5年生後半カリキュラム|比を使いこなし、相似へ進む

5年生7月|比と割合 ── ここが、このカリキュラムの本丸

「割合」より先に、「比」から入る

そして7月、いよいよ比と割合です。半年かけて積み上げてきたものが、すべてここに合流します。

この単元は、どういう順で学ぶかが何通りもあり、私自身、いちばん試行錯誤したところです。そのうえでたどり着いた結論が、「割合より先に、比から学ぶ」という順番でした。

なぜ、比を先にするのか。中学受験算数では、整数のままイメージして解けるほうが、子どもにとって、ずっと分かりやすいからです。全体を1として分数で考える割合は、いったん後回しにして、整数で扱える比から入る。しかも、「比」といっても、前項・後項・比の値・比を簡単にする——といった計算ルールからは始めません。最初から、比の文章題に入ります。比を計算ルールとして教えると、肝心の文章題と、つながらないからです。6月に和差算を「比につながる表」で解いてきたのは、まさに、この瞬間のためでした。その延長として、比を、すっと導入できます。

割合でも解けるような問題も、最小公倍数を使って、比で処理していきます。実はこれ、6年生になれば、みんな結局やっていることなんです。だったら、最初から、その形で入ればいい。

これは、思いつきで言っているのではありません。私が塾講師だった頃、「割合を飛ばして、最初から比でやったら、どうなるか」を、実際に試したことがあります。結果は、大成功でした。比の前に割合を学んでおく必要は、本当は、ないのです。

そして、割合は、比を学んだあとに扱います。しかも、「くもわ」のような公式では処理しません。割合を、「何倍」という形で捉えます。割合は、比と切り離すと、途端に分かりにくくなる単元です。逆に、先に比を学び、最小公倍数や表の整理が使える状態になってから割合に入ると、見通しが、驚くほど良くなる。半年かけて育ててきた「表で考える」「最小公倍数を使う」「比で処理する」という力が、ここで一気に、効いてくるのです。

ACT26比を使う
ACT27最小公倍数の利用
ACT28二行二列の表
ACT29逆比
ACT30割合をかける
ACT31比の消去算

進度が速い場合の、ひとつの注意

最後に、これは順調に進んでいるご家庭ほど読んでほしい話です。

学習が速いペースで進んでいる場合でも、比と割合に早く入りすぎないことをおすすめします。

お子さんの状況にもよりますが、もし時間に余裕があるなら、比に入る前に立体図形・規則性・場合の数・面積・数の性質といった単元(8月・9月・10月に相当する範囲)に取り組んでから比へ向かう方が、結果的にうまくいきます。

比と割合は、このカリキュラムの本丸です。

本丸には、十分な助走をつけて入ったほうがいい。

急いで早く着くことより、入った後にしっかり伸びることのほうが、ずっと大切だからです。

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