように捉えると、簡単にできるというわけです。
算数の塾講師がJGだと知って、この問題を見たら、ほとんどの人が易しいと言うはずです。
それは4人を処理することぐらい簡単だと思っているからです。
2018筑波大附属駒場2
Aと書かれてカードが何枚かと、Bと書かれたカードが1枚、Cと書かれたカードが1枚あります。これらのカードから何枚かを選ぶとき、その選び方が何通りあるかを考えます。
中略
(3)Aと書かれたカードが何枚のとき、選び方がちょうど3023通りになりますか。
これは、サピックス生がたくさん練習している解き方です。
非サピでも筑駒を受ける生徒さんは十分これが身についているはずなので、サピ生にアドバンテージがあったことにはならないと思います。
もちろん小6対話式算数でも「YES・NO方式」というテーマ名にして扱っています。
Aが□枚だとすると、Aの選び方が□+1通り、Bの選び方とCの選び方がそれぞれ2通り、全部選ばないを除くと、(□+1)×2×2-1=3023通りになります。
□=(3023+1)÷2÷2-1=755通りと簡単に求められます。
これも算数の塾講師が筑駒だと知って、この問題を見たら、全員が易しいと言うはずです。
それは、この問題を見た瞬間に、解き方があの典型題だと気がつくはずだと思っているからです。
ところが、こういう問題でも正答率は100%にはなりません。
落とす受験生もいます。
こういう簡単な問題でも入試で差がつくということになります。
「4人を処理しなかった!」「あの典型題だと気がつかなかった!」
こういう声が聞こえてきそうです。
合格者なら当然できるべき問題を、塾講師は易しいというのですが、それを確実に正解にすることが合格への必要条件となるわけです。
では、こういう塾講師から見て、簡単に思える問題をきちんと正解にするにはどうしたらいいかを書いていきます。
当たり前のことですが、「いろいろな問題を解く」これに尽きます。
経験を増やして、「このパターンをやったことがある!」というものを増やすことを目指すわけではありません。
考える力を付ける、典型題だと見抜く力を付けることが狙いです。
塾の課題をしっかりやっているだけでは、多くの人は、その力が付かないでしょう。
理由は典型題の定着が目的だからです。
典型題の学習をしながら本質が分かり、捻りに強くなるのは、賢い生徒さんです。
誰でもそういうわけにはいきません。
でも、なぜか塾ではそういうことを伝えてくれませんし、対処法を伝えてくれません。
今回は理由は書きません。
自分で対策を練るとしましたら、塾の課題以外に少し捻ってある問題を解く、思考系の考える問題を解いて経験値を上げる必要があります。
その解き方を身につける必要はありません。
解説を読んで、「あっ、この問題はこうすれば良いんだ!」と納得するだけで十分です。
それが積もっていくと、捻られている問題を見ることが普通のことになり、その対処が自然とできるようになります。
練りに練られた塾の典型題の宝庫のテキストの問題だけをやっていても駄目だと思います。
もちろん、当教材の対話式算数だけでも同じことです。
身につけようとすると、逆効果になる恐れがあります。
式を理解する意識が高くなり、納得せずに覚えてしまうかもしれないからです。
解けなくていいんです。
納得感が大切です。
算数の問題は、男子中が難しく、女子中は易しいことは間違いありませんが、上に挙げたJGも、ある程度の捻りに強くならないと、きちんと高得点を取れません。
脅かすようですが、典型題だけ頑張り、復習テストは良いけど、範囲の決まっていないテストに強くない人は要注意です。
捻りに対応できない頭の使い方に凝り固まってしまう恐れがあります。
典型題が十分という状態ではなくても、典型題以外の問題を取り組んでいくことが難関校対策としては重要だと思います。
重要なので、繰り返しますが、やった問題は必ずマスターすることが大切ではなく、納得することが大切です。
算数教材塾・探求の教材では以下のものがお勧めです。
小5グランプリ算数
応用力をつける
入試で差のつく問題
小5グランプリ算数は思考力をつけたい人、応用力をつけるは算数が得意で思考力をつけたい人、入試で差のつく問題は女子難関校を目指す人向けです。
いずれも典型題が皆無で、解説が納得感を満たすものになっています。
難関校の必須教材として定評のある「中学への算数」も典型題がかなり入っています。
そこから非典型題を取捨選択するくらいなら、算数教材塾・探求の教材の方が取り組みやすいと思います。
非典型題に取り組むことを、是非、取り入れてください。