- 2016年7月7日
ここでは成績を上げる方法ではなく、学力を上げる方法です。
学力という面をクローズアップして書きたいと思います。
もとから学力が高い子はバランス良く学習すれば良いと思いますが、これから学力を高めたい子はいろいろな単元を学習すると、極められずにどれも中途半端になり、学力が上がったという実感には繋がりにくいと思います。
塾のカリキュラム通りに学習しても、学力が上がっていると思わないのは、そういう理由です。
学力を高める方法は単純です。
勉強でどうしようと困ったときは、他の分野を考えると、答えが見つかりやすいです。
例えば、ピアノを上達したいならば、どうすれば良いのでしょうか?
「適切な指導を受ける」のと「日々の練習」です。
どちらかというと、後者の方が大切なイメージです。
毎日毎日ピアノを1時間、本格的ならば数時間弾き続けていたら、上達します。
ここに異論のある人はいないと思います。
そのときに、今日は歌を歌う、明日は演奏を聴くだけ、明後日は太鼓、明明後日は縦笛などと、毎日違うものに取り組んでいたら、ピアノの上達が大きく遅れます。
勉強の話に戻します。
キーワードは「扱う単元を絞る」です。
私が塾講師の頃、4年生の1年間は、平常授業でカリキュラムを進める他に、「平面図形」と「場合の数」の80分授業が、それぞれ毎週1回ずつありました。
平面図形と場合の数の実力がついたのはいうまでもありません。
いま思えば、もっと良い教材を使っていたら、もっと効果があったと思いますが、それはどの業界でもよくあることだと思います。
いまならば、1年間同単元を学習していれば、もっと学力が高まることは容易に想像できます。
扱う単元はなんでもいいわけではありません。
4・5年生で成績上位者は「場合の数」に力を入れ、「数の性質」ができる段階になったら、「数の性質・規則性・場合の数」の数系3部門のミックスが良いと思います。
5年生で「数の性質」ができる段階になるのは、相当、優秀な子で、数系3部門のミックスは6年生後期からでいいです。
つまり、4・5年生の2年間は「場合の数」に力を入れ続ける学習になります。
成績中堅の子は、4年生の間は「図形」、5年生になったら「図形」と「和差に関する問題」の並行をお勧めします。
「割合と比」は抽象的で、つかみどころがない分野なので、「和差に関する問題」で、イメージをつかみながら解くことに注力した方が学力が高まります。
成績上位者は、良質な場合の数を学習していけばいいだけという単純なものですが、その他多くの子は、解くことだけでなく、解説を読んで理解することに時間を当てることが大切です。
対話式算数の本編を繰り返し読んでいく学習をお勧めします。