- 2019年12月9日
対話式算数のお客様のブログを読みまして、計算問題の間違いについて書かれていましたので、それについて、一意見を書きたいと思いました。
直接メールを差し上げても良かったのですが、直接相談されたわけでもありませんので、一般論化してブログの題材にしたいと思いました。
まず、計算間違いは、ミスした箇所を発見することから始まります。
よく、「計算間違いしているよ」と指摘すると、すぐに消してしまう生徒さんがいますが、その行為はとても残念です。
どうして、探そうとしないのかと思います。
きっと、ミスは汚物だと思い、晒しておくわけにはいかないということですぐに消すのでしょう。
ミスを探すことが勉強になるという意識を植え付けたいところです。
ミスが発見できたら、すぐにその後から計算し直すのは良くありません。
サラリーマンの常識のPDCAサイクルと照らし合わせますと、Cの部分です。
評価の部分です。
次のAの改善につなげていくためには、もうひと作業が必要です。
それは、間違えた原因を記録することです。
どうして間違えたのかという言い訳です。
算数もそうですが、受験勉強はできなかった原因を考えることがとても大切です。
しかし、算数の問題でできなかった原因を考えることは難しいです。
すぐに、問題文を読み取れなかったからと言い出す人もいますが、どうして問題文を読めなかったのか?というように深く進めていくと、原因究明は難しいです。
それに対して、計算間違いは、原因を探すことは簡単です。
暗算が出来ない、くり下がりを強く意識しない、縦に揃えて書かない、数字を見まちがえる、数字と線を重ねる、挙げていくと、大雑把なものでもあと10個くらいは見つけられそうです。
その原因を具体的に記録します。
保護者様はそれを見て、きちんと原因を探していないのなら、もう1回書き直させます。
それで終わりではなく、もう1回解き直します。
Aの部分です。
正解になったら、今回気をつけたことを記録します。
また間違えたり、違う箇所を間違えたら、もう1回原因を記録するところに戻ります。
どうして、ここまで執拗にやるかといいますと、この計算間違いを通じて、算数を取り組む意識全般を上げていきたいからです。
せっかく間違い直しをするのであれば、その部分だけ改善するよりも、算数の力を上げることを狙った方が良いと思います。
計算問題の間違い直しは、他の算数の問題の間違い直しより簡単にできますので、簡単なところは、よりていねいにやるということを重視しています。
ここで誤解してもらいたくないのは、他の算数の問題の間違い直しは、しっかり正しくやることが難しく、雑にサッとやるだけなら簡単です。
間違い直しをしても、何回も同じ間違いをする生徒さんもいると思いますが、それは雑な間違い直しをしているからです。
正しい計算の間違い直しをすることで、間違い直しとはどういうものかを確立させていくことが大切ということです。
間違えた原因探しは、あくまでもお子様がやることです。
スカイプ指導のときは、時間の制約もありますので、こちらで言ってしまうことが多々ありますが、家庭学習のときは、保護者が指摘したら効果半減です。
先ほど原因の例として5つ書きましたが、お子様が、そういうことが原因になっているんだと感じることが大切です。
算数のスキルが上がってきましたら、その原因の書き方も、大人顔負けのしっかりした分析になるかもしれません。
たかが計算間違い、されど計算間違いという姿勢で取り組むと良いと思います。
追記ですが、マス目のあるノートを使っていたら、マス目から数字をはみ出さないことを強く意識する必要があります。