塾にできること

塾はできない人をできるようにするサービスではありません。

何かあると(クレーム等)、「できないから塾に通ってもらっているんです」と言う塾講師はいますが、それは建前です。

補習塾ならともかく、難関校を視野に入れた進学塾は、学校で学習しないことを教えているだけのことです。

それを間違えると、塾は、結局、何もしてくれないという不満を持つことになります。

 

今回のブログは、塾の提供するサービスを書いていきます。

  1. 中学受験の範囲の勉強を教えてくれる
  2. わからない問題を教えてもらえる場合がある
  3. どれくらい頑張らないといけないかを教えてくれる
  4. 受験で不安になった保護者の話を聞いてくれる
  5. 親子ゲンカを仲介してくれる
  6. 勉強に関することでの夫婦喧嘩を仲介してくれる

講師によってはもう少しいろいろあるかもしれませんが、基本的に、この6点です。

案外少ないです。

あの金額と、あの拘束時間でどっぷり浸かっていることを考えると、物足りなく感じるかもしれません。

昔の塾は、もっともっと距離感が近くすべてお任せというようなところも存在していたと思いますが、時代の流れで、昔のような塾は存在しにくくなっています。

ときどき、どうしてそういう塾はいまはないのでしょうか?と聞かれますが、簡単に書きますと、ハードなイメージが強くなりすぎて、敬遠され利益が上がらず経営できないということです。

4年生で塾に入れたら、後はお任せというわけではまるでありません。

 

あと、面倒見の良い塾と面倒見の良さそうな塾の判断は大切です。

面倒見が良さそうな塾はいくつかありますが、雰囲気で決めては、伸びるものまで伸びなくなる恐れがあります。

個人塾でオーナーが面倒見の良さにこだわっているところがあるかもしれませんが、個人塾はまたリスクもありますので、面倒見だけで選ぶのは、危険かもしれません。

 

では、1~6について書いていきます。

1は理解できるかできないかまでは関与しません。

インターエデュでもう1年くらい前になりますが、対話式算数を褒めてくださるサピックス板があったのですが、その数件後のコメントで「サピックスはそういう補助をしないのがメソッド」というようなコメントがありました。

よくは覚えていませんが、こんなような内容だったと思います。

私は、どういう意図でこういう書き込みをしているのか理解できませんでした。

塾で言われた通りのことをするのが一番効果が大きいと思われるのはいいですが、それで苦しんでいるという相談をしているのに、サピックスメソッドに拘り、メソッド通りにいかなければ、辞めるべきと言わんばかりの返答でした。

 

違った見方もできます。

私はサーキットでマイカーで走るのが好きですが、サーキット内での事故は保険がおりませんし、ぶつけてもぶつけられても、自分の車は自分で直すというのがルールです。

また車の故障も、自腹になる可能性が高いです。

保険金を払わないという保険会社の言い分も、補償しないというメーカーの言い分もわかるので、それでいいと思っていますが、インターエデュの書き込みはいまの話に近いのかなと思っています。

なんとなく、塾のレールから外れると、補償がきかなくなるようなイメージです。

 

メソッド通りにやれば全員が上手くいくわけではありませんし、上手くいかないからといってもすべてを捨てる必要もありません。

工夫してお子様に合う形でアレンジしていけばいいのです。

 

しかし、この工夫が塾の最も苦手なことで、塾で上手くいっていない子に、大胆なアドバイスはしていないと思います。

営利企業だから仕方がないととるか、難しいところです。

生徒さんがピンチのときに解決してくれないだけでなく、ピンチということさえ伝えてくれないことが多く、とても困ります。

センサーをきちんと働かせて、動いていくのは、塾ではなく、保護者の役割となります。

 

2はあまり期待できません。

物理的に不可能です。

 

3は、これが、まさに塾からの情報です。

簡単に書きますと、悪い点数を取ると、クラスを下げられたり、恥ずかしかったりすることになります。

その点数では成績が悪いということが分かります。

クラスが下がらないように、恥をかかないように、ライバルたちに負けないように取り組んでいったら力をつけるというのが、塾の最大の強みです。

これを目的に塾に通うと言いますか、これが、塾に行く理由の8割を占めると思います。

 

4も5も6もどんどん利用しましょう。

講師によっては、そういうサービスが苦手な人もいるかもしれませんが、それは講師のキャラクターによると思います。

 

最近、スカイプ指導の保護者様方から、塾に相談してもいまいちだったという話をとてもよく聞きます。

算数をやってくださいとか国語をやってくださいのような抽象的な説明はあったとしても、これをこのようにやればこうなるから頑張ってくださいというような、前向きな細かな具体的な指示があまりないそうです。

 

塾に足りないところは何かをピックアップして、それを1つ1つ解決していくことが受験勉強を上手く回していく最大のポイントです。

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