書き出しとは「A+B+C=8になるものをすべて書き出しなさい」というような問題です。
ちなみにいまの問題の答えは21通りあります。
5年生くらいになると「1+2+5」から6通りできるなどという上手い考え方で難なく21通りということは分かりますが、このような上手い考え方を教わらずに、頑張って21通り書き出します。
※6年生ならば7×6÷2=21通りと解くと思います。
後でテクニックを教われば簡単にできることなので、この書き出しを無駄なことと捉えるか、大切なことと捉えるかは、保護者様の考え方次第です。
算数教材塾・探求では、長年「3年生は書き出し重視」というスタイルで取り組んできまして、頑張って書き出すことを続けると、後に上手く考える方法を教わったときに身につきやすいと実感しています。
例えば、場合の数で4人を並べる問題があります。
答えは、4×3×2×1=24通りというように、簡単な計算で求められますが、これを、24個を書き出す練習を何回もしていたら、4に3をかける意味、2をかける意味、1をかける意味が実感できます。
「この計算で何を求めているか」を実感する力をつけることが難関校に合格できる下地作りになると思います。
書き出しをしっかり取り組んだ子は、実感する力が上がります。
また、上の例題と似ている問題「A+B+C=10になるものをすべて書き出しなさい(A≦B≦Cとします)」を考えてみます。
これもひたすら書き出します。
「1+1+8」「1+2+7」「1+3+6」「1+4+5」「2+2+6」「2+3+5」「2+4+4」「3+3+4」の8通りあります。
今回はWEBサイトの都合上、横に並べましたが、これを縦に、順序正しく整えて書くことが大切で、そういう習慣をつけると、算数全般の解法の質が上がることは容易に想像がつくのではないでしょうか。
3年生の間に、計算力をつけ、解法の質が上がる下地を作ることが大切だと思っています。
雑にサッと計算して終わりの勉強と比べると、雲泥の差だと思います。
当初は、難関校を目指すならば、小学3年生の間は、書き出しの練習をしっかりやるべきだと考えていました。
難関校の算数は場合の数がとても重要ですので、「書き出し=場合の数」ということから、書き出しの練習は難関校受験生向けかと思っていました。
しかし、スカイプ指導などを通じで、幅広く多くの生徒さんに効果がある勉強だと考えが変わりました。
書き出しの練習は、場合の数の先取り学習という意味合いもありますが、上記の通り、書き出すことで実感する力を高めているからだと思います。
言い換えますと、高学年になっても、式を覚える、いわゆる暗記の算数になりにくく、質の高い学習ができるようになります。
算数教材塾・探求の書き出し練習の教材は、3年生の難関校を目指す優秀な生徒さんの集団授業を10年間担当して、その間、改訂を繰り返して生まれたものです。
優秀な生徒さんが汗をかきながら楽しく解いて、トライ&エラーを繰り返した末、正解になって嬉しい表情を見せる問題を集めました。
入試の意識が薄い小学3年生は、特に楽しい問題ではないといけません。
私から提案する教材選びのポイントは「汗をかきながら楽しく解く問題が多い」ことです。
飽きがこないように、書き出す過程の楽しさや、全部書き出したときの達成感があるような問題を並べていきました。
生徒さんができたときに、嬉しそうな表情をするかどうかを基準にしました。
是非、取り組んでください。