- 2024年5月28日
よく、「どうしたら応用力がつきますか?」 という相談を受けます。
- 授業をよく聴く
- 考える問題を自分の力で答えを出す
回答としてはこの2つしかありませんが、他にもう1つあります。
それはその道のプロと対等に会話することです。
科目は違いますが、 職員室にしょっちゅうきて、社会の先生と対等(!?)に会話していた子は、社会の思考力、応用力が群を抜いていたと聞きました。
筑駒に受かりました。
私の場合も、前塾は、採算度外視で「麻布クラス」などをつくっていて、 担当することが多かったのですが、 生徒は例年2人くらいで、算数の雑談が多かった年は、6年後期の数ヶ月で見違えるような力をつけました。
算数の雑談とはいえ、教材の解説ではないので、未消化問題が出ます。
生徒は「自分でやっておきますからいいです」(本当はやっていないはず) といって、明らかに演習量は減りましたが、それでも伸びました。
算数の雑談とは、解法についてのマニアックな話です。
- 生徒:「どうして○○で解いたんですか」
- 先生:「□□とあるから」
- 生徒:「ぼく、△△とあるからこう解きました」
- 先生:「あっ、先生も最初はそう思ったけど、そんなあからさまなのはトラップかと思ったよ」
- 生徒:「ぼくも単純でなんかおかしいと思いました」
というような会話です。
普通の集団授業ではありえない展開です。
でも、こういうゼミのような授業は応用力がつきます。
集団授業でも、こういう授業を目指したことがありましたが無理でした。
「それで、結論は?」 と考えている生徒だと、この授業では学力ダウンになります。
前述の社会の生徒も「それで、結局どうすればいいんですか?」 とはなっていないはずです。
お互いの考え方を知り、考えの違いなどを楽しんでいるだけです。
- 自分の考えを伝える
- 人の考えを聞く
この姿勢を身につけてこそ、応用力がつくと思います。
自分の考えを伝える場というのは難しいですが、 人の考えを聞く場というのもなかなかないと思います。
授業では考えというより、解き方を教わることになるからです。
そういうことを十分に考えて、対話式算数の教材は作成しています。
さすがに教材に向かって、自分の考えは伝えませんが、 私の考えは十分すぎるほど伝えています。
解き方だけを端的に書いていて見やすくまとめられている教材というのであれば、単元学習でも応用教材でも本屋に良いものは置いてあると思います。
前述のようなゼミ形式の「それにまつわる考え方に触れたい」ということであれば、単元学習は対話式算数、応用教材は小4グランプリ算数、小5グランプリ算数を是非ご利用ください。
背景などの考え方を載せてはいないけど、「詳しい解説」 というのは一見良いようですが、 実はくどくて使いにくいような気がします。
教材作成者が何を狙っているか
- 答えまでの流れを伝えたいか
- 読みやすい解説にしたいか
- 詳しい解説にしたいか
- 考え方を伝えたいか
こういうこともかなり重要なことだと思います。