つるかめ算の教え方

4年生は、家で勉強を教えることが多いかと思いまして、教え方のポイントを書いていきたいと思います。

まず、第1弾は、つるかめ算です。

 

つるかめ算は、導入は面積図で、6年生になったら式がベストだと思っていました。

ところが、優秀な生徒さんでも、6年生になって式に切り替えない生徒さんが多かったので、導入から最後までずっと面積図で説明するようにしています。

 

つるかめ算には以下のパターンがあります。

  1. スタンダード
  2. 弁償
  3. 3数
  4. 不定方程式

 

「スタンダード」は、つるとかめから始まり、ものの値段になり、やがては売買損益算や速さや水量グラフにも使われたり、密度の話になるとかなり難しくなります。

 

面積図で「横を求めるのがつるかめ算だから、横に2つ□を書く」とするといいと思います。

そうすると、自然と、縦は1匹の足の数や単価になり、横は2つの□がならびますが、合計は書くことができます。

縦と横をかけたものが面積で、足の合計や、金額の合計になるというイメージをすることも大切です。

そのイメージを持たずに図に数字を書くだけだと、応用力に繋がりません。

 

関西系は面積図をかかないとは昔からよく言われたり、予習シリーズも面積図では教えていないことから、面積図をかかない生徒さんが増えてきていると思います。

しかし、式だけでは、難しい問題になると、いまの計算で何を求めているか見失いやすくイメージがなかなかできません。

面積図で解かずに、ひねりの問題に通用しなかった生徒さんが、面積図を教えたら、その日の指導中に、そういう問題が自力でできるようになったというケースはよく見てきました。

とても優秀な生徒さん以外は、面積図をかくことはとても大切だと思っています。

 

「弁償」とは、コップを割ったら罰金を払うという問題です。

表を書いて、コップを割った個数を0個と1個のときの料金をそれぞれ求め、どうしてその金額の差になるのかを理解して、そこから規則性になります。

表で解くことがポイントです。

面積図でも解けないことはないですが、相当しっかり分かっている大人でないと活用するのは難しいです。

 

上記の、つるかめ算を面積図でかかずに式だけで解くスタイルの生徒さんは、式のかわりに、この表を書けば、表は面積図のかわりになります。

しかし、速さのつるかめ算のように、個数より高度な次元になると、表では違和感があります。

やはり、スタンダードは面積図、弁償は表と使い分けるといいです。

 

「3数」はつるとかめとカブト虫みたいな問題です。

次に出てくる不定方程式の問題と、どちらの問題か見抜く必要があります。

こちらは合計匹数や買った個数の合計と、どれか2数の関係が分かります。
※どれか1つの個数が分かっているものは2数の扱いとしています。

 

面積図をかくと3段になります。

3段の面積図をかかずに、2数の関係が分かっているものを平均を使って2数にすることをお勧めしています。

2数にしたら、スタンダードになったので2段の面積図で解けます。

3段の面積図で解こうとすると、1番高い長方形と1番低い長方形の個数の関係が分かっているタイプだと、苦労します。

その判断力があれば使い分けてもいいですが、単純に「平均を使って2数にする」とした方がいいと思います。

 

弁償のときに学んだ表でも解けます。

表が気に入っていたら、それで通してもいいと思います。

 

最後は「不定方程式」です。

これはなかなか4年生では扱わないと思いますが、一応、今回書いておきます。

つるかめ算と似ている形ですが、つるかめ算ではありません。

合計匹数や買った個数の合計が分からない問題です。
※2数の場合です

その条件がないため、答えが決まらずにたくさんあります。

答えが何通りもあり、全部で何通りですか?という問題もあるため、場合の数ですが、「条件不足のつるかめ算」と呼ばれて、塾教材や、市販の教材では、つるかめ算の単元で登場することがあります。

 

2数の不定方程式は、すぐに式を立て、数字を当てはめて答えを1つ見つけ、見つかったら規則性です。

規則性で答えを次々と見つけることができるので、1つ目さえ見つかれば、あとはサツマイモのように次々と掘り出せるということで「いもづる算」という素敵なネーミングで呼ばれることがあります。

解法をイメージすることを考えれば、いもづる算という名称で呼ぶことがいいような気がします。

 

3数のいもづる算は、合計個数が分かっているものもありますが、どの2数の関係も分からないので、平均を利用して2数に変えることができません。

合計個数が分かっているタイプは3段の面積図をかいて補助線をひいてというような操作を行い、2数のいもづる算に変えて解くように教える講師もいますが、上記の3数のつるかめ算で面積図をかいて解くタイプの人は、3数のつるかめ算みたいな問題を見たら、とりあえず、面積図!としてもいいです。

しかし、3数のつるかめ算は、平均を利用して2数のつるかめ算に変える解き方をした場合、いもづる算だけ面積図というのは、不思議というか、意味の無い行動です。

しかし、そうやって解く生徒さんも多いです。

3段の面積図が儀式のようになっていて、それで解けるのならいいですが、意味があるかないかで言えば、意味がありません。

しかし、面積図をかいて解き進められるのは3数の合計個数が分かっている問題です。

それが分からない問題は、面積図をかいてできませんでしたとなるケースが多いので、やはり、面積図をかかないようにした方がいいと思います。

 

私は、3数のいもづる算は、合計個数が分かっているものは、消去算のように式を並べて1つ消して2数にしてから2数のいもづる算として解いていきます。

図をかく作業がなくなるので、効率的かと考えています。

合計個数が分からない問題は、数の性質を使うことが多いので、完全に、つるかめ算の範疇から外れています。

「これだけ3の倍数ではない!」→「だから3の倍数を当てはめる!」というような流れになることが多いです。

この3数の不定方程式は、入試によく出ますので、6年生になったら完全にマスターしたい単元です。

 

かなりマニアックな内容になりましたが、お子様に算数を教える際、お役に立ちましたら、お手数をおかけしますが、下の「にほんブログ村」のクリックをお願いいたします。

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