- 2016年4月26日
数日前に、ネットの記事を元にブログを書きましたが、
今回もまた、ネット記事が題材になっています。
「敗北から学び取る?そんなことあり得ない!負けた人間がどうやって成長できるんだい?フットボールの世界では、勝った人間だけが学び、成長できるんだよ」
こんなことを10年くらい前にアルゼンチンのサッカー選手が言ったそうです。
日本人からすると、すぐに反省会などといって負けから成長に繋げていこうとするのが普通の感覚だと思います。
つい先日も本田圭佑が敗戦が唯一の収穫などと言っていますし。
人種の違いによる思想の違いだと思いますが、かなり感覚が違います。
それを中学受験の勉強にあてはめてみました。
職業病みたいなものです。
その論理は中学受験でどうなんだろうと考えることで、
いままで見えていなかったことが鮮明になる場合があります。
敗北というのは低い偏差値で、勝利というのは高い偏差値
こう考えがちですが、ちょっと違う気がします。
これだと抽象的すぎです。
偏差値が低くて負けたから、今度は勝とう!
さて勝つために何をやろうかということになり、
繋がっているようで繋がっていない感じがします。
それよりもストレートに、問題が解ければ勝利、解けなければ敗北
このように捉えた方が、分かりやすいと思います。
どうして解けなかったんだろう?
これを反省して、解決法を理解して、次に解けるようにするというのが敗北から学び取ることです。
この文章だけ見ると、いたって普通のことのような気もしますが、
アルゼンチン選手ならば、
「解けなかった問題からは学び取れるものはない、解けた人だけ学び、成長する」
となります。
理科社会の単語暗記や国語の漢字・語句知識ならば、敗北からの方が自然ですが、
算数は、アルゼンチン選手の考え方の方が合うような気がします。
解けなかった問題を解説を聴いて理解できた!
としても、次に同じくらいの手強い問題が出たときに対処できるでしょうか?
イージーミスならば、どうしてこういうミスをしたのかをきちんと分析し、それを心に刻み込んで、
また、今回身につけたことならば、実戦で使えるようにしつこく解いて解ける自信を持つ必要があります。
かなり大変な作業になります。
しつこく解いて解ける自信がついたというのは勝利と言ってもよいです。
では、逆に解けた人だけが学ぶというくだりです。
これは、問題を解く過程で、糸口をうまく発見したり、軌道修正したり、粘り強く数えたり、丁寧に書いたりした結果です。
こういうときは、こう考えたら、こう書いたら解けるんだという成功体験の蓄積が成長につながります。
あまりにも簡単で、単なる計算練習のような問題では、成長には結びつかないかもしれませんが、
(スピードは上がると思いますが)
なんとかできた!
と思える問題ならば成長につながります。
そして、その成長をより確実にアップさせるためには、正解の問題の見直しが大切です。
ほとんどの受験生は、できていた問題を見直すことはしないでしょう。
できなかった問題ができれば、その分、力がつくと考えるのが一般的だと思います。
しかし不正解から得られる成長よりも、正解から得られる成長を重視するのならば、
間違えた問題ができるようにとウェートをおくよりも、
できていた問題の別解を考えたり、もう少し上手く考える方法を考えたり、どうしてそうやったら解けるのかを考えたり
というように、できた問題を考える時間を重視すると良いと思います。
視点を少し変えますが、
例えば、授業である問題を解けたA君と解けなかったB君がいるとします。
講師から解説を聴いて、B君が理解できたとしたら、B君はA君に近づいたことになります。
それをくり返していけば、やがてはA君とB君の学力はほぼ同等になるはずです。
ところがそういうことにはなりません。
理由はこれと1つに断定できるわけはありませんが、
正解にできた問題の解説を聴くことが、A君をB君以上に成長させているのかもしれません。
正解にできた人こそ成長するというアルゼンチン選手の言葉通りになっているのかもしれません。
そんな馬鹿な!とは思いにくい論理だと思いますが、いかがでしょうか?
テストの復習のときに、不正解の問題に目を向けるよりも、まず、正解の問題に目を向けることから始めると良いと思います。
ペンキで壁を塗るときは、まだ塗っていないところを塗ったら完成となりますが、
勉強はそれとは異なり、できなかった問題ができればそれで偏差値がいくつ上がるという単純なものではありません。
できた問題にこだわる
そして、問題を解くときは、解けない問題をできるだけ避け、なんとか解けるくらいの問題の演習時間を増やすと良いと思います。