第68話は、2019年版までは緩い回でしたが、2020年度の改訂で、逆比で利益の比を求める問題を載せて、一気にレベルが標準か、むしろ少々上がりました。
先週の売買損益算①は比を使わずに、せいぜい逆算で解ける問題までにしましたが、今回は比を使う問題のみです。
一般的には、原価を①にしますが、タイサンでは原価を100円にします。
イメージしやすく、混乱することもないと思います。
原則として、比を使っていたら実際の数字を使うのは最後になりますが、多くの生徒さんは、追い詰められているかのように余裕がなく、すぐに実際の数字を使いがちです。
原価を100円にすることで、そういう問題点も解消できます。
興味のある方はこちらにどうぞ
第68話:売買損益算②の概要
68・1
原価を100円に決めて、定価、売値を求めて、「げてば」の表にまとめます。
いま求めた利益を何倍すれば実際の利益になるかを考えます。
68・2
まったく実際の金額のない問題です。
抽象的すぎて、苦戦する生徒さんが多い問題ですが、原価を100円としていれば、この問題は簡単にできます。
68・3
原価ではなく、定価を100円にして、売価をくらべます。
「原価の○割(%)」という表現がなく、「定価の○割(%)」という表現があり、売価がないので、定価を決めたくなると思います。
割合と比で、プラスとマイナスの差に慣れていたら、難しくないと思いますが、線分図をかいてイメージしても良いと思います。
68・4
2つの店や2つの商品をくらべる問題です。
たて、横をそろえて見やすく解いていきましょう。
売買損益算は表のように整えて書いて解く単元ですが、この問題はまさにそのものです。
分配の法則を使ったり、等しい部分をそろえるという割合と比のテクニックを使います。
68・5
2020年版から、旧小6対話式算数から移動させ、5年用に編集しました。
○個と△個を売ったときの利益が同じという問題で、1個の利益の比は、逆比で、△:○とします。
これも原価100円で解くことができます。
売値の差と利益の差は同じということがイメージできることがポイントです。
練習問題
問題番号 | 難 | 講評 |
1 | A | 原価を100円にして、定価と売値と利益を求めます。 |
2 | A | 原価を100円にして、定価と売値と損を求めます。 |
3 | A | 1番と同様ですが、割引を2段階で行う問題です。 |
4 | A | 原価を100円にして、定価と売値と値引き額を求めます。 |
5 | B | 実際の金額はまったくありませんが、原価を100円にして、売値、定価の順に求めていきます。 |
6 | B | 原価を100円にして、値引き額を定価で割りましょう。 |
7 | A | 4番の類題ですが、実際の金額がない問題です。原価100円にすれば、4番よりも簡単に解けると思います。 |
8 | C | 定価を100円とする問題です。売値の差がいくらかを求めます。 |
9 | B | 8番の類題です。利益どうしなので、差はひき算でいいです。 |
10 | B | A店の原価を100円にして、売値をくらべてみます。 |
11 | C | これは分配の法則を使わないと、解き進められなくなります。表を書けば、そういうことも感じ取れると思います。 |
12 | C | 11番と同様に分配の法則を使ってもいいですが、売値が同じなので、売値を決めてもいいです。得意なスタイルで解きましょう。 |
13 | C | 1個の利益を4:5と求め、80円引の1個の利益を求めます。 |
14 | C | 定価を100円にして、売値を求めます。1個の利益は7:3で、売り値の差は1個の利益の差になります。 |
15 | C | 問題文は14番と少々異なりますが、ほぼ同じ解き方になります。 |
※難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題