- 2016年1月10日
タイトルを見ると、何を当たり前のことを?と思われそうですが、奇をてらったブログではありません。
今年は4年生のスカイプ指導の生徒が数名います。
先日の四谷大塚組分けテストで良い点数が取れたという報告を聞きました。
スカイプ指導をやって良かったと思ってくださりましたら幸いですが、これはそれほど単純な話ではありません。
誤解の無いように読んでいただきたいのですが、スカイプ指導は、成績アップを目指していません。
特に4・5年生はそうです。
6年生もどちらかというと成績アップを目指していないと言った方がいいです。
ところが、スカイプ指導を受けられている方のほとんどは、成績アップを期待してのことでしょう。
その目指すところの相違がトラブルにつながる可能性もありますが、教える技術が上がっているのか、その相違に気づかれずに、スカイプを受け続けていらっしゃる方が多いと思います。
成績アップを目指していないならいったい何を目指しているのか?と思われている方もいらっしゃると思いますが、成績アップは副産物です。
目標は、どうしてそう考えていけば良いのかを理解し納得してもらうことです。
それを目標にしていますので、マニュアルを伝えるような指導はしません。
しっかり理解していけば、成績も徐々に上がりますし、応用力も付きますし、初見の問題にも強くなります。
中学に行って数学になってからも通用します。
インターエデュで、よく、「やがては数学で解けるので算数の○○算は身につけても意味が無い」という書き込みを見ますが、その考えは、マニュアルを伝えればいいという発想と同じです。
私は、数学で解いてもイメージが湧かないから意味が無いと思ってしまいます。
家庭教師なら誰でも理解重視で指導しているかというと、そうではないと思います。
むしろ、点数を上げることを仕事だと考えて、マニュアルを伝えることしか頭にない講師もいると思いますし、そちらの方が多数かと思います。
志望校合格に必要な力を付けようと指導して合格請負人と名乗るならいいですが、「指導料の対価は合格です」と言い切る塾や家庭教師の多くは、解き方のマニュアルを教え込み、点数を取らせる指導ができれば良いと考えている点数派だと思います。
「理由は分からなくて良い。こうやればできるんだよ」というような言葉を発している講師を見ることが多々ありますが、まさに点数派です。
しっかり理解させることをせずに点数派になるのは、「丁寧に説明する力が無い」か「教え手が点数派でいいと思っている」か「理由を説明をすることは費用対効果が低い」と考えているのだと思います。
理科や社会で語呂合わせの開発を売りにしている講師が案外多いですが、そういう人たちも点数派でしょう。
冒頭で、教えている生徒さんが組分けテストで良かったと書きましたが、点数派の講師に教わった方が4・5年生の間は点数になりやすいと思います。
しかし、そういう指導を受けている生徒さんは、見かけ上の点数は取れるため、理解不十分のまま解き続けることにより、基礎が分からないまま進んでいきます。
各種テストで点数は積み重ねているのに、学習は積み重なっていないのではないでしょうか。
6年生になって、スカイプ指導を申し込んでくださる方の中に、「4・5年生の間、家庭教師や個別指導をやっていたんですが、ここに来て成績が下がってしまって…」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
点数派の講師に教わっていたからだと思います。
保護者様が教えている場合も、そういう危険性はあります。
4年生のうちは教えて成果が出ていたけど、5年生になると成績が下がってきたという場合も、同じ現象です。
ときどき、4年生で家庭教師を付けることを、ドーピングとかブーストと揶揄されることがあります。
ブーストはもっと広い意味だと思いますが、ドーピングもそれに含まれていると思います。
ドーピングというと、ズルいことして点数を上げているというイメージですが、ここで使われるのは、そういう意味ではありません。
4年生のときにしっかりとした体制でやってきた子が、ジリ貧になる様子をからかってドーピングと評しているのだと思います。
ジリ貧にならなくて、成績上昇を続けていけばドーピングとは呼ばれません。
4年生のときにしっかりやっていたのに、どうしてジリ貧になるのでしょうか?
大器晩成の子がだんだん力をつけてくるから相対的に下がっていると思われる方もいらっしゃると思いますが、そうではなく、4年生の学習が絵に描いた餅のように意味の無いものだったからです。
学年が進み、学習レベルが高くなったとき、それに対応できる基礎学力が無いからです。
ここのところ、何件かメールで、4・5年生の間はどれくらいの点数が取れていれば良いですか?というようなことを質問されましたが、「点数ではなく、いまどのレベルの問題を解いているのかが重要」と答えています。
四谷大塚であれば、演習問題集の応用まで解いていて、週テストのCまで解いていれば、最高レベルです。
それをどれくらいできるかというよりも、どれくらい地に足を付けてしっかり取り組んでいるかです。
そろそろまとめます。
塾講師や家庭教師の中には、理解重視ではなく、点数を取れば良いと考えている人が多い。
理解を重視していなければ、だんだんついて行けなくなる可能性がある。
4年生ならば、解き方を伝えるだけで比較的簡単に点数を取らせられるが、それよりも理解重視で行った方が良い。
4年生で点数が取れているからといって理解できているとは限らず、理解不足ならば、長い目で見ると逆効果。
どうしてこの式になったのか、この図を描くのか、この計算で何を求めたかということを細かく確認して行くに越したことはありません。