対話式算数・基礎編「第11話:分数の基礎」

小学3年生や4年生を対象とした対話式算数・基礎編です。

2022年5月にスタートしました。

自転車操業的ではありますが、日々、執筆しています。

 

第1~4話は図形、第5~8話は文章題、そして第9話から数の性質が始まり、第9話は約数、第10話は倍数、第11話と第12話は分数になります。

今週の第11話は、分数1回目ということで、分数の基礎です。

算数は暗記の要素ももちろんありますが、この分数は最も暗記になりがちな分野だと思います。

暗記したものでも、なぜそうなるのか、理由が説明できれば良いと思います。

「なぜ分数の足し算は分母はたさないのか?」「なぜ通分するときは分母の最小公倍数にするのか?」「なぜかけ算のときは分母も分子もかけるのか?」「なぜわり算のときは、かけ算に変えて割る方だけ分母と分子を逆さにするのか?」

こういう疑問におそらくほとんどの子が口頭で答えられないのではないでしょうか。

とにかくルールだから覚えなさいとして、それで解いていると、一部の算数好きの子以外は、親近感が湧かず、算数に親しみを感じず、得意になりません。

小学校で、帯分数のたし算やひき算を仮分数にするように教わっていた生徒さんもいます。

これは仮分数の方が正解になりやすいと、学校の先生は判断したのだと思います。

つまり、過程はどうであれ、正解にできることが正義という考えです。

戦後の日本の学校教育は一定の評価もされていますが、やり方を暗記して、とにかく答えだけ出せれば良いというのは、応用に繋がらず、学校を卒業したら何も残らず、高度経済成長期ならともかく、インターネットが普及された現代では、この暗記学習では厳しいのではないでしょうか。

大学入試改革から、そのあたりは変わりつつありますが、「計算が正確にできれば良い」から「どうしてそういう作業をするのか」という仕組みを理解するようにしないといけないと、個人的には思っています。

分数というのは、暗記学習の最たるものだと思っています。

対話式算数・基礎編は極力暗記の算数を排除していますので、この回は、相当、悩み、試行錯誤して完成させました。

 

11・1

まず、分数を斜線でかくところから始まります。

これは大きさのイメージもありますが、約分や倍分に繋がっていきます。

また、今回は通分まで扱いませんが、次回の第12話で通分が登場するときに、やはり、この斜線をかき、どうして分母の最小公倍数にするのかを実感してもらいます。

斜線をかくことは、分数全体の基礎の理解に繋がります。

 

11・2

仮分数を帯分数に直します。

どういう状況かを図などで理解して、わり算にします。

分数はわり算を計算しないで、式の形を変形したものと考えることができますが、それをイメージをしながらわり算の式をつくっていくように誘導しています。

 

11・3

帯分数を仮分数に直します。

11・2で描いたような図を描くと、これはかけ算にできます。

図と計算式をリンクすることが重要ですが、それを目指した構成になっています。

 

11・4

同分母のたし算やひき算です。

分母はたさずに分子はたします

すぐにたくさん練習して慣れましょう

というような流れにはなっていません。

これも斜線で表してもらっています。

1/5のマスが3個になったら3/5というように理解できます。

 

11・5

帯分数のたし算やひき算です。

ここまでの流れの通り、斜線をかいていきます。

分数の授業=マス目に斜線をかくこと

こういう作業を通じて、分数の感覚を養い、分数の仕組みをイメージしてもらいたいと思っています。

 

興味がございましたら、こちらにどうぞ

この教材の目的は、小4から始まる通塾の前に、解くとき(書くとき)に何を意識すればいいかという基礎を固めるための教材です。
覚える算数になりにくい教材ですので、「うちの子、文系かな?」と思われる方に最も使って欲しいです。
ご検討の程、よろしくお願いいたします。
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