- 2017年6月30日
受験勉強を始めて、お子様にまったく注意したことがないという方は一人もいないのではないでしょうか?
勉強面だったり生活面だったり人間関係だったりしますが、このブログは、もちろん勉強面の話になります。
話が飛びますが、先日のブログでも書きましたが、ラジオを聴いているときに、「朝日小学生新聞のアンケート調査で、ゲームを持っているのにゲームをやらない子は集中力が低い」という情報がありました。
そこではほとんど詳しく伝えられずに、ゲームを我慢するのはダメという論調でした。
ネットで検索してみると、ゲームを持っている人が調査対象で、調査数が400件くらいで、ゲームをやらない子はその4%の15件だそうです。
調査数の少なさにあきれ果ててしまいます。
15件ならば何も分析ができないはずですが、そういう企画をした以上、何か公表しないとまずいのでしょう。
公表するのは勝手ですが、受け止める方は大変です。
「%」を聞いたとき、サンプル数が気にならない方が多いのではないでしょうか?
ましてや「朝日小学生新聞」というブランドの信頼度もありますし。
しっかりとした分析をしたいのであれば、「ゲームを使う時間ごとの成績」「自発的にゲームを終える人の成績」「ゲームに興味がない人の成績」「ゲームをやりたいけど買ってもらえない人の成績」も調べる必要があります。
そうすると、ゲームの適正時間や、ゲームの効果があるのかが分かります。
受験業界にいる人間ならば、このデータを見ても何も役に立たないと感じますが、一般の方は、影響を受けるかもしれません。
よく、何を言うかではなく、誰が言うかが重要と言われますが、朝日小学生新聞が言ってもこれなので、本当に受け手は大変です。
基礎知識が十分に身についていないと、不具合が多いのではないでしょうか。
本題にはまだ入りません。
先日、NHKの「マツコ・デラックスとAIが“明るい未来”を考える」という番組を見ましたが、これは朝日小学生新聞なみに酷かったです。
途中から見て、酷くて最後までは見なかったのですが、以下の内容を話していました。
- 病床数が減ると健康になる
- クルマを買えば少子化がなくなる
- ラブホテルが多いと女性が活躍する
- 女子中学生が太ると男が幸せになる
- 40代一人暮らしが多いと…(これは見ていないので割愛します)
1は引越をしていることも考慮しなければなりませんが、比較的、因果関係になっていると思います。
病床数が減ることによって、住民の意識の変化があると思います。
2はマツコは、クルマで走り回れば新しい出会いがあるなんて自分の意見かシナリオか分かりませんが、おかしなことを言っていましたが、クルマは産業の裾野が広いので、クルマが売れれば経済が潤い、結婚しやすい、子供を作りやすいということで、これも因果関係はあると思います。
子供が増えると、子供が大きくなればクルマを買い換えたくなるので、クルマが売れるという好循環もあると思います。
評論家の一人は、これはクルマじゃなくても良いと言っていましたが、クルマ産業の裾野の広さが分かっていないようです。
3は街に勢いがあると、このようになるということで、因果関係はありません。
酷かったのが4です。
女子中学生が太ると、大人のスポーツ時間が減るというのもありましたが、東大の教授は「女子中学生が太るというのは運動不足で、中学生が運動不足ということは大人から子供まで地域全体が運動不足」と語っていました。
学者は、得意分野でなければ、センスがなく一般常識もない人が多いと改めて思いました。
子供が太るのは貧困が原因と言われています。
だらしなくジャンクフードを食べたり、夕食がカップラーメンだったり、栄養失調です。
貧困者が多くなれば、スポーツどころではありません。
つまり、原因は経済の低迷で、その結果として大人がスポーツもできなくなり、幸せ度が下がり、子供が肥満になったりします。
男女の中学生で肥満の率が異なっていたのは、女子の方が多感なのかもしれません。
あるいは男子の方が食欲があり、ポテトチップスでは足りず、パンやおにぎりや焼きそばを選んでいるからかもしれません。
AIでしっかりデータを取ったといっていますが、そのデータを見て、どうしてそうなっているのかを正しく考えられる人がいないと、そのデータは使いものにならないどころか、ミスリードしていくことを実感しました。
例えば、学習面に例えますと、本腰を入れて頑張り始めたら、まず、理社が上がり、次に算数が上がり、最後に国語が上がります。
