- 2019年2月23日
いよいよ11月になってしまいました。
受験生も大変ですが、私も呑気なことを言っていられなくなりました。
来年度に向けての募集活動にも力を入れないと、確実にピンチが訪れます。
まさに水商売と言ってもいい仕事だと思います。
水商売の言葉の意味はいろいろあるようですが。
先日、プロ野球でドラフト会議がありました。
CSや日本シリーズと無関係な中日ドラゴンズを応援しているファンは、ドラフトとコーチ人事と新外国人くらいしか興味がありません。
ということでドラフトについてYouTubeなどでいろいろ情報を仕入れるのですが、耳に残るのは、東大から日本ハムに行く宮台投手のコメントです。
やはり東大に現役で入るだけの頭脳の持ち主です。
良いコメントが次々と出てきます。
よく取り上げられる「最も困難な道に挑戦せよ」という彼の座右の銘はマスコミでは気に入られているようですが、私はそれほどピンとはきませんが、それ以外で参考になることが多々あります。
その中で最も良い言葉だと思ったのは10月16日のテレビで「野球も小さなところで大きな差になるし、勉強も小さいところを詰めないと理解しているとは言えない」という言葉です。
ハッとしました。
スカイプ指導で、近くに保護者様がいますと、保護者様の気持ちがよく分かります。
「できて欲しい」という気持ちです。
そうしますと、お子様が一見正しいことを言うと、「できた!」「クリアした!」という気持ちが強くなり、隙が生じることがあります。
しっかり成績を伸ばしたいと思っている私は「本当にできているの?」「しっかり理解しているの?」という疑いの目でお子様を見ます。
「ここはどうして?」というように、細かいところを追及します。
すると、2重に間違えていることによって正解になっていたり、適当に計算していただけだったり、違うところを求めていたけど偶然同じ値になっていたりというように、実際は理解できていない確率がかなり高いです。
そのような第三者の目で見ると「理解していないから、もう1回説明するよ」となりますが、できて欲しいという気持ちが強いと、その説明がない状態で次に進んでしまうのではないでしょうか?
宮台投手の言った「小さいところを詰めないと理解しているとは言えない」というのは、このことを言っているのではないでしょうか?
正解にできていたら、「良かった」と思うよりも「本当に大丈夫?」という姿勢が大切です。
心情的に難しいとは思いますが。
それができるかできないかが家庭学習の効果の大小に影響すると思います。
とは言いましても、私もスカイプの指導では細かいところはあまり注意しません。
と書くと語弊がありますが、本質と離れたところは、あまり気にしないということです。
例えば、単位を言い間違えるとか、順序を逆に言うとかなどです。
本当はすべて拘った方がいいはずですが、拘りすぎるとリズムが悪くなったりギブアップするお子様もいると思います。
ここだけは譲れないというところを追及するという感じになります。
抽象的なことばかり書いていてもイメージしにくいので、追及するセリフベスト3を挙げます。
- どうしてたしたの?(「たす」が「ひく」「かける」「わる」になってもいいです)
- どうして最小公倍数にしたの?
- どうして図を描いたの(速さのことです)
回数の多さのベスト3ではないと思いますが、いずれも重要な追及の仕方だと思います。
おそらく上記の3つはきちんと答えられないお子様が多いと思います。
このような小さいところを詰めていくことが大切です。
集団授業の講師をしていたとき、授業中に、やや理解が怪しい子を追及していくと、しっかり分かっている子から「また始まった~」というようなあきれ顔もありましたが、分かっている子にとっては聞く必要も無いくらい当たり前のことなのです。
それがあやふやだからこそ学力が伸びないということです。
「あれっ、本当は分かっていないのでは?」という鋭いセンサーが教える人には必要です。
そろそろ終わりになりますが、宮台投手は大学に入りたてのころは球速は130キロ程度だったのが、体の使い方を理解して球速150キロまで上げたそうです。
一般的には、体力の方が知力よりも素質の影響が大きいように感じると思いますが、やり方ひとつで球速もそれだけ上がるということです。
これを日頃「地頭・地頭♪」と嬉々として書き込んでいるインターエデュの住人が知ったらどう思うのでしょう。
勉強もやり方ひとつで大きく変わります。
それについては、今回のブログでは触れませんが、このブログで「答えが合っていれば細かいところは気にしない」という姿勢から脱却できるご家庭が少数でもいればれば幸いです。