- 2019年1月8日
いまはよく分かりませんが、私がサピックスに入社したころは
算数と理科は5年生の冬の間に5年生1年間のデイリーサピックスの全問題の解き直しの宿題がありました。
それをやらないと、恐ろしいことに4、5クラスくらい下げられました。
保護者からの不満もあったかもしれませんが、それをやり通すのが、サピックスの源流です。
よくサピックスは早稲アカにくらべてドライと言われますが、意味がよく分かりません。
サピックスは熱い塾ではないのでしょうか?
シュプレヒコールをやるかやらないかでイメージが決まってしまっているのかもしれません。
宿題の量、拘束時間の長さは早稲アカの方が圧倒的に多いですが。
5年生の冬の間に5年生1年間の復習をやるべきかどうかはなんとも言えませんが
やらないよりは可能な限りやった方が良いことは間違いありません。
しかし物理的に難しいことは確かです。
1月~3月まで90日間で復習と考えた場合、
サピックスの全テキストが37+3+14+4=58回ありますので、2日弱で1回進めなければなりません。
復習は義務ではなく、能動的な行為です。
機械的に義務的に片付けるものではありません。
力になるようにしっかりやっていくと、到底2日弱で1回の消化は厳しいです。
冒頭の昔のサピックスでもできない生徒さんが大量にいました。
やりこなすのも資質のうちです。
全部はできないとしたら、優先順位をつけたりして単元を絞るのも1つの方法でしょう。
しかし、今回提案するのは敢えて単元を絞らずに全単元行う勉強です。
理由はその方が効果が大きいからです。
話を少し変えますが、復習というのは言い方を変えると、次回塾で学習するときの予習になります。
復習はしっかり身につけるというよりも、次回出てきたときに、より吸収を良くさせるための学習です。
そういう視点に立って考えると、問題を解く必要はありません。
問題の本質を理解することが大切です。
算数の勉強時間の多くは考える時間です。
百ます計算などは問題が100問もありながら数分で終わってしまいます。
それは考える時間がほぼゼロだからです。
算数が得意な人は考える時間を短くできますが、そうでない人はそこに時間がかかるわけです。
時間をかけてなぞるように解く
これは次回の予習にはならない場合があり、意味がないかもしれません。
分からないところは質問!
それは悪くはありませんが、そうすることによって扱う問題数が減れば効果は低いです。
それとは発想を変えて、最初から問題を解かずに解説だけ読む
目から鱗というと言い過ぎで恥ずかしいですが、あまりみんながとらない作戦が効率の良い勉強です。
理科や社会は参考書を読むだけで身につきます。
社会の歴史漫画はベストセラーのように売れていますが、
漫画を読んで時代背景をつかめば、学習にプラスになるからと考えているからだと思います。
算数もそれとほとんど同じです。
しかし、算数の場合は問題を解いて答えを出すという意識が強すぎて、
読んでその単元の背景をつかむという意識が希薄になりがちです。
実際に塾関係者も、背景をつかむ作業は頭になく問題ばかり与えます。
市販の教材でも読み物的なものは少ないことでしょう。
秘伝の算数くらいでしょうか。
問題を解かずに、可能な限り範囲を広げてしっかり解説書を読む
このセオリーではないけれど、理にかなった学習方法を
算数教材塾・探求では、サピックス5年生にお勧めします。
サピックスに限らず、どの5年生にもお勧めしますが、
課題が大量に出ていたら難しいです。
塾の宿題だけで充分すぎる問題を解いているので、
能動的な学習のときは社会の歴史漫画のように、
解説を読んで背景に深く踏み込んでいく学習がバランス的にも良いと思います。
上記の秘伝の算数でも良いですが、学習効果を上げるためにはデイリーサピックスの解説書が無駄がないと思います。
先日のブログでも対話式算数TypeSでの1年分の総復習をお勧めしていましたが、
12月や1月のご購入をなさった方はおりましたが、1年分のご購入の方はおりませんでした。
少し試してから判断したいと思われている方もいると思いますが、
こんな短期間に1年分の復習などはできないというように思われている方もいらっしゃると思います。
問題を解くのなら大変ですが、読むだけですので、3ヶ月もあればしっかり読破できます。
対話式算数TypeSは1回分で約10000字ありますので、全56回分で56万字です。
文庫本は1ページで700字くらいありますので、文庫本に換算すると800ページです。
あれっ!?たったの3~4冊くらいです。
1年分の復習と聞いてゾッとしている方も
「文庫本4冊を3ヶ月でくり返し熟読してください」
と聞けばそれなら簡単と思われることでしょう。
問題を解くから時間もかかり、効率も下がるわけですので、
この機会に「解かずに読むことに徹する」というメリハリのある学習はいかがでしょうか。