- 2022年7月6日
進学塾では、範囲の決まっている復習テストと範囲の決まっていない実力テストがあります。
本番の入試は範囲が決まっていないので、範囲の決まっていないテストで活躍することが理想です。
しかし、それが難しいのです。
範囲の決まっているテストは徹底的に復習して演習すればなんとかなるでしょう。
範囲の決まっていないテストは、基本骨格の割合を固めるとか図形に慣れておくとか即効性のあるものではありません。
範囲の決まっていないテストで思考系の問題は、
4年生のころですと、問題の読み取りが甘く、題意がつかめずに解けないということもあります。
力のある子でも成績の上下動が激しいと思います。
それが段々磨かれていき、安定するようになっていきます。
5年生夏くらいから、新6年生の春くらいまでの平均を出せば、それが現在の思考系の力といっていいでしょう。
思考系の力は算数の真の力と言ってもいいです。
1番良いときや1番悪いときは参考程度で、平均が真の学力です。
範囲の決まっているテストと決まっていないテストを受けていくと、下の3パターンになります。
- 範囲の決まっているテスト>範囲の決まっていないテスト
- 範囲の決まっているテスト=範囲の決まっていないテスト
- 範囲の決まっているテスト<範囲の決まっていないテスト
2は現状の力がこれくらいと言えますが、1や3はどうとらえれば良いのでしょうか?
私は現役時代は範囲の決まっているテストが重要と言い続けてきました。
範囲の決まっているテストは、現在の学習の質を見るものなので、
学習の質が高ければ、期待値が高くなり、逆ならば、これからピンチがやってくるというわけです。
範囲の決まっているテストといっても、「過去の復習テスト>現在の復習テスト」が理想ということにし、
習ってもすぐに忘れるパターンは警戒するようには言っていました。
しかし、客観的に振り返ってみると、5年生後半で、範囲の決まっていないテストで活躍できない子は、
学習の質が高くてもそこからなかなか上昇していきません。
はっきり書くと、思考力のつかない学習体勢になっています。
どうしてできないのかを分析しなければダメだと思います。
鳴くまで待とうではなく、豊臣秀吉のように、鳴かせてみようでなければ今後の真の力が上昇する期待値が上がりません。
範囲の決まっていないテストなので、対策不足とはとらえられません。
地頭の話では片付けられません。
真の力がたりないので、それをつけられるように取り組むということです。
- より深く理解する
- 解き方を親に説明する習慣をつける
- 捻りのある問題を練習する
- 1問にじっくり時間をかけて取り組む習慣をつける
- 場合の数などの地道な問題を練習する(場合分けの練習も効果あり)
- 暗算力を鍛える
このあたりがざっと思いつきますが、その子にとって最も効果のありそうなものを選び、なにかを始めないと上昇は難しいです。
高偏差値の学校でも、慶応普通部や慶応中等部や女子学院や豊島岡女子ならば範囲の決まっていないテストにそれほどこだわることはありません。
しかし、その他の高偏差値の学校では思考力が問われます。
じっくり構えている時期ではなくなりました。
塾に通塾していても、思考力不足の指摘やフォローはないでしょう。
「思考力をつける方法は?」
という相談をしないとアドバイスはないと思います。
アドバイスがあったとしても適切な内容になるかどうかはなんとも言えません。
家庭教師をつけていても、リクエストしないと思考力対策はしてくれないでしょう。
志望校に対して、どう対策していくか判断するのは保護者様です。
そろそろまとめになりますが、抽象的なことだけ書いて煽るだけのブログは避けたいと思っています。
具体的な提案をします。
ざっと思いついた上に挙げた6つのうち1番ピンとくるものを1つ取り入れることをお勧めします。
どれをやっても効果があると思います。
範囲の決まっているテストとは違い、一朝一夕では身につきませんので、
思い立ったが吉日で、なにをやれば良いか迷う前に、始めましょう。