誰が言ったかではなくて、誰に言ったかが重要

どの業界でもインフルエンサーと呼ばれる人が言うと、それが正しいと思う人が多く影響力があると思います。

その業界にいる人からすれば、明らかに、これは一般論じゃないという意見でも、インフルエンサーが言ったり書いたりすると、フォロワーから多量の「いいね」がつきます。

「いいね」を形式的につけるだけなら良いですが、これ、真に受けたら拙いなと思います。

 

私は趣味で愛車でサーキットを流して走るのが好きですが、Xでは、興味があるとアルゴリズムで判断したら、それに関連するポストが表示されるので、こんなものを見かけました。

サーキットでのブレーキングはギリギリまで待ってフルブレーキなんてドライビングレッスンしてる人誰なんだろ・・・ ガチのギリギリフルブレーキなんて予選1発の時しかやらない方がいいと思うけど。(後略)

 

受験勉強や受験算数では全く関係のない話ですが、このような否定は、受験業界内の指導者の間でもよくある話だと思います。

例えば、クルマで、サーキットでブレーキを強く踏みすぎる人には、上の引用のアドバイスは当てはまりますが、ブレーキが弱すぎる人には「フルブレーキしなくちゃ!」というアドバイスになります。

要するに、ちょうど良いくらいに踏めと指導したいのですが、教わる人がちょうど良いに比べてどうだったかで指導の内容が変わります。

 

算数の勉強でも、計算が遅い人には「もう少し速くできるように意識して解こう」と言いますが、計算が速く雑になっている人には「もう少しゆっくりやらないとダメだよ」と正反対のことを言います。

それを、あべこべになって、ゆっくりやっている人が「そうか!もっとゆっくりやろう!」とか、速くて雑な人が「そうか!もっと急がなくちゃ!」となったらとんでもないことです。

 

アドバイスを真に受けて受け入れるということは、自分の状況がどうかを客観的に判断することができない人だと思います。

インフルエンサーが言ったことから、自分が改善するべきポイントを正確に抽出することができれば良いですが、それができないなら、判断力があり、且つ、自分のことを知っている人が、自分に足りない部分を、直接、言った情報以外は聞き流すくらいが良いと思います。

 

余談になりますが、塾講師時代は保護者会が嫌いでした。

理由はクラスの平均的な子に向けて、エピソードを交えて悪い例の話をすると、保護者会後に、熱心な優秀な子の保護者が「先生の言われたことは、うちの子のことですよね?」とよく言われました。

もちろん否定しますが、そのような動揺を与えることが申し訳ないですし、直接このように質問をされれば、否定する機会がありますが、質問をしないで、逆に受け取ったままの方もいらっしゃったと思います。

 

マンツーマン指導は、このようなすれ違いを防ぐ目的もあります。

「もっと書こう」「書きすぎ」「丁寧に書こう」「もっとシンプルに書こう」「そんなに丁寧に書く必要がない」等のアドバイスになりますが、まさに生徒さんが解いている過程を見ないと言えないアドバイスだと思います。

できるだけ情報は自分に向けて発信されているものかどうかを考えると良いと思います。

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