これで「理科が上がったら国語も上がるとAIで証明しています」というのがNHKの番組です。
AIの凄さ、期待度が高いだけに、AIとNHKの組み合わせは説得力最強だと思います。
「そうか!国語を上げるためには理科を頑張れば良いんだ!」
こんな読み取り方を、ついやってしまいそうです。
テレビ番組は、笑って終わりかもしれませんが、自分にふりかかっていることならば、「ふざけるな!」と思いたくなるかもしれません。
かなり長い前置きになりましたが、いよいよ本題に入ります。
保護者様がお子様に注意するときは、因果関係を特にしっかり考えなくてはいけません。
相関関係ではダメです。
本当にそれが原因なのかと言うことです。
例えば、成績が悪いとします。
成績が悪い原因をたどっていかないといけません。
「ヤル気がない」などという抽象的な結論ではいけません。
ヤル気スイッチなどは存在しません(笑)
具体的にさかのぼってみますと、「宿題をしない」→「宿題が解けない」→「理解ができていない」→「授業の吸収力不足」→「クラスのレベルが合っていない」と行き着きます。
原因、またそれの原因というように、下流、中流、上流と上がっていき、源流までいかないといけません。
中流などで意識変化をすることによって解決できれば良いですが、そうでないならば源流まで行き、クラスを替えてもらうか、予習をするかで解決するのではないでしょうか?
点数が悪かったときに、上に挙げたうちのどこに注目すれば良いのかを考えることがポイントです。
ヤル気がないのではなく、仕方が分からないというケースが多いのではないでしょうか。
算数で考えてみます。
4つほど例を挙げます。
「図をかかない」→「計算だけで解けると勘違いしている」→「図をかくことを知らない」→「良い図を真似しようと思わない」→「良い図を見たことがない」と行き着きます。
「解き方が悪い」→「整えて書いたら解きやすくなることを知らない」→「整えて書く方法を知らない」→「整えて書いてある解説を真似しようと思わない」→「整えて書いてある解説を見たことがない」と行き着きます。
「計算を間違える」→「気合いが足りない」→「自分がどこで間違えやすいかを把握していない」→「過去に間違えたところが記憶に残っていない」→「正しい間違え直しをしていない」→「正しい間違え直しの仕方を教わっていない」と行き着きます。
「計算を間違える」→「数字のセンスがない」→「数を扱う経験が少ない」→「数を多量に処理する練習の仕方を知らない」と行き着きます。
どこかに原因がありますので、叱る前に、原因はどこかと探すことが大切です。
探し当てましたら、そこを注意します。
できるだけ原因に近いところを注意すると、効果は大きいです。
お子様も指摘されてダメージが大きいので、言葉を多くする必要もありません。
原因から離れているところをいくら注意しても、お子様はうるさいととらえ耳をふさぐと思います。
よく、お子様が、親に対してうるさいというシーンを見ますが、言葉遣いはさておいて、お子様の気持ちが分からないわけではありません。
「勉強を始めなさい」という注意が頻度ナンバーワンだと思います。
しかし、これはおかしな注意の仕方です。
なぜ、勉強を始めないといけないのでしょう?
それは、終わる時間が決まっているからです。
「10時に勉強を終えて10時30分に寝るルールは守れるよね」
という声のかけ方の方が良いと思います。
結局のところ、受験勉強しているとは言え、睡眠時間をしっかり取って健康的に生活することが第一です。
それを崩さないために「早く勉強を始めなさい」と言うわけです。
そうしましたら、できるだけ本質に近いところを注意すべきではないでしょうか?
始める時間よりも、終わる時間の方が本質に近いです。
早く始めずに途中からエンジンが掛かり、勉強終了時間をオーバーしてしまいそうなときがあります。
「仕方ない。エンジンも掛かっていることだし、もう少し勉強させようか!」ととらえる保護者様が多いのではないでしょうか?
「時間だから、もう終わり。もう少し早く始められると成績はもっと伸びるわね」とドライに行くのが長い目で見たときには効果があると思います。
今回は朝日小学生新聞とNHKの話が長くなり、かなり長文になりましたが、お役に立つ部分はありますでしょうか?
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