- 2021年11月29日
受験生に手強いと定評のあるニュートン算です。
タイサンでは、ニュートン算は仕事算と同様に全体の仕事量を決める方が楽だと考えています。
この解き方で説明する講師は年々増えているようです。
その解き方の方が分かりやすいという証明です。
とは言いましても、通塾していて、全体を決めない解き方(線分図をかくことが多い)のやり方が染みついている場合は線分図のままで良いでしょう。
線分図ではなかなか答えまでたどり着かないという場合は、全体を決めて、仕事算風に解くと良いと思います。
2020年版から、ニュートン算は表で解くように変更しました。
明らかに説明が減っています。
説明が減っているということは、単純で理解しやすい解き方だと思います。
興味のある方はこちらにどうぞ
第72話:ニュートン算の概要
72・1
アイザック・ニュートンの話も教養として入れています。
ニュートン算の概念をしっかり説明しています。
出る量(使う量など)と減る量はちがうもので、減る量を意識しようと強調しています。
ここでは、まだ、本格的なニュートン算の問題ではありません。
ニュートン算の表をかく練習をすることがテーマです。
これがきちんとできないと、次からの本格的なニュートン算は歯が立たないと思います。
72・2
ニュートン算の典型問題です。
今回は全体量が決まっている問題です。
全体量が決まっていると、すぐに日数や時間で割りやすく、解きやすいと思います。
ならべて書いて、差を考えます。
入る量、出る量、減る量、時間、全体の量を求めていきます。
72・3
今回は全体量が決まっていない問題です。
全体量が決まっていない場合は、最小公倍数で全体量を決めて、あとは72・2と同じように解くだけですが、それに慣れていないと、72・2のようには解けないと思います。
仕事算でも最小公倍数をかなり使いましたが、ここでも、積極的に使っていきます。
72・4
今回もニュートン算の典型題といえば典型題ですが、表をすべて埋めて終わりではなく、そこから問題を解く作業が加わります。
表で進めていって、状況によっては「つるかめ算」を使うという意識で解いていきます。
72・5
給水管と排水管のある問題です。
第70話の仕事算でも扱いましたが、今回はマイナスの概念を意識する問題です。
中学受験ではマイナスは扱いませんが、マイナスの概念の習得は必要です。
割合と比や倍数変化算でもマイナスの概念を扱いましたが、今回も、それらとは少し違いますが、マイナスの概念を身につけていくことができます。
練習問題
番号 | 難 | 要 | 講評 |
1 | A | 1分で減る量を求めて、全体の水量を求めます。 | |
2 | A | 1分で減る量を求めて、1分で来る人を求めます。 | |
3 | A | 1分で減る量を求めて、改札2つを通る人数を求めます。 | |
4 | B | ゼ | ここから差を考える典型的なニュートン算です。行列の人数が分かっているので、1分で減る人数を求めます。その差から窓口の能力を求めます。 |
5 | B | テ | 初めの行列の人数が異なりますが、表で解くスタイルならば、特に、解き方のちがいがありません。 |
6 | C | テ | 定番ではない肥料の問題ですが、5番の類題です。 |
7 | B | ゼ | 全体の水量を時間の最小公倍数にして、1分で減る量を求めます。 |
8 | B | ゼ | 最後は1週間で減らす量を求め、そこから牛の数を求めます。 |
9 | C | ヒ | 長い文章ですが、問題自体はシンプルですので、ニュートン算の定着度合いが分かります。レベルは高いので、ここまでできれば合格!と考えていいです。 |
10 | B | ゼ | (2)は3分後の行列を求め、そのあとは1分でどうなっていくかを考えます。 |
11 | B | テ | (2)は10週間後の草の量を考えます。別解として、結局18週間で食べたと考えてもできます。 |
12 | C | テ | (1)と(2)は定番のニュートン算ですが、(3)はつるかめ算を利用します。 |
13 | B | ゼ | AとBと湧く量の能力の比を求めます。マイナスの概念が出てきますが、慣れていきましょう。 |
14 | C | ゼ | 給水管2つと排水管2つになりますが、13番の類題です。 |
15 | C | テ | 13・14番の類題ですが、文章がニュートン算風です。解説では、ニュートン算のスタイルにしましたが、13・14番のような仕事算スタイルでも良いです。 |
「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題
※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題