難問・奇問の分類はいかがなものか

難問について

よく、入試問題の講評で、「難問・奇問はありませんでした」と聞いたり見たりします。

難問は、解いたあなたにとっては難しくないかもしれないけど、解く生徒にとっては難しいのでは?と思うこともあります。

正答率が10%を切ったら難問です。

入試問題ならば、同じ位の学力の受験生が受けるので、20%を切ったら難問と言っても良いと思います。

とは言いましても、公表されているところはほとんどないと思いますので、想定となります。

模試において正答率10%を切ったら難問と呼べますが、正答率だけで判断していたら粗すぎます。

難問も分類が必要です。

  1. 解き方の糸口が見つかりにくい
  2. 作業過程が厳しい
  3. 見落としたり引っかかりやすい

こういった分類ができます。

それの総称を難問と呼んでいるという感覚で、何が難しいかを分類した方が良いと思います。

奇問について

奇問についてです。

「奇」という文字からは、奇才のような尊敬するイメージもあれば、奇人という関わりたくないような負のイメージもあります。

後者のイメージになることを恐れ、作問者に敬意を払って、冒頭のように「奇問はない」といっているのではないかと個人的には思います。

奇問を辞書で調べると、奇抜な質問と書いてあります。

奇抜を辞書で調べると、Ⅰ思いもよらないほど変わっていること、Ⅱ他に抜きんでてすぐれていることの2パターンが書いてあります。

この2つは、算数の問題では大いに異なりますので、それをまとめて奇問と呼ぶので、訳が分からなくなります。

ここで、私が、奇問を2つに分類します。

「模問(ももんと呼びます)」と「唯問(ゆいもんと呼びます)」です。

模問というのは、中学の数学の先生が、この問題を見たときに「素晴らしい!これをパクって作問しよう!」と思ってしまうほど、舌を巻く良問です。

良問と呼んでもいいのですが、過去に出題されていない新傾向の問題を分類していますので、良問だと、典型題も含まれそうなので、模問としました。

唯問は、我が道を行くような問題で、中学の数学の先生が、この問題を見たときに「これは発想力が必要な問題だね!」とは思うものの、真似をしようとは至らない問題です。

このブログを書いた理由

今回は言葉遊びのブログではありません。

過去問演習をやるときに、どれに力を入れれば良いかを判断するために、分類してみました。

まず、これまで触れていなかった典型題があります。

典型題の習得に力を入れるのはいうまでもありません。

しかし、今回は典型題については触れないで行く予定でいます。

難問の対処法

3種類に分けた難問についてです。

難問は正答率が低いので、捨て問と分類してしまいそうになりますが、もう少し細かく見ていく必要があります。

1は解説を見て、どうしてそれを糸口にしたのかを理解できるかどうかがすべてです。

そういう視点で書いていない解説、いわゆる結果論の解説では、それが理解できずに、学習効果は高くなりません。

私の書いている解説は、それ一点だけに全神経を集中させて書いています。

2は、そういう問題がよく出る学校かでない学校かで対処法が決まります。

作業が面倒な問題というのは、それを好む先生もいれば、それを好まない先生もいます。

好き嫌いが激しい問題と言えます。

入試問題の主査の先生が、どっち系かを読み取れば、自ずと対策するかしないかが決まります。

主査の先生が替わったらそれが大きく変更したという事例はないような気がします。

一般的に、女子中は作業が面倒な問題が多いです。

3は、自分の欠点が分かれば、それでいいと思います。

過去問の難問が解けなかったときは、以上のことを踏まえて、対策すると良いと思います。

奇問の対処法

では、模問と唯問です。

奇問を分類したので、とても書きやすいです。

模問はしっかり身につけると、算数の知識の幅が広がります。

新しいものに触れることで、脳も活性化しますし、メリハリがつきますし、良いことずくめです。

やればやっただけプラスになります。

楽しんで味わうと良いと思います。

それに対して、唯問は放置で良いです。

「算数マニアで入試度外視で楽しみたい」という考えをお持ちの方はほとんどいないと思いますので、避けた方が良いです。

6年生後期ならば、問題を解いた後、典型題、難問3種、模問、唯問の判断は、もう十分できると思いますが、もしできない場合は、塾の先生に聞くと、教えてくれると思います。

もちろん、「これはももんですか?ゆいもんですか?」と聞いても意味が通じないと思います。

典型題をしっかり固めることが最優先ですが、そればかりでは、昨今の入試問題には対応しにくいです。

糸口を見つける力、模問のようなどこかで出題された珍しい良問の解法を身につけてこそ、アドバンテージになります。

典型題の習得についての詳しいブログは、また後日書きたいと思います。

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