復習は何回やるべきか

毎週、金曜日にテレビドラマで「下剋上受験」をやっていて、楽しみに見ています。

受験ドラマは職業柄、興味を持って見ています。

かなり前に放映された「受験の神様」は、最近、YouTubeで何年かぶりに見ました。

菅原道真をもじっている中学生の菅原さんの傍若無人な態度が面白いのですが、受験に役に立つ話題も豊富です。

いっけん、受験とは全く関係の無いようなことでも、のちのち受験に役に立っているというつながりがあり、その奥の深いところが面白い秘訣だと思います。

 

今回の「下剋上受験」もきっと面白い話題があるのだろうと思っていましたが、ここまで毒にも薬にもならぬという表現がピッタリなほど役に立つ話題はありません。

でも、「それはダメ!」と思えることもあまりなかったので、そういうドラマかと思っていましたが、先週の第6話で、ついにダメな話題に触れてしまいました。

そのときの感想のブログでも書いたのですが、忘却曲線の話です。

もっともらしく語っていたので、視聴者の中に、忘れるのが普通で、忘れないうちに復習をするのが正しいと思ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

遠い昔の話になりますが、私が実弟から問題を出題されました。数字は覚えていませんが、1・1・9・9を使って10をつくるという類いの問題です。

いまでこそ典型題のようなものですが、当時は目新しく、考えても考えても分かりません。

悩んだ末に自ら答えを出したのか、ヒントをもらったのか、答えを教えてもらったか記憶にありませんが、なんとも凄い方法で10になるものだと衝撃を受けました。

 

それから10年以上たって、開成中で同じような問題が出ました(これもかなり前の話です)。

1・1・9・9と、同系統でそれよりも少し難しい問題が出ましたが、10年ぶりだというのに、見た瞬間に「開成だから、あれかな?」と閃き、いとも簡単に答えが分かりました。

 

これを忘却曲線でどう説明がつくのでしょうか?

10年以上の間、復習などはしていませんので、その実験データにあてはめれば100%忘れているということになります。

おそらく、「弟に出題されたものができずに悔しかった」・「解法が鮮やかだった」

こういう要因から、上手く身についたのだと思います。

上手く身につけば10年間どころか何十年も忘れないということだと思います。

「復習をしないと忘れる」というような身につけ方をしていると、忘却曲線のとおり忘れるというわけです。

 

では、タイトルについて考えます。

上手く身につけば復習をしなくても定着しているはずですが、さすがに復習ゼロというわけにはいきません。

  1. 反復することにより型ができあがり、スピードアップする・ミスが減る・応用できる
  2. 上手く書くことによって、他の分野でもその概念を使え応用問題に対応できる
  3. 身についているかどうかの点検

こういったことから反復はするべきです。

決して復習しないと忘れるからではありません。

 

そもそも忘れないように反復をしていったら、いつまでも新しい単元に進めなくなってしまいます。

入試前に、いままで学習したことをすべてやり直さなければなりません。

 

やや脱線しますが、1つ覚えるコツを書きますと、あまりしっかり身につけないことです。

これは理科や社会や国語の漢字などにはあてはまりません。

算数の解法についてです。

こういう問題は「表を書くと上手く行く」とか、「線分図をかいたら左を延ばす」とかその程度のざっくりしたもので良いです。

先ほどの1・1・9・9も、「最後にかけ算で10にする」とだけ覚えていたような気がします。

要所が分かっていたら、あとは考えて細部まで分かり解けますので、「ここがポイント」ということだけ大雑把に身につければ良いと思います。

 

では、本題に戻ります。

復習の回数ですが、やはり多いにこしたことはありません。

その際に、書くべきものは丁寧に書くけど、できるだけ暗算をし、可能な限り速く解くというようにテーマを決めてだんだん研ぎ澄まされた解き方になることを目指します。

しかし、上記のように忘れないためではありませんので、優先順位は低いです。

優先順位が下がりすぎて復習1回ということになってもそれが拙いわけではありません。

 

復習の際に解けない場合もあると思います。

そういう場合は、復習だから軽く処理ということで、解答を見てサラッと流す人が多いと思います。

ここまでのブログを読んでくださった方は、それではダメだということがお分かりになると思います。

忘れる身につけ方をしていたわけです。

ここで軽く扱ってしまうと、また数日たったら、同じことになります。

それこそ下剋上受験の楢崎君が言っていた通り、「忘れる前に復習」となって首が回らなくなってしまいます。

 

身についていないということは、改めて深く身につける必要があるのです。

社会や理科で名称が分からないくらいであれば解答を見て、しっかり目に焼きつけて声を出して書きながら覚えればそれで十分ですが、算数はそうではありません。

復習は、身についているかの点検で、もしもその点検にひっかかってしまったら、それは一大事ととらえていくことが正しい受験勉強だと思います。

 

サピックスでも四谷大塚でも1ヶ月に1回、その月に学習したことを確認するテストがあります。

2週間くらい前から総復習に入り、身についていたら合格、身についていなかったら時間をかけて再学習します。

身についていないというのはとてもいけないことという姿勢でいくと良いと思います。

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