ChatGPTを中学受験に活かすという新しい選択肢

〜「人」に頼らずとも、ここまでできる時代〜

中学受験算数に長く関わる中で、日々思うのは、「学ぶ手段はここまで変わったのか」という驚きです。

私はこれまで、子どもたちが何に悩み、どこでつまずき、どうすれば伸びるのかを徹底的に考え抜いてきました。
その結果として、現在作っている中学入試リスタートは、正直なところ、自分でも「これは他にない」と思える自信があります。
ただ、誰にでもそれを押しつけたいわけではありません。
一人でも多くの子どもが、自分に合った学びに出会って、成績以上の“自信”を取り戻してくれることを願っているのです。

そんななかで、最近強く感じたのが、ChatGPTというツールの可能性です。

「難しい問題」も、「優しさ」も。ChatGPTのバランス

まず驚いたのが、問題のバリエーション反応のやわらかさです。

たとえば、

  • 速さの単位換算
  • 分数のかけ算・わり算
  • 分数と小数の混合計算
  • 計算の逆算(□を求める問題)
  • 最小公倍数の問題
  • 暦に関する問題

といった定番の計算の単元であれば、ChatGPTはレベルを指定しながらいくらでも問題を作ってくれます
もちろん、まだ図形や応用分野では限界も感じますが、多くの単元で、典型的な問題を回して力をつけるには十分すぎる機能です。

しかも、問題を解いたあとに「○問中○問できましたが、どうでしょうか?」と聞くと、ただの正誤ではなく、気持ちに寄り添うような優しいフィードバックが返ってくるのです。

この“優しさ”は、実は家庭学習において、何よりも大きな支えになるのではないでしょうか。

「塾なら飽きない」は本当ですか?

家庭学習の課題としてよく挙げられるのが「飽きる」という問題です。
でも、私にはこう思えるのです。

塾でも、本当は飽きているのではないか?

もちろん、「決まった時間に場所に行き、気持ちを切り替えられる」という点で、塾には確かに一定の効果があります。
少なくとも、時間的に拘束されていることで、完全なゼロ状態ではなく、少しでも学習のスイッチが入るという意味では「行く価値」はあるのかもしれません。

でも、それはあくまで「拘束されているから、少々やる気を出して過ごしている」だけの状態です。

一方で、ChatGPTを活用した学習には、まったく別の世界が広がっています。
こちらは、「楽しいから自ら学びたくなる」という状態。
自分のペースでどんどん問題が解け、対話を通して前向きな気持ちが続き、飽きるどころか次の問題に進みたくなる。
そんな、勉強そのものが“楽しい体験”に変わる可能性があるのです。

つまり、「拘束されているから何とか続いている学習」から、「夢中になって自分から進めたくなる学習」への転換──
それが、ChatGPTを取り入れた学びの価値なのだと思います。

ChatGPT×中学入試算数リスタート

最強の組み合わせかもしれません

私が現在、作っている教材「中学入試算数リスタート」には、“なぜその解法を使うのか”という根本からの理解を重視したアプローチが詰まっています。
解法の学び直しや、つまずきを抜け出すための「きっかけ」として、大きく力をつけられる教材だと思っています。

そのうえで、ChatGPTと組み合わせてこういった使い方ができたら、と思います。

  • 「リスタート」で解法を理解
  • 自分で類題をChatGPTに作ってもらって、演習
  • 間違えたときは、ChatGPTに聞きながら、感情的な落ち込みもやさしくフォローしてもらう

このサイクルが確立すれば、塾にも家庭教師にも頼らずに、自分のペースで力をつけていく学習スタイルが完成します。

保護者と一緒に、ChatGPTを学習のパートナーに

最後に一つだけ。
ChatGPTはとても楽しいので、中毒性があり、特にお子さんはやみつきになりやすい面があります。

ですから、使うときはぜひ保護者の方と一緒に
見守ってもらえるだけで、お子さんは安心して使えますし、誤った使い方にも歯止めがかかります。

親子で一緒に画面を見ながら、「これ正解できたね」「これはなぜ間違えたんだろうね」とやりとりをする。
その時間そのものが、勉強の効果を何倍にもしてくれるはずです。


塾に行かなくても、自分で勉強できる時代になってきました。
でも、“自分で勉強する”にも、正しい道具と道順が必要です。

その一つとして、ChatGPTは強い味方になってくれる。
私は、そう強く思っています。

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