- 2021年9月10日
勉強は反復することが大切です。
ところが反復学習でも効果のあるものとないものがありますし、反復の仕方次第で、効果は大きく変わります。
ただなんでもやればいいってわけではありません。
まず学習の種類ですが、以下のものがあります。
- 解き方を覚えたい典型題
- 典型題からやや捻りのある問題
- 思考系問題
- いろいろな単元の融合問題
反復学習としては1と2で良いと思います。
3・4は解いた跡を見返して、考え方の確認をするだけで良いです。
算数は暗記科目という文字を最近よく見るような気がしますが、算数は暗記科目ではありません。
しかし、解いた問題を、経験として次に生かせるようにしないと学力が上がっていきません。
1と2はその解き方を覚えないといけないので、手を動かすことが必要ですが、そうでない問題は、経験値を上げるには、解き直すことよりも、解説を見て、こういう考え方で解けたなとときどき振り返る方が効果的です。
解説を度々見ることで、経験値を上げられます。
まったく頭を悩ませることなく、最初から解説を見る学習だと経験値は上がりにくいと思いますが、1回解いた問題ならば、再度解かなくても解説を振り返るだけで十分だと思います。
1・2の反復学習ですが、短時間で解くことが重要なわけではありません。
サピックスの基礎トレのように同じ問題を4回繰り返すときに、スピードを重視する講師もいますが、私はスピードを追求するほど、それと引き換えに大切なものを失っていると思っています。
1回解くごとに、無駄な部分を研いでいき、書く量を減らすことがポイントです。
教える仕事や解説を書く仕事をしていますと、なりふり構わずに答えにたどり着く解き方と、教える解き方、解説に残す解き方は違います。
そこが一緒くたになっている講師もいるかもしれませんが、それは力量の低い講師です。
誤解を恐れずに書きますと、例えば、スカイプ指導で、この問題教えてくださいと言われたときに、「君に教えられる方法を知らない無理です」という内容を表現を変えて伝える場合があります。
ある問題に、自分で答えを出すのみの解き方、レベル別に対応した複数の解き方があり、その解き方で当てはまらない場合は、教えられないということです。
やや脱線してしまいましたが、正答を出す解き方はただ答えが出れば良いものから、洗練されたものまであって、洗練されたものを目指していくと、使える道具として身につけられます。
2回目以降を解くのならば、前回よりも解き方を工夫し、いつでも安定して求められるスマートな解法を探し求めましょう。
ポイントは、他の単元でも使う技法を共通化させることです。
生徒さんの解き方を見て、ごちゃごちゃ書いていて、よく答えにたどり着いたなという印象の場合があるとします。
反復学習のときもそれでは効果がないということです。
以前は解けたけどいまは解けませんというタイプは、だいたいこのパターンだと思います。
2回目は上手く解いているなという印象にならないと反復する意味が薄れます。
そして、もうこれ以上簡略化できず、これ以降は同じ解き方しかできませんという状態になりましたら、その問題は卒業になります。
新しい問題をいろいろ解いていくよりも、上記のような反復学習ができれば、学力向上につながります。
反復学習のときに、スピードを重視すると、身につきやすいスマートな解法に向かっていかないということです。
良い解き方に近づけることはとても重要だと思っています。
しかし良い解き方とは、人によって異なります。
好みの問題もあります。
しかし、良い解き方というものを意識することなく、解けないと悩んでいる生徒さんが多いと思います。
自然とすっと入ってくる良い解き方を探し求めることが大切で、それを自分のものとすることが学力向上には欠かせません。
反復学習は、毎回、解き方を上質なものに変えていくことを目指すべきだと思います。