- 2018年2月9日
受験が終わったときに、受験生活の中で、5年生の2学期が最も大変だったと感想を述べる人がいます。
6年生の2学期から1月にかけての方が大変だったと思いますが、5年生の2学期と言うくらい、5年生の夏までと、夏以降は変わるのだと思います。
その変化の印象の強烈さで、5年生の2学期が大変だったと言うのでしょう。
まず、中学受験七不思議の1つと思うかもしれませんが、なぜ、5年生でカリキュラムが修了するかです。
これは早く仕上げた方が良いということではなく、6年生の1学期を復習の時期に当てたいということです。
塾で5年生までと6年生からで担当講師が変わる可能性があるとしたら、そのタイミングでカリキュラムが終わっていた方が混乱しにくいという面もあると思います。
従来は5年生から中学受験のカリキュラムがスタートして6年生の7月に修了というのを、スタートを4年生に早めて、修了も早めた方が営業的にもいいということかもしれません。
5年生でカリキュラムが修了するとなると、5年生の2学期がクライマックスになりますので、新しい難しい内容が毎週のように目白押しにやってきます。
5年生でカリキュラムが修了し、新6年生になると復習になるので、1学期の間はそれほど難しくならず、5年生の2学期の方が新しい概念を次々と身につけていかなければらならない分だけ大変なのでしょう。
逆に言えば、5年生の2学期にやる内容は、6年生になってからまた学習するといえます。
手を広げずに、扱った問題は深く学習することが理想です。
表面上の理解で進めていくと、6年生になったときに、ほとんど身についていないという状態になります。
深く学習するということは、解き方を固定することです、
同じ問題なのに、軟体動物のように姿形を変え、毎回縦横無尽にいろいろ書いて解くスタイルは深い学習になりにくいです。
この問題はこういう書き方で解いていくというスタイルを決めていくことが大切です。
書き方が定まらないのであれば、じっくりマイペースで固めるべきです。
極論すれば、5年2学期は成績を度外視しても良いと思います。
5年生の2学期に脱落しないようにという意識で取り組む人がいますが、学習の質が疎かになったら本末転倒です。
塾講師時代を思い出してみると、5年生2学期にいったん下がった生徒さんが、6年生になって徐々に復活したケースはよくありました。
6年生になってからの取り組み方が良かったともいえますが、5年2学期に失速したら云々は間違っていることにもなります。
丁寧な学習で扱う問題を減らすとしたら、重要な問題は削りたくないところです。
6年生を教えるときに、「5年生のときにこれ身につけなかったの?」と残念に思う場合があります。
扱う問題を減らしたことが原因なわけではなく、その単元の核となる重要な問題に力を入れていないことが原因なのです。
あまり大きな声では言えませんが、塾講師の中に、どの問題が重要か分かっていない場合もあります。
スカイプ指導で通塾生を見ていますと、扱う問題が良いと思う場合もあれば、どうしてこれ扱っていないの?と思う場合もあります。
算数に対する思想の違いというよりは、やはり、あまり見えていないのだと思います。
そういうことが目立つため、「塾で扱った問題をしっかり復習すること!」とは力説できません。
ここまで書いてしまったので、少なくともサピックスの5年生のデイリーサポートにおいては、当掲示板で、外してはいけない重要問題を記しておきたいと思います。
思いの外、問題数が少なくなりますので、それだけで十分とはいえませんが、それを外さないでしっかり身につけることが最も重要な学習になります。
5年生2学期が大変なのは、4年生のカリキュラムが緩すぎだったり、講習で復習が多すぎだったり、6年生と被るのに詰め込みすぎたりというカリキュラムの拙さに起因しています。
カリキュラムにしがみつくため、焦って慌てて地に足のついていない勉強にならないようにして、丁寧に重要な問題を取り組んで欲しいと思います。