- 2022年10月27日
最近、ブログ更新が滞りがちです。
活動していないわけではなく、教材作成にいそしんでおります。
今年度でいよいよほとんどの教材が出来上がるので、
来年度は小4対話式算数を大幅更新、一部オプション教材の完成度アップ、WEBサイトのコンテンツ増などに力を入れていきます。
そんなことで、現在はラスト(!?)の火事場の馬鹿力を振り絞って教材を作っています。
でも、ときどき、良いブログネタが見つかることがあります。
今回もそうです。
どんなネタかというと、タイトル通りですが、ありふれた内容ではないと思います。
まず、5年生後期は塾によって何を学習しているかは様々だと思いますが、
ここでは、速さの比、平面図形の比をやっているものと想定します。
単元の話の前に、算数の底力を上げるにはどういうことが必要かということを書きます。
教わったことを理解し、その数値替え問題や類題が解けるだけでは底力があるとは言えません。
底力とは初見の問題(応用問題)に対応できる力というのは共通認識だと思います。
初見の問題の対応力とは、どの解き方と本質が同じなのかを見抜き、それを利用して実行する力です。
問題によっては複数の本質を組み合わせている場合もありますし、いろいろなアプローチの仕方がある場合もあります。
難しい問題だとベストの解法が思いつかない場合もあるかもしれませんが、
そういう場合でも「お手上げ…」ではなく、「時間のかかる面倒な方法なら解けるんだけど!」という状態にならないといけません。
つまり、1つの問題をいろいろな角度から見ることができて、
その中からベストなものを使って解くという選択の意識が必要です。
私自身、数学からずっと離れていて大学受験の数学を教えたことはありませんが(ある程度は解けますが)、
もし大学受験レベルの数学の問題を解くときは、せいぜい解法を1通り見つけられるかどうかです。
東進の有名な数学の講師がTwitterで算数オリンピックや大学入試の問題をときどき出しているのですが、
とてもエレガントな解法を紹介しています。
算数オリンピックの問題を、そんなスマートに解けるものなんだと感心しきりですが、
一度、「こういう解法はすぐに見つかるわけではなく30分くらい探し続けた末の結果」だと書いていたことがあります。
数学は算数とは違うので、たくさんの解法があるのかもしれませんが、
数学が得意な人は、解法パターンを豊富に持っていて、いろいろな角度から問題を見ることができて、
頑張ればいろいろな解法が見つかるのでしょう。
例えば、図形の角度や面積の問題は、ときどき中学入試でとんでもない問題が出ます。
三平方の定理を使ったり、二次方程式を使えばあっさりできるんだけど、
そういう禁じ手を使わないで正々堂々と解こうとすると、とてつもなく難問になる問題があります。
どういう意図で出題されているのかは分かりませんが、
真面目な塾講師は算数らしい解法を粘って考えますが、
そういう労力を惜しまずに向かい合うと、平面図形の力が増大になると思います。
受験生にそこまで必要かどうかは何とも言えませんが。
もう流れが見えてきていると思いますが、算数の底力をつけるためには、解法をいくつか見つけられる力が必要です。
底力をつけるということは、別解をみつけられる力と置き換えてもいいです。
どの単元でも大抵いくつかの別解はありますが、第2候補の別解はあまりにも面倒というものがあります。
すべての問題でいろいろな解法を考えるのは非効率と言えるかもしれません。
別解を考えるべき単元とそうでない単元で分けるのが、手っ取り早く単純で良いと思います。
別解を考える単元として、「平面図形の求積」、「平面図形と比」、「速さ」
これが三大別解単元だと思います。
特に速さは、比を使った解き方とそうでない解き方を考えるだけで別解がいくつか考えられます。
難しい問題は解くので精一杯なので、なかなか別解を考えるのは大変ですが、
易しめで余裕のあるレベルの問題ならば、別解も考えやすいことでしょう。
ということで、速さや平面図形と比で比較的易しい問題を扱う5年生夏から5年生後半くらいのときに
別解を考える習慣をつけると今後の学習に生かせるような気がします。
たくさんの問題を解いて力をつけるというのがオーソドックスな考え方だと思いますが、
1つの問題を丁寧に解くことも大切です。
丁寧というのは、ゆっくり落ち着いて問題を読んで、ゆっくり丁寧に式を書いて解くという意味ではありません。
答えが出たとしてもそれですぐに次の問題に行くのではなく、適切な処理をするという意味です。
適切な処理の中に答えが出ても別解を考えるという項目があります。
解く問題を減らしても別解を考える時間をつくることが大切で、特に速さ、平面図形と比ではそれがいえると思います。