- 2021年10月25日
平面図形と比の4回目です。
相似の2回目です。
次回も平面図形と比ですが、正六角形というやや枝葉の単元になりますので、今週で平面図形と比の基本骨格は学習終了といってもいいです。
大手塾ではこれをだいたい1~2週くらいで終わらせますが、対話式算数では、正六角形を除いて4週間必要だと考えています。
相似を扱わない平面図形と比の1回目と2回目は「公式通りに解く」「底辺比と面積比」と明確に分けましたが、相似の1回目と2回目は、1回目が基礎に対し、2回目はその応用となり、難度が異なるものとなります。
興味のある方はこちらにどうぞ
第76話:相似②の概要
76・1
直角三角形の中に、長方形や正方形が入っている問題です。
相似を探し、辺の比を書き入れますが、実際の長さが分かっている方に比を書き入れても、まるで意味がありません。
何のために比を書き入れているかを理解することが望ましいです。
76・2
影の問題です。
横から見た図をかいて、相似を使います。
斜めの線の長さは変えないように補助線をひくことがポイントです。
76・3
台形に2本対角線をひき4分割する問題です。
この4分割の面積比は上底と下底の比から簡単に求められます。
絶対に覚えるものというわけではありませんが、知っておくと、解法がスマートになる問題がありますので、身につけておきたいです。
平行四辺形などで、補助線をひいて台形の4分割をつくり、その台形に含まれない部分の面積比を求めることがポイントです。
76・4
X型の相似が2組ある問題です。
2組の相似比を利用して、1本の斜め線の分割比を求める方法が一般的ですが、タイサンでは三角形から三角形をひいて答えを出す解法をメインにしています。
底辺比と面積比から積極的に採用している公式通りに面積を求めていく方法です。
応用問題に通用しやすい解法だと思います。
2組以上の相似がある場合は高さを最小公倍数で決めます。
76・5
長方形を折り返す問題です。
相似の直角三角形ができます。
相似比ではなく、3辺もしくは2辺の比を求めて、長さを求めたい直角三角形に、長さの比を書き入れます。
発展学習として、三平方の定理の証明も紹介しています。
練習問題
番号 | 難 | 要 | 講評 |
1 | B | ゼ | 1組の相似の三角形が3つあります。3辺の長さが分かっていない三角形に、3辺の長さの比を書き入れます。 |
2 | B | ゼ | 1番の類題です。2:1を使って○に相当する長さを求めます。 |
3 | C | テ | 1組の相似の三角形が3つあります。3辺の長さが分かっていない2つの三角形に、3辺の長さの比を書き入れます。正方形を利用して、1つの記号に変えます。 |
4 | A | 補助線をひいて三角形をつくります。斜めの線の長さは変えないという意識が大切です。 | |
5 | A | 4番よりもやや複雑な図形ですが、解き方は一緒です。 | |
6 | B | テ | 影の斜め線が2本あるので、三角形を2つつくりましょう。相似なので、すぐに3辺の比を書き入れましょう。 |
7 | B | ゼ | X型の相似を使っても、台形の4分割を使っても、どちらでも同じくらいの負担で解けます。答えが出たら終わりではなく、解き比べてみるといいと思います。 |
8 | B | テ | これは7番とは異なり、台形の4分割の方が楽だと思います。 |
9 | B | ゼ | 横に倒れていますが、台形の4分割を使いたくなる形ですね。 |
10 | B | ゼ | X型の相似を2組利用して、EG:GH:HCを求めます。ECの長さを決めることがポイントです。(2)は「底辺比と面積比」で解いた方が良いと思います。 |
11 | B | ゼ | X型の相似を2組利用する問題です。長方形の1/4の三角形から、2つの三角形をひきます。高さは計算しやすい数字に決めても良いです。 |
12 | C | テ | ㋐は1組のX型の相似で求められますが、㋑は3組のX型の相似で、3つの三角形を求める必要があります。5年生で、これがしっかりマスターできれば、トップレベルだと思います。 |
13 | A | 直角を利用して角度に印を付けて、相似ということを確認します。 | |
14 | B | ゼ | 折り返しは相似を使う可能性が高いです。適切なところに、等しい角に等しい記号を書き入れると、相似が発見できます。相似比ではなく、辺の比で解きたいので、辺の比を書き入れるようにします。 |
15 | B | テ | 14番の類題です。相似の三角形が3つあります。それぞれ記号を変えて、辺の比を書き入れます。 |
「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題
※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題