対話式算数のカリキュラムの特徴

算数教材塾・探求の対話式算数は、カリキュラムを定めています。

市販の教材では、何年生の何月にどれをやるかというようなカリキュラムを定めているものは、見たことがありません。

塾に行かないで学習を進めていくためには、ペースメーカーとしてカリキュラムは必須だと思います。

カリキュラムは大まかに分けて、2通りあります。

似ている単元を続けていく繋がりを重視したスタイルと、一話完結のように繋がりを重視していないスタイルです。

前者はサピックスをはじめ、多くの塾で採用されています。

対話式算数はサピックス以上に繋がりを重視しています。

後者は四谷大塚の予習シリーズです。

予習シリーズを使う塾でも、繋がりを重視して、独自の順番に並び替えているところもあると聞きます。

対話式算数では繋がりを特に重視していますので、私個人的には繋がりがとても大切だと考えています。

しかし、塾それぞれの考えによってカリキュラムが決まりますので、これが正解というものはないと思います。

私は、カリキュラムを作るときに、6年生の冬までに教えなければならない「典型題」「テクニック」をピックアップするところから始めました。

「○○はどの時期に扱うか」「○○は△△のあと」と考えていくと、どんどん定まっていきます。

算数の最も太い柱が 「割合」です。

この扱い方によって、大まかな流れが決まると言っていいです。

関西系の塾では「4年生で割合」があたりまえらしいですが、 私には抵抗があるので「割合」は5年生前半です。

分数はとてもイメージしにくいので、イメージしやすい「比」から始めます。

塾の一般的なカリキュラムでは、分数の割合を学習して、そのあと比を学習するパターンが多いです。

分数の割合のときに「やがて比を使うようになると、この問題はできるようになります」と、慰める講師が多いですが、なぜ、比から始めないのでしょう?と思ってしまいます。

学問の世界は古典的な前例主義だから、なかなか変わらないのだと思っています。

平面図形と比は、塾で働いていたころ、新5年生の春に扱ったことがありましたが、無謀でした。

1年限りでそれをやめ、5年生夏に移しました。

こう書くと悪く捉えられそうですが、ある程度のトライ&エラーは仕方のないことだと思っています。

それをしないと、いつまでも旧型のカリキュラムのままで、良いものに変わらないと思います。

これで、5年生の1年間の概要が決まります。

春から夏にかけて、「割合と比」→「食塩水」→「損益算」→「仕事算」となります。

損益算はやや抽象的で難しいです。

仕事算はなぜか、あまりマスターできない子が増えてきたような気がします。

塾だと難しいですが、損益算や仕事算は先送りでも良いです。

仕事算は速さと比に通じるところがあるので、速さと比を学習する前にはなんとかしておきたいところではあります。

そして夏以降に「速さと比」「平面図形と比」「立体図形と比」「図形や点の移動」になりますが、「速さと比」は奥が深いので、平面図形と比や立体図形と比を一通り学習してから、最後にじっくりやって5年生終了で良いと思います。

点の移動は速さの一部と言っていいので、速さの前に学習するわけにはいきません。

これで、「平面図形と比」→「立体図形と比」→「速さと比」「図形や点の移動」に定まりました。

4年生は? と考えると「和差に関する問題」「規則性」「場合の数」「数の性質」「角度」「求積」になります。

「数の性質」は基礎は4年生で良いですが、基礎の問題と入試レベルの問題の乖離が激しい分野です。

4年生で入試レベルは扱うことはとても難しいです。

6年生になってから、難関校向けの「速さ」「平面図形」「立体図形」「場合の数」の難しい問題とともに「数の性質」を扱うと良いと思います。

上記の4年生向けの単元では、まず、「角度」「三角形・四角形の面積」、そして分数を学びたいので「数の性質」、場合の数や規則性の前に「円とおうぎ形の面積」そこまでで大体1年間の1/3になります。

あとは問題のレベルの易しい順にすると「場合の数1」→「規則性1」→「和差を考える問題1」→「面積2」→「立体図形1」→「規則性2」→「数の性質2」→「速さ1」(数字は何回目の登場かです)

小4集中場合の数を扱えるように、場合の数はやや早めに扱っています。

難関校を目指さないのであれば、5年生までのカリキュラムで十分です。

「4・5年生のカリキュラム」+「重要単元の特訓」+「過去問演習」となります。

ときどき、予習シリーズと併用して使いたいというご要望がありますが、上記の通り、予習シリーズのカリキュラムと理念が異なりますので、相性は良くありません。

対話式算数を市販の参考書のように、その分野だけ参照するという形ならば使えますが、最大の学習効果を目指すとなりますと、私がベストだと思っているカリキュラムで学習して欲しいと思っています。

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