なぜ、同じ授業を受けても、できる子とできない子がいるのか

今回のブログは、当然の内容で、言われればそれは当たり前だと思われる内容です。

みな、思っていることを言語化してみました。

 

授業では「なぜそうするのか」の理由をしっかり伝える講師と、流してしまう講師がいます。

理由を伝える講師の方が良いかというと、そうでもなく、クラスの生徒の状況によって変わります。

すでにほとんどの生徒が理由を分かっているのに、くどくどと聞かされると、根気負けして集中力が途切れ、学習効果もなく、下手な授業となります。

あるいは、生徒が理由が分かっていないのに、リズミカルに理由に触れずに進んでいくと、心地良いと感じられ、上手い授業と思うかもしれませんが、中身が薄く学習効果がありません。

必要な分だけ理由を伝えられる授業がベストですが、その必要な分というのが、そのクラスにいる生徒すべてに一致するものではありません。

 

例えば、つるかめ算の説明で、新しく導入ということでなければ、「縦を1匹の足の本数にして、横を頭数にしますね」と、このくらいさらっと話すことが多いと思いますが、それを聞いたときに、どうして縦が1匹の足の本数で、横を頭数にするのかつかんでいる人は良いですが、理由が分かっていない人は、解法を覚える勉強になります。

理由をきちんと聞いて吸収したことがなくても、いつの間にか理由が分かる場合もあります。

 

  1. 理由を聞いて理解できる
  2. 理由を聞いて理解はしなかったけど、いつの間にか理由を理解できた
  3. 理由を聞いて理解できず、いまに至る
  4. 理由を聞かなかったけど、いつの間にか理由を理解できた
  5. 理由を聞かなかったので理解できず、いまに至る

この③と⑤のタイプは授業を受けてもできるようになりません。

できる子には④が多いと思いますが、④になれないと⑤になってしまいます。

塾の算数の講師は、当然、算数や数学ができる人なので、おそらく④の人です。

④や⑤の生徒さんを「そのうちできるできるよ♪」というくらいに考えて、⑤は算数のセンスがないから仕方がないと捉えてしまうかもしれません。

①~③が重視されず、④か⑤は生徒次第と考えられているのが、授業を受けてできるようになる子とならない子が出てくる理由です。

授業で理由を伝えてもらって①を目指すのが1番確実です。

 

塾教材や市販の教材には理由がないものがありますが、それはページ数が多くなりすぎたり、読みにくくなるからです。

そういう教材を使用していますと、④になれればいいけど、結局⑤で効果がなかったとなり、理由を説明しない授業を受けているのと変わりません。

 

まとめますと、学力を上げていきたい場合は、やがて理由が言えるだろうではなく、いま、なんでもかんでも理由を言えることが必要になります。

理由にこだわる習性がないならば、家庭教師に外注することが無難です。

親から理由を問われ続けると、責められているようで、親子関係に影響が出るような気もしてしまいます。

時給の安い大学生の講師で構わないので、「あらゆることを理由を言えるか確認してください」と依頼しておくと学習効果が上がります。

家庭教師の依頼として、解けない問題の解き方を教わるというイメージが強い人が多いと思いますが、そういう依頼の仕方ではなく、子ども自身が理由を説明する機会をつくることを目的とします。

大学生の講師で構わないと書きましたが、逆にプロ家庭教師や学歴の高い学生講師はこういう依頼は嫌がるかもしれません。

自分のノウハウを注入したいと考えるからです。

講師に何かを教わって、理由が自然と分かるならば良いですが、理由をしっかり考えたいという状況ならば、生徒が主役の理由をどんどん言える授業が良いと思います。

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