- 2018年3月17日
よく、スポーツ選手は格好良く、「俺は誰よりも負けず嫌い!」と言います。
やはり一流選手は気持ちが強いな~とも感じ取れますが、私は、その言葉に違和感があります。
負けることが嫌いなのではなく、勝つことが好きだから、自分の勝てそうなもので勝負しているのではないでしょうか。
負けず嫌いならば、あらゆるもので負けるのが嫌いだから頑張っているような印象になります。
しかし、学生時代に勉強をまるでしてこなかったスポーツ選手は枚挙にいとまがないと思います。
勉強では負けても気にしないけど、得意なものでそれに賭けているというものだけ負けるのが嫌いというのは負けず嫌いというのでしょうか。
私ももちろん勝ちたいです。
しかし、勝てそうなものでしか勝負しません。
いまの業務も大手企業と勝負したら、勝てるわけがありません。
凄い能力があるわけでもありませんので、同じ土俵に上がったら負けます。
教材作りは、大手出版社や大手塾が、塾に行かなくても中学受験できるような教材を本気で作ろうとしないから、競争にならないので、やっているというわけです。
算数教材塾・探求の教材と似ている教材を書店で探してもないと思います。
ないものを作っているので当然のことです。
ちょっと自分語りをしすぎましたが、お子様は負けず嫌いでしょうか?
ほとんどの子は、勝てるものは頑張るけど、なかなか勝てないものを歯を食いしばって頑張って負けないようにしようとはならないのではないでしょうか。
中学受験は、受験という以上、競争です。
入試の倍率が2倍や3倍でも厳しい競争ですが、20倍以上なんてこともあり、ものすごい競争です。
しかし、見方を変えると、入試は勝ち負けではなく、入学の基準点に達すれば、入学の権利が得られるものというように考えることができます。
そうすれば競争ではなく、自分との戦いになります。
ちなみに、最近、灘、開成、筑駒に合格することを3冠王と呼ばれますが、私は、それのどこに価値があるのか分かりません。
どこか1つに受かって、そこに進学すれば十分ではないでしょうか?
3つ受かって完全制覇で自信になるという人もいますが、1つの学校に10位以内で受かるのと、3つの学校すべて受けて100~300位の下の方で受かるという完全制覇では、前者の方が誇れるような気がします。
プロ野球などの3冠王は、どの部門も1位だから素晴らしいわけで、何百人と合格を出す入試で「冠」をつけるのはさすがにどうかと思います。
もっと違ったところで自信をつけて欲しいと思いますし、学校に入ってからいくらでも活躍の機会があるはずです。
入学試験は入学の権利を得ることが目的であって、合格を勲章とする考え方は好きではありません。
話がかなり逸れてしまいましたが、今回のブログは、塾の激しいクラス替え、偏差値、大量なテストという競争漬けの生活で大丈夫でしょうか?という内容です。
本来、クラス替えは能力別のクラスで効率良く学習することが目的ですが、それを競争として煽られるわけです。
なぜ競争させないといけないのか?と思いますが、それが塾というものとしか言いようがありません。
競争にした方が、難関校の合格者が増え、塾として潤うということです。
難関校に合格しなければ、その競争は無意味と言っても言い過ぎではありません。
負けても競争することが好きという子ならば塾の競争は無意味ではありませんが、そういう子は多くはないでしょう。
塾の競争は、競争なので当然負けることがあります。
お子様は競争に負けても挑み続ける精神力はありますでしょうか?
上り調子のときは良いですが、受験生全員が上り調子なんてことはありません。
全体の7割くらい子は競争で良い思いをしていないと思います。
そういう多数の子は競争漬けで学力が上がっているか心配です。
お子様だけではありません。
保護者様も心配です。
あくまでも一般論ですが、父親にくらべて、母親が競争に振り回されて我を見失うパターンが多いです。
男性の方が競争が好きというより、競争は負けても仕方がないと考えている傾向があります。
女性の方が競争で負けてはいけないとプレッシャーがかかっているような気がします。
テストで書けるように単語だけ詰め込んで覚えたり、式を覚えてとりあえず今度のテストだけに対応できるような学習をしていないでしょうか?
それは競争に巻き込まれた故の低品質な学習です。
競争の弊害です。
それを継続したら、見かけ上の点数は良くても、学力は低いままです。
上に書きましたが、入試は基準点を超えれば良いだけのテストですので、競争と考えない姿勢もありです。
それと同様に、塾のテストでも基準を決めてそれを超えられるかどうかだけに目を向けるのはいかがでしょうか。
基準はクラスや順位や偏差値ではなく、点数でもありません。
ターゲットにした問題が正解にできたかどうかです。
テストの問題を1問ずつ見て、これはよくできた、これはここが駄目だったというように分析し、それで終わりとします。
決して、この点数では~という野暮な話はしません。
それが競争にならない学習です。
現在、競争に勝ち続けて順調なお子様はそれでいいです。
勝っても負けても競争が大好きな子はそれでいいです。
競争が好きじゃなかったり、競争で良い思いをしていないお子様には、競争のない世界で学習することが学力を高めるポイントです。
世の中、社会に出たら競争だらけだから、そんな甘っちょろいことを言うな!と思われる方もいますが、大人でも競争をしている人もいれば、そうでない人もいます。
サラリーマンを辞めると競争はかなり減るような気がします。
私も競争をしている感覚はありませんし。
また、大人が競争するから、子供も競争しなければならないとはなりません。
成長を待っても良いと思います。
塾に通いながらでも競争を避ける姿勢で行けますが、それが難しい方には、自宅学習で中学受験の勉強をした方が長い目で見たときにプラスだと思います。