- 2018年5月30日
6年生のこの時期向けのブログになります。
いろいろなブログを見ると、入試直前は復習中心の方が良いと書いている人が多いです。
復習も大切ですが、多くの復習派の人は自信をつけるため、自信をなくさないためとしています。
私は、応用問題を解くためには、典型題の盤石な理解が必要だと思っているので、
その意味で復習で基礎を固めることを目的に復習も大切としています。
上記の一般的な復習に代表されるように、この時期は、自信をつけることがとても大切なテーマのように言われます。
「褒めて褒めて自信をつける」
褒めて伸ばす派の人はそのままで良いと思いますが、そうでない人まで褒めなければいけないと考えがちです。
私は、実は、受験直前期に褒めることに否定的です。
受験生はもう子供ではありません。
受験直前にいきなり褒めると、どうして褒められるのか考えます。
簡単な基礎問題があっているくらいで「お前凄い!天才!」などといわれたら、鳥肌が立ってしまいます。
つまり、褒める側の足もとを見るわけです。
「うちの子は単純だから大丈夫」
という方は褒めて良いと思いますが、
そういったお子様でも、褒める効果は、いままでの経験上あまりなかった記憶があります。
私が塾講師になりたてで、なんでもかんでも吸収していたころ、
上司に、
「受かりそうな生徒には受からないと言い、受かりそうもない生徒には受かると言う」
と言われました。
それが染みついているので、基本スタイルはそれで行っています。
褒める褒めないではなく、
受かりそうな子には「微妙だからがんばれ」と言い、厳しい子には「本調子が出れば行けると思うよ」といったところです。
褒める代わりに、できるだけ、こちらが観客になった気分で、いままでの経緯を踏まえた上で言葉を探します。
「こんな難問に通用するんだね」
「随分ミスが減ったな」
「綺麗に書けるようになった」
「この単元が入試に出たら行けるね」
こんな感じです。
逆ならそれもはっきり言います。
「易しいんだから、なにがなんでも正解にしなきゃ」(早稲アカみたいになりました)
「ミスが多いからいままで以上の注意を払おうよ」
「最近雑に書いているのが気になるな」
「この単元出たら今のままじゃ拙いよ」
こんな感じです。
何を意識すれば良いのか、何をがんばればいいのかは最後まで言い続けなければなりません。
それを放棄して、受験生が気分良くなるように褒めたところで、効果があるとは思えません。
そもそも、褒められて得点力が上がるというのは論理的につながっていないような気がします。
最後まで注意する姿勢が欠かせないと思います。
できるだけ具体的にということが大切で、喧嘩する必要はありません。
それは、受験直前期も、もっと前からもそうです。
アドバイスして、それを聞く耳がなければ、仕方がないとしかなりません。
良くなったところがあったら、その変化は伝えた方が良いです。
褒めるのと比較にならないほど効果があると思います。
受験は結果も大切ですが、この受験勉強を通じて、どう成長したかの方が重要だと思っています。
受験は結果がすべてと考えている塾講師とは気が合いません。
受験生親子が結果がすべてと考えるのは、ある意味必要ですが、真実ではないと思っています。
成長重視が軸にあると、受験生の変化に気づき、それを認めることが大切ということになります。
力のある塾講師は、みなこのスタイルをとっていて、
1年前や2年前はかなりひどかったけど立派になったというフレーズを使います。
「褒めるよりも、具体的な注意、変化を認める」
このような姿勢で残り1ヶ月を乗り切って欲しいと思います。
月並みですが、ラスト1ヶ月で成績は上がったり下がったりします。
不安感よりも期待感が大きくなると良いと思います。
残り1ヶ月になると、焦りが生じやすくなりますので、
スランプにかかる生徒さんがいます。
スランプからなかなか抜け出させない場合があるので、
調子が悪いと思いましたら、早めに易しい問題に戻り、調子を整えるようにした方が良いです。
風邪と同じで、早めの対処が功を奏します。
では、受験生のみなさま、良いお年をお迎えください。