4・5年生に計算と一行問題集は必要?

スカイプ指導をしていて、計算力が足りないなと思うことがあります。

文章題の計算の際、980+37=1117と間違ってしまった子がいました。

単純な繰り上がりミスなのですが、これを繰り上がりミスだと捉えては物足りません。

1000より20小さいものと37をたしたものは、1000より17大きくなるとイメージできていれば絶対にこのような間違いは起こりません。

 

スカイプ指導では、日頃、「仕方のないミス」と「実力不足のミス」があると言っています。

仕方のないミスは仕方がないですが、実力不足のミスは、実力を高めることで解消されます。

上記の計算は、数字の感覚が身についていないという実力不足です。

 

数字の感覚が身についていないならば、計算練習するしかありません。

計算練習というと、計算問題集が思いつきますが、私は、市販の計算問題集に興味がありません。

いままで、計算練習をしても算数が弱いままの生徒さんを数え切れないほど見てきました。

そして、算数のできる子は、計算練習に熱心な子もいれば、計算練習をしていない子もいます。

相関関係を感じることができませんでした。

 

塾講師は算数が苦手な子に対し、金太郎飴のように「まずは計算練習などの基礎問題をやってください」と言いますが、それを言われて、実行して、実際に伸びたという生徒さんはいるのでしょうか?

ほとんどいないと思います。

「基礎トレはやっているんですけど」、というサピックスの下位クラスの生徒さんもよく見ます。

不思議なことではありません。

計算と一行問題集をやっても、力がつかないことが証明されたというだけのことです。

計算力というものを、純粋な計算力と四則演算に分ける必要があります。

それが混同してしまうと、話が見えてきません。

四則演算の計算練習では計算力がつかないと思います。

 

計算と一行問題集は、計算は四則演算なので計算力の向上はしません。

「入試の一行問題の対策」と「解くスピードアップ」と「簡易的な復習チェック」以外に効能はないと思っています。

6年生になったら、そのあたりにそろそろ力を入れていいと思いますが、4~5年生は、何かのおまじないのような儀式的な気さえします。

 

私自身の子供の頃の体験で、度々ブログに書いていますが、小学3年生のときに、公文のA~Cを3回ずつ繰り返し、時間を計って競技のように取り組んだことが、算数力を高めたと確信を持って言えます。

それと同等のものは「百ます計算」にあたり、現在、小2~小5の生徒さんに相談されましたら、全員に「百ます計算」を勧めています。

百ます計算と言っても一桁のかけ算九々ではなく、99以下の足し算・引き算の暗算、20または30または50以下のかけ算の暗算の鍛錬版です。

毎朝、計算と一行問題をやる習慣のある子は、それを百ます計算に置き換えてください。

効果はまるで違います。

 

2018年度、6年生で百ます計算をやりたいという子に勧めまして、第一志望校合格後に「百ます計算は効果あった?」と聞きましたら、「計算が速くなり、塾の授業について行けるようになって力が付きました」と返ってきました。

指導中も算数全般的な処理が速くなった印象があり、期待通りの答えでした。

他にも数名に勧めましたが、断念した子もいると思います。

断念した理由は、暗算でやるのが苦痛だったからだと思います。

鍛錬版なので、そのくらいの苦痛は当然ですし、苦痛を味わうことなく、算数力が飛躍することはありえません。

サピックスの基礎トレで苦痛を味わうことはあるのでしょうか?

 

前述しました通り、基礎トレや市販の計算と一行問題集には、模試や入試の計算問題対策と、簡易的な復習の用途もあります。

模試や入試の計算問題対策は、様々な入試問題の計算から選んでもいいですし、どの計算問題集でも良いです。

算数教材塾・探求として日能研のマスター1095題を勧めていますが、余白があり見やすいというのが理由です。

一行問題の付いていない計算に特化した問題集の方が、模試や入試の計算問題の対策になると思います。

 

復習ならば、簡易的なものではなく、過去テキストを引っ張り出してしっかり復習をした方が良いと思います。

塾のカリキュラムは螺旋階段式になっていますので、重要分野だけの復習で十分だと思います。

 

学習時間には制約がありますので、効果的な学習を目指し、効果の低いものを排除することが大切です。

塾から与えられたものは義務ではなく、授業料を払った対価で、やる権利があると捉えると良いです。

度々言っていますが、ホテルのバイキングでは種類が豊富な方が満足度が高い傾向があります。

バイキングは、苦しみながら全部食べなければいけないものではなく、好きなものを食べたいだけ楽しんで食べるものです。

塾の課題も同じです。

バイキングの「好きなもの」を、塾の教材では「力の付く教材」に置き換える必要があります。

 

話がいろいろな方向に及んでしまいましたが、計算練習は、計算力を高める方法で取り組みましたら、計算問題に強くなるだけでなく、算数の土台となり大きな効果を発揮します。

 

